配信開始日 2024年1月12日

「VFX技術の多用が良い結果を生まない例」Lift リフト 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0VFX技術の多用が良い結果を生まない例

2025年1月7日
iPhoneアプリから投稿

VFX、合成技術の多用が、
必ずしも良い結果を生んでいないことを、
証明しているような作品だ。

泥棒と刑事が元恋人、
使い古された設定、
その分、
軽妙なタッチで展開していく。

カメラ、ドローンのスピード、
移動のカット、無駄に撮影関連の技術は高い。

なかなかの珍品だ。

アクションで見たいシークエンスが、
セリフ、作戦の会話が多い。

バットマンに例えると、
ブルース・ウェインと執事ペニーワースとの会話を、
延々と聞いている、
または、
007とM、Qの作戦説明、武器説明を、
見ているようだ。

多くのシーンがブルーバックか、
グリーンバック、
あるいはレッドバックの前で撮影されている。

その結果として、
映像の中で非常にダイナミックで視覚的に強烈な場面が必要とされる、
シークエンスで芝居の力の入れ具合や、
リアリティとのバランスに微妙な違和感を感じることがある。

特に、合成映像が多用されると、役者たちの演技に対する集中力や自然さが損なわれ、
時には感情が薄く感じられることもある。

今作に関して言うと、演出の問題と合成の背景とのマッチングのクオリティの問題だ。

ケビン・ハートと元カノの関係の浅さは、
シナリオの問題。

蛇足軒妖瀬布