「タイトルだけはいい」SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる じぇんぬさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルだけはいい
設定とタイトルに惹かれたので勢いで鑑賞、結果後悔しました。
タイトル「SEE HEAR LOVE」を音読みするとShe hear loveになるので響ちゃんの心情を表しているように感じる部分だけはいいと思います。
それ以外はき〜〜〜〜ついです。
フラグが役に立ってなくてムズムズするし、
演技、演出が仕事してないと思います。
「オレンジデイズ」を代表するような聴覚障害者を扱う作品のクオリティが高い中
新木優子さんの表現は少し弱く感じました。
”声が出せない”演技に苦しさがなくてリアリティの欠如。
”可哀想だと思わないでください”とあれだけ繰り返したのに、可哀想ですよね?と言わんばかりの御涙頂戴・感動演出で固めたシーンばかり。
設定、見た目だけ揃えても中身が伴わなければ何も伝わりません。
恋敵は恐らく吃音なんでしょうが、それすら伝わってません。
というかあの恋敵要りますか???
おばあちゃんを感動の素材として使いすぎですし、虫が良すぎます。
あえて堅物な性格にする必要がないですし、キャラクターに深みがない。
どこぞの御曹司が掻っ攫っていくダイナミックなラスト。
これもう使い古されてるし、わざわざ今やる表現なのでしょうか・・・?
あと漫画助手に恋心があったとしたら最初から描いたほうが良かったんじゃないですか?
わざわざクリスマスの夜に訪ねて来た彼に対して、感情ダラダラでエロティックに演出する必要ありましたかね?
漫画家のアシスタントとしてそこは最高のパートナーであって欲しかったです。
設定だけ気が利いていればあとはセオリー通りでいいでしょ?と馬鹿にされた気分です。
役者、編集、ロケーションは揃えられているのに、演出・脚本が古典的すぎます。
もったいないです。
恋愛映画の基礎トラブルは単純な”コミュニケーション不足”で
この二人だからこそのコミュニケーション方法を見せるべきだったのに
最後は結局対話しないんですか・・?結局二番煎じすぎます。
「辛い時こそ笑うんだ」なんて言葉は安っぽいですし、大人向けの作品に適さない。
そんな生ぬるい言葉を使われると思いませんでした。
見えなくても、聴こなくても、愛してる
そんなタイトルなのに
周りがごちゃごちゃしすぎです。
2人の対話が少なすぎる、ラッキーハプニングが多くて
2人が障害者である意味がないです。
いい大人が見る映画ではないと個人的に思います。