「【"懲罰と更正。"法廷劇を軸に被害者の元夫婦と加害者の女性の心の揺れと変遷を描いた作品。鑑賞側に様々に事を問い掛ける作品でもある。】」赦し NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"懲罰と更正。"法廷劇を軸に被害者の元夫婦と加害者の女性の心の揺れと変遷を描いた作品。鑑賞側に様々に事を問い掛ける作品でもある。】
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- 2000年代になり、少年法の厳罰化が進んでいる。だが、少年達が犯罪を犯す理由(社会不適合、ネグレクト、虐めetc.)の改善はなかなか進んでいない。-
◆感想
・娘を殺害されてから、酒浸りの日々を送る克(尚玄)と元妻澄子(MEGUMI)の加害者である夏奈の再審が始まってからの関係性の変化。
- MEGUMIさんの見応えある演技に、瞠目する。娘を殺害された母の気持ち。-
・夏奈の弁護団の依頼により、澄子は夏奈とアクリル盤越しに話すシーン。そこで、夏奈が話した事。それは、夏奈が母親から虐待を受け、父はなく、学校でも澄子の娘達から酷い虐めを受けて居た事である。
- 澄子はそれを聞き、事実かどうかは確認せずに、場を去る。推論であるが母親の直感として理解したのではないか?-
◼️今作品を確かなるモノにしているのは、加害者の夏奈を演じた松浦りょうの哀しくも切ない表情である。この女優さんが漂わせる雰囲気は尋常ではない何かがある。
・そして、克も夏奈にアクリル盤なしに、会う事を夏奈の弁護士に依頼する。
- あの面着設定は有り得ないが、鑑賞続行。夏奈は克に彼の娘から受けて居た仕打ちを聞き、克は、袖口に隠して居たガラス片を握り締め、場を去る。-
<裁判官(真矢ミキ)が下した判決。懲役一年、執行猶予三年。愛した娘が虐めの主犯格だった事実を受け入れ、ガラス片を海に流す克の姿。そして、二人は十字架の様な形の道を少し離れて歩くのである。
あの判決は、夏奈だけでなく、克と澄子の人生の再出発をも意味しているのではないかな、と思った作品である。今作品は、重くて深くて哀しい映画ではあるが、観る側に様々な事を問いかけて来る作品でもある。>
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