劇場公開日 2024年4月5日

「脚本が素晴らしかった」パスト ライブス 再会 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5脚本が素晴らしかった

2024年4月10日
iPhoneアプリから投稿

細部まで練られていて、象徴や観念の連続。
そこに景色も相まってとても美しかった。

オープニングから、あ、これは凄そう、
と思える感じがもうね、ベテランの手腕。

笑えるシーンも多いのですよ。
夫のアーサーが、まるで映画でアジアンカップルを邪魔する米国人だ
とか言ったり。
でも最後にはアーサーの懐がデカ過ぎて敬服しましたな。

ヘソンは、ノラにとっては「コリアン」というアイデンティティの
メタファーだったのかもしれないな、とも考えてしまった。

割と不思議な映画で、断片断片で自分の記憶を思い出したりしつつも
すごく集中してしまって、夢中になって見ていた。
脚本の妙が細部まで行き届いているからかな。

個人的には、ヘソンが切な過ぎてもう泣くに泣けない感じでしたよ。
あの24年ぶりの再会の日に待っている感じが本当に愛らしくて。
ノラにずるいなあと思いつつも、気持ちはわかるし。

バーで、ノラとヘソンに待たされるアーサーも切なかった。
待っている男はなんであんなに魅力的なんでしょうね。

JYARI