「娘のsearch(愛)が母を探す」search #サーチ2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
娘のsearch(愛)が母を探す
行方不明になった娘を探す父親。
ありふれたサスペンスの設定だが、その捜索方法はSNSを通じて。
LINEや通話のやり取り、パソコン画面、監視カメラ映像、ニュース映像…全てそういったツールでのみ展開していく。
父親自ら現場に動いたりしないのに、あちこち伏線張られ、僅かな手掛かりやヒントから消息を追い、徐々に真相に近付いていく。
ハラハラドキドキスリリングもあり、二転三転もあり。
新感覚のサスペンスであった『search/サーチ』。
その続編。と言うより話に繋がりは無く、別事件。尚、前作の事件は配信ドラマ化され、元ネタとしてチラッと。
前作はあの手法だから面白かった。また同じ事繰り返したら二番煎じになっちゃう。
でも、この手法じゃないと『search/サーチ』じゃない。
今回も『search/サーチ』としての“正攻法”で見せる。
女子高生のジューン。父を亡くし、母グレイスと二人暮らし。(開幕の家族の思い出写真などが収められたパソコンのファイル、伏線)
母は今、コロンビアに旅行中。心配性で、ちょくちょく連絡してくる。
だが帰国の日、空港へ迎えに行くも母は現れず。突然消息を絶った。
母に何があった…?
前作の娘を探す父親から母親を探す娘に。
ジューンはドンピシャのSNS世代。SNSを通じて行方を探す点においては前作よりしっくり。
にしても、SNSのあれやこれやを駆使し、スゲーけどついていけん…。
今回も無論、SNS上の画面や映像で展開していく。
娘と母のTV電話。
友人とはLINEを介して。
母の足取りを追い、利用していた代行サービスの中年男性ハビ(←いいおっちゃん!)にもネットを通じて。
通話記録、アクセス記録…SNS上の母の残した足跡を辿っていく。
母が旅先で、一人の男性と出会った事を知る。
ある監視カメラ映像で、その男からプロポーズ。
父を亡くして以来の母に訪れた幸せに喜びも束の間、母が車で何者かに拐われる映像が…。
さらに調べると、男=ケヴィンは詐欺師。
母の友人である弁護士のヘザーと繋がっていた。
そのヘザーが殺された。
ケヴィンも殺された。容疑者死亡。
母は何処に…?
事件に巻き込まれた…? 事件に関与している…?
SNSで母を検索しても、“存在しない”。
一体、母は…?
さすがに目新しさを薄れた。前作の斬新さは秀でたものだったからなぁ…。
それに5年経ち、SNSもより発展。あの時は画期的だったツールも今では当たり前に…?
SNSは日々進歩していく。一昔前だったらSFや近未来の世界。本当についていけん…。
目新しさは薄れ、前作には及ばなかったものの、サスペンス/ミステリーとしては及第点。
謎、解明、スリリングさは引き込まれる。
母の秘密が分かる。
母は名前を変え、別人として暮らしていた。
そのきっかけは…
ある時ジューンの前に現れた驚きの人物。
パパ…?
死んだと知らされていた父、ジェームズ。
母は何故父の存在を隠していたのか…?
感動の再会…が、父に半ば強引に連れ去られる。
父は麻薬の常習犯。
開幕の家族の思い出映像。鼻血を流した父は麻薬の影響により。
DVの気配も。やがて逮捕。いつしか自分や娘に危害が及ぶ事を恐れ、母は証人保護プログラムを。
その時の担当がヘザー。
また父が服役中に知り合ったのがケヴィン。
伏線や人間関係が繋がっていく。ちなみに二人を殺したのも…。
出所した父は人間関係を利用して近付いていく。
行方不明になった母は父に捕まっていた。
事件の真相と犯人は、死んだと思われていた父だった…!
父の魔の手はジューンにも…。
ラストは想定内。
前作が父と娘の絆なら、母と娘の絆。
二人で立ち向かう。
窮地を脱する事が出来るのか…?
それは配信ドラマにて。
今回の事件もドラマ化されているというユニークなオチ。
それを見ているジューン。
また心配性の母から電話が掛かってきて…。
言うまでもなく事件は無事解決し、ハッピーエンド。
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