老ナルキソス

劇場公開日:

老ナルキソス

解説

ゲイの老人の性と苦悩を描き、国内外で高い評価を得た東海林毅監督の同名短編を、東海林監督が自身初のオリジナル長編として再映画化。

自身の衰えていく容姿に耐えられず、作家としてもスランプ状態にあるゲイでナルシストの老絵本作家・山崎。ある日、ウリセンの青年レオと出会った山崎はレオの若さと美しさに打ちのめされる。レオが山崎の代表作を心の糧にして育ったことを知った山崎は、生涯で初めて自分以外の存在に恋心を抱く。そんな山崎にレオは見知らぬ父親の面影を重ね合わせていた。

「太陽」「沈黙 サイレンス」の田村泰二郎が短編版から引き続き山崎役を、「国民の選択」「黄龍の村」の水石亜飛夢がレオ役をそれぞれ演じるほか、日出郎、モロ師岡、津田寛治、千葉雅子、村井國夫らが脇を固める。

2022年製作/110分/R15+/日本
配給:オンリー・ハーツ
劇場公開日:2023年5月20日

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(C)2022 老ナルキソス製作委員会

映画レビュー

5.0今年を代表する傑作

2023年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年は『エゴイスト』という傑作もあったが、本作もそれに劣らない傑作だ。両作品に共通していることは、男性の同性愛を描いていることはもちろんだが、お金で繋がる人間関係を否定しないと言う点にあるように思う。売春的な行動を、両作品ともとがめる雰囲気は一切ない、それどころか理想の相手に出会うきっかけがお金から始まる関係だったりする。異性愛ではこのように軽やかにそこを乗り越えることができない。「身体を売る」ということに対する差別が異性愛の場合よりもはるかに薄い。(『エゴイスト』の場合、その金で人間関係を作ることを母親に対してもやる時、その気まずさが浮き彫りになっていたが) 主人公・山崎に買われる若い男性・レオは、パートナーと暮らしている。そのパートナーはパートナーシップ制度を検討しているが、レオはどうにも乗り気ではない。社会の中で生きることと、社会から逸脱の自由を享受することは両立するかどうか、そういう問いがこの展開の背景にあるように思った。 山崎たちの世代は、社会が同性愛を認めなかったので逸脱するしかなかった。しかし、そこにしかない豊さもあった。その豊さを失わずに社会から差別を無くすことの可能性を模索している、この映画にはそういう態度があるような気がした。

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杉本穂高

4.0老人の性と愛

2023年6月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

ゲイの老絵本作家とウリ専の若者との交際を通して、現代日本の男性同性愛者を取り巻く様々な問題を掘り下げた社会派ドラマ。 特に男性同性愛者の老後問題には色々と考えさせられた。またパートナー制度などの新しい動きについても知見を与えてくれる。 BLドラマではオシャレに美化されて描かれ消費されている感もある男性同性愛だが、人それぞれの生き様として直面せざるを得ない老人の性を真摯に描いている点で、同種のドラマから一頭地抜きん出ている。

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ku-pa-

5.0完璧な仕上がり

2023年5月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

萌える

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ノブ様