「松浦りょうの存在感で耐える98分、テーマは興味深い」赦し moroさんの映画レビュー(感想・評価)
松浦りょうの存在感で耐える98分、テーマは興味深い
テーマは興味深いものの、非常に長く感じられる98分でした。
演技演出が気になってストーリーに集中できないところがあります。
まず冒頭のストーリー導入でセリフが聞き取れません。(まさか邦画で英語字幕に助けられると思いませんでした)
後半には慣れてきましたが、前半はかなり忍耐を強いられました。
女子高校生が同級生に殺された事件から7年後、加害者に再審の機会が与えられたことから始まる、被害者両親と加害者の三者三様の心の揺れ動きが描かれています。
酒浸りで加害者を憎み続ける被害者の父・克(尚玄)。
再婚し過去に見切りをつけようと努める被害者の母・澄子(MEGUMI)。
7年間を刑務所で過ごした加害者・夏奈(松浦りょう)。
邦題の「赦し」とは誰が何を赦すことを指すのか。
本作を加害者・夏奈(松浦りょう)の物語ととらえ直したときに、ようやく腑に落ちました。
7年間ひとりきりで苦悩と葛藤を繰り返して自分と向き合い、覚悟と決意をもった眼差しで被害者両親と対峙します。
人を殺してしまったこと、加害者を憎み続けること、娘を守れないダメな親だと悔い続けること。
徹底的に自分を見つめなおし、それでも生きると決めたとき、自分を赦す勇気を得られるのでしょうか。
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