劇場公開日 2024年4月5日

「『ワン・デイ 23年目のラブストーリー』と見比べることをお薦め」パスト ライブス 再会 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『ワン・デイ 23年目のラブストーリー』と見比べることをお薦め

2024年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作を観ていると、アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス主演の、『ワン・デイ 23年目のラブストーリー』を想い起こす。すれ違いの期間(本作は24年、ワン・デイは23年)もほぼ同じで、ソウルとニューヨーク、ロンドンとパリというふたりの距離感、互いにひかれあいながら、結婚はしないという点など共通点が多い。出会いが幼少時と学生時代の違いはあるが。
ただ、決定的な違いは、『ワン・デイ』は毎年7月15日に一緒に過ごすことを決めて、お互い友人と割り切っているが、本作は、何年も会わなかったわりには、お互い未練たらしさが露出する点だ。女性の方は既に結婚しているにもかかわらず。

私は『ワン・デイ』には号泣したが、本作にはからっきし涙がでなかった。それは、同じ友人以上恋人未満を描いていながら、『ワン・デイ』が、友人に止まることの葛藤を見事に描いたまさに大人の恋物語とは対照的に、本作は恋人未満の稚拙さ(特に男の方)ばかりが目立ち、押し寄せる切なさの度合いに決定的な差があるように思えた。言いかえれば、別れてほしくないふたり(ワン・デイ)とさっさと別れるべきふたり(本作)の違いかもしれない。

ラストシーンの違いも印象的だ。あまりにも衝撃的な『ワン・デイ』とよくあるパターンの本作。よくあるパターンはしょうがないにしても、そこにあと一歩余韻がほしかった。
感じ方はそれぞれで、本作に号泣するタイプの方もいるかと思うので、二作を見比べることをお薦めする。

ジョー