セールス・ガールの考現学のレビュー・感想・評価
全53件中、1~20件目を表示
The Most Wholesome Erotic Drama Ever
As sexual discovery for what perhaps a Western film might consider a late bloomer,Miss World contendor Bayartsetseg does perhaps one of the most adorable lead performances ever in a slow comedy tuned to the pace of urban steppe life. A gag near the end is a refreshing laugh-out-loud with sex positivity, while sex work is handled as feminist documentary. A worthwhile watch from a far corner.
アダルトショップは薬局か
モンゴルで、怪我した友人の代わりにセックスグッズショップでアルバイトすることになった主人公が、性を通じて自分を再発見していく。物語の冒頭では地味だった主人公が、終盤には随分と垢ぬけるというか、別人のようになっている。変化そのものが克明に描かれるのが良い。
セックスショップは「薬局」と言い放つオーナーとのやりとりが面白い。店を訪れる人はみな様々に深刻で、滑稽で、何か癒しのようなものを求めているように見える。確かにそれは薬局と同等の機能を果たしている可能性がある。中盤でキノコ売りの少女からキノコを買うシーンがある。その後店のオーナーと主人公は草原に寝そべって心の距離を縮めるのだが、このシーンの解放感はなんだろう、物語的にもターニングポイントになるのだが、さりげないのにすごく良い。
性はとかくタブーにされがちだが、自分を発見する上でも大切なこと。性を考え自由になる主人公のあり方がとても良い。
自由の香り
モンゴルは、平均年齢26歳の若い国です。
首都ウランバートルを歩いてみても、街を歩いている人は、ほとんどが若い人で、私と同じ年齢層(60歳台後半)のひとと出くわすことはなく、ホテル近くのコンビニのイートスペースは満席で10人ほどが一列に並んでいましたが、そのすべてが25歳前後と思しき若者たちでした。モンゴルは日本の4倍の国土に、350万人しか国民がいない国ですが、教育水準は高く大学進学率は既に50%を超え、日本とあまり変わらないのだそうです。
そんなモンゴルでも近代化が進むにつれて、カティアのように豪華な邸宅に居住し、ドイツ車を乗り回し、古今東西の大作家の性嗜好にも通じ、高価な酒を飲みながら、一人でピンクフロイドのレコード「狂気」を聞く時間をこよなく愛している「すべてを手に入れている」、でも心に傷を抱えている偏屈な成功者がいます。その反面狭い団地に住み、政府や会社に愚痴をたらしながら、家族で仲良く生活しているサロールのような庶民もいる。貧富格差を示すジニ係数は現在日本とあまり変わらない水準まで悪化しているのだそうですが、それでは、ソ連の平等だった時代に後戻りすべきなのか?
この問いは、現代モンゴルの一つの命題になっているようなのですが、この作品は、孤独で偏屈ながらも、「自由」のもつ意味をしっかり理解している人間であるカティアとの交流を通じ、サロールが自分らしく生きることの大切さを学んでゆく成長物語になっていて、その問いには明確に「否」との回答を与えているように見えました。
映画の舞台のほとんどはウランバートルの近代都市ですが、二人がモンゴルの大草原で寝そべり、楽しそうにじゃれ合っている姿がとても印象的で、やはりモンゴル人の心の故郷はいかに近代化が進んでも、それは青々とした大平原のかぐわしい香りなのでしょう。
そしてそれは同時に「自由の香り」なのだと思いました。
この性開放度はモンゴルスタンダード❓
モンゴル女性は裸に抵抗がないのか?
主役のサロール役の女の子はオーディションで選ばれた素人だとか。
そんな子をいきなり裸にして画面に!!
本当にモンゴルってそんな女性が開放的で社会も裸になった女の子・・・
なんて差別的にみないのかなぁ。
日本なら水商売やアダルト映画、風俗にまだ差別は無くはない。
モンゴルというと相撲に入門した多くの成功者しか知らない。
日本から貰った給料が国家予算並みで、インフレになったり、
政治家になった力士の話も聞く。
そんな偏った知識しかないけれど、この映画も結構特殊な気がする。
アダルトショップにバイトで勤務したサロールの成長物語・・・
そういう形態の映画。
このサロールちゃんのキャラクター。
こんな子、日本にも殆どいないよ。
自我が初めから鉄のように強い。
流されないし、自分を持っているし、真面目なのにアダルトショップ‼️
これは完璧に監督目線の女性像。
ヨーロッパナイズされた価値観。
モンゴルの少女がドアを開けたトイレでパンツを下ろすシーンに、
正直言ってびっくりした。
その後も入浴シーン、
極め付けは、サロールちゃん主導の初体験シーンでは、まる裸ですよ。
あまりに度胸が良くて、呆気にとられる。
それとバーニーガールの衣装を着たサロールちゃん。
これは予告やジャケットに載っているのだけど、
何をするシーンなのか?
何のためのバニーガールなのか?
全く理由が分からない。
検閲で前後を切られちゃったとか?
なんか「タンゴの後で」みたいなことは、なかったのだろうか?
かなり心配になってしまいました。
モンゴル映画の新しい波
首都ウランバートルを舞台としたモンゴル映画で、草原も馬もゲルも出てこないモンゴル映画という売り文句に惹かれて観た。モンゴル映画を観たのは初めて。確かにモンゴルのステレオタイプなイメージを覆す新感覚というか、淡々とした中に何とも言えない味がある映画だった。80~90年代の中華圏(香港・中国・台湾)でニューウェーブと呼ばれた作品群や00年代韓流ブーム初期のアート系韓国映画を思わせ、なんだか懐かしい気持ちにもなった。
300人のオーディションを勝ち抜いたという主演のバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルが素晴らしい。素朴な垢抜けない女の子がどんどん可愛くなっていく様子を好演し、意外なナイスバディでヌードなど大胆なシーンも演じていて、おお、と意表を突かれつつちょっと喜んでしまった。オーナー役のエンフトール・オィドブジャムツはモンゴルでは有名な女優らしく、現在ドイツ在住で30年ぶりの映画出演だったそうだが、これまた名演でした。
ところどころ挟まれるドゥルグーン・バヤスガラン(モンゴル人はみんな長い名前だなぁ)という歌手が歌うMV風シーンも面白い表現で、またモンゴルっぽい音楽ではなくて印象に残る(まぁどんなのがモンゴルっぽいんだと言われると知らないんだけど)。思わぬ拾い物というかとてもいい映画でした。面白かった。
ダウナー
モンゴルの考現学
エロいようでエロい映画でなない。
現代のウランバートルでアダルトグッズショップでバイトする以外特別なことのない大学生の青春映画
人生特にイベントもない生活を送っている若者に別にそんな大きな変化があるというわけでもないが、伸び代いっぱいなので確実に成長していくタイプの青春映画。
変わっているのは舞台がモンゴルだが、首都のウランバートル(都会)で、主人公か大学で原子工学を学ぶどちらかといえば地味な女子大学生ということ。この感じ知ってるという感覚と知らない情報が混じり合って心地よい。
初めて見るモンゴル
草原の遊牧民でも大都市の下水管に住む貧困層でもない、日本とさほど変わらない生活をしてるモンゴル人は初めて見たかも。カティアがとにかく魅力的。偏屈な人なのかと思ったけど意外と気安く懐に入れてくれる。酔っ払った演技が素晴らしかった。秋刀魚の味の東野英治郎に次ぐ一流酔っぱらい演技でした。サロールもいいなー。最初のヒゲの生えた小学生みたいな芋臭さからカティアに接触して垢抜けていくさまが何故かうれしい。客に迫られて怒るのは、そんな仕事してたらそれくらいの可能性考えるだろと思うしそこまで怒るほどのことされてないし、と興ざめしましたがその後の回収が心地よくて、まあ20歳くらいの女の子はこんなもんかと矛を収められました。
やや何を述べたいかわからないが…。
今年375本目(合計1,025本目/今月(2023年11月度)7本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
アジア映画の中でも超珍しいのではなかろうかというモンゴル映画。
その数少ないモンゴル映画といえば、チンギスハンであったりであろうところが、まったく違っていて、首都と思われる大きなところで「ある種変わったお仕事」をするアルバイトの女の子のお話(なお、映画の指定自体は一般指定なので、表現上配慮されています)。
モンゴル自体の思想としてややロシアに偏っているのかな、といったところはありました。ただ、この映画自体がやや特殊な部分もあり一概にどうこうとは断定はしにくいです(モンゴル映画自体が超レアなので)。
おそらく趣旨的には「大草原を想像するモンゴルにおいても「このようなお店」は存在するんですよ」ということを述べたかったのではなかろうか…という趣旨(この点でモンゴルである点が趣旨上重要になる)とは思うものの、今度は一般指定であるという関係から、行為はおろか表現まで結構マイルドになっているので(PG12ですらない)、案外こう「何をいいたいかわかりにくい」タイプの特殊な映画です。そして当然英語などであれば一定の類推もききますが、モンゴル語か何かを話されても聞き取り率は0%ですから…。
ただ、この「わかりにくさ」はあえて生じているのだろうし、積極的に意味がわからないということもないので(一応にもモンゴルの首都?を描いた一つの風景といえるので)、減点まではしていない扱いです。
いずれにせよ「PG12でもないのに妙な話題を取り上げる」映画であることは予告編等から明らかなので、その「縛り」で「わかりにくい点が生じる」ことは確かで、それはもう仕方がなかろうというところです。
モンゴル映画は意外と面白い
大草原は一切出てきません
モンゴル版「プラダを着た悪魔」
原子力工学を学ぶ大学生のサロールは、怪我をしたクラスメイトから、彼女が働けない間の代理としてアダルトグッズ・ショップのアルバイトの話を持ち掛けられる。とくべつ仲の良い友だちではなかったが、高給なうえに簡単な仕事だと説かれ、一ヶ月だけ働くことに。そこは、大人のオモチャが所狭しと並ぶ、街角のビルの半地下にある怪しげなショップ(公式サイトより一部抜粋)。
なんとなく生きている主人公のサロールと、享楽的に生きるアダルトショップオーナーのカティアとの交流を、「性」「生」「男女」「愛」「人生」などをテーマに、穏やかな時間の流れ、妙にすんなり溶け込むモンゴルロック、時折挟み込まれるシュールなコメディで描く。
外面も内面も着飾らない、いわゆるリケジョなサロールが、カティアとの関係やアダルトグッズ・ショップでの仕事を通じて徐々にきれいになっていく様は「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイを彷彿とさせる。そして、それと並行して、実は放埓に見えたカティアがサロールとの交歓で、囚われていた過去から緩やかに解放されていく様も美しい。
周りの大人たちから見聞きしたことを、サロールがひとりでホテルを借りて、見よう見まねでやってみたが結局うまくいかなった場面と、早い流れの川を前に、カティアが呟く「幸せとはそれだけでは存在できない」ということばが静かに符合する。自立した人間が、だれかと生きていくことで幸せを得るという、愛おしい矛盾が印象的。
モンゴルって都会なんだな、モンゴルの家ってドアチャイムがないんだな、てか、中国ではなくロシアの影響を色濃く受けているんだな、などなど、あまり馴染みのないモンゴルという国に思いを馳せられるのもおもしろい。サロールを演じた女優さんの名前はたぶん永遠に覚えられない(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガルさんというそうです)。
全53件中、1~20件目を表示












