「言葉で表せない涙があふれた」ミツバチと私 ひなたんくさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉で表せない涙があふれた
子供が主人公である。
その佇まいだけで、絵になるこの子を彼と呼ぶべきか、彼女と呼ぶべきか。
前から気になっていた映画ではあったけれど、観る機会を逸したまま、
残念だと思っていた。
ミニシアターでかかっていることを知り、大画面で、細かな音まで聞こえる場所で、
観たいと思い、迷わず予定を入れた。
ストーリーとしては単純なひと夏の出来事。
けれど子供だからこそ、言葉で表すことのできない葛藤を、
その繊細な優しさを、子供らしい無邪気さは残しつつも気遣う愛らしさを、
画面から受け取ることが出来るような映画だった。
映画館で映画を観る。
それは小説を読むように、ストーリーを追うだけのものでもなく
それは小説を読むように、情景描写を味わうだけのものでもなく
それは音楽を聴くように、その流れに身を任せるだけでもなく
それは会話のように、画面越しに映画と向き合うことで
自分とも向き合うような体験だと思える映画だった。
映画を観る意味を一つ、私の中で増やしてくれた
感覚で捉えて好きだと思えた一作だった。
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