「パクったのは…」Lift リフト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
パクったのは…
サイラス率いるプロの強盗チーム。
その日もヴェネチアとロンドンで同時開催されたオークションから美術品を盗む一仕事。
追い続けているインターポール捜査官のアビーはまたしても捕まえる事出来ず。
そんな彼らにデカいヤマ。1万2000mの上空を飛ぶ飛行機から5億ドル相当の金塊を盗み出せ。
話を持ち掛けてきたのは、アビーらインターポール。
大富豪美術品コレクターで犯罪王とテロ集団が大規模なテロを計画。その報酬として支払われる金塊。それを抑える。
この前代未聞の計画にどう挑む…!?
当初は銀行から滑走路間の輸送車を襲う計画を立てるが、無論警備は厳重。やはり上空で。しかし、総重量10トンをどうやって…?
ステルス機を調達して飛行機に似せて改造。飛行中の飛行機の真下を並行して飛ばせ、飛行機と同シグナルを発して管制塔からカモフラージュ。そして飛行機を別の滑走路に着陸させる。
ステルス機やそれを改造出来る者、飛行機を飛ばせる者、管制塔に忍び込める者が必要。ハイテク機器を用意し、自分たちも乗客として乗り込み、敵の部下の警戒を掻い潜り、決行しなければならない。
ミッション:インポッシブル!
チームプレー、追う捜査官、対する敵組織、世界を股に駈け、大作戦とアクションとピンチの連続。
その『ミッション:インポッシブル』や『ワイルド・スピード』路線を狙ったのは明白。
チームや作戦には頼れるリーダーが必須。上記の作品ならお笑いやうるさ担当のケヴィン・ハートが皆を率いる。見ていく内に様にはなるが、やはりさすがにトム・クルーズやヴィン・ディーゼルにはなれなかったかな。
チームの面々は国際色豊かで、この強盗チームも多様性に一肌脱ぐ。
インターポール上司のサム・ワーシントンや犯罪王のジャン・レノはちょっともったいない使い方。
捜査官役のググ・バサ=ローが魅力を発す。彼女演じるアビーとケヴィン演じるサイラスはお互いの素性知らず関係あった仲。
犯罪者と捜査官。思わぬ形で手を組み、再会し…。
最も高い評価を受けたのは『ストレイト・アウタ・コンプトン』だが、『ミニミニ大作戦』『ワイルド・スピード/ICE BREAK』『メン・イン・ブラック:インターナショナル』など大作アクションも手掛けるF・ゲーリー・グレイ。
開幕の“水の都”ヴェネチアならではのボート・チェイス、機内で敵にバレてのアクション、飛行機だからやはりの墜落の危機…。
敵ボスに捕まり、絶体絶命。
アクションとスリル、チームのユーモアたっぷりのやり取り。
こういう強盗映画には十八番のどんでん返し。金塊の行方は…?
恋愛要素も織り混ぜ、ラストも爽快。
ツッコミ所は多々あり、意外とスケールや金も掛かってる気がするが、全体的に軽い感じ。
が、監督の手慣れた手腕と人気俳優を揃え、あくまで面白さ楽しさに徹し、Netflix配信で気軽に見れる娯楽作。
タイトルの“lift”とは、“パクる”という意味。
美術品や金塊をパクるという事なんだろうが、どうも『ミッション:インポッシブル』『ワイルド・スピード』の“パクり”ってしか思えなくて…。