オットーという男のレビュー・感想・評価
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スウェーデン版を改良したらこうなった
スウェーデン版『幸せなひとりぼっち』はもちろん良い映画でしたが、もうちょっとこうだったら尚良かったなぁ!というところがちゃんと改良されていた印象です。
移民の奥さんは本作の方が、より親しみやすくコミカルな感じなので、こちらのほうがより感情移入しやすかったです。
あと子ども達と初対面シーンでの「オットーだ」「オッロー?」というやりとりも、ちょっとした短いシーンですが、あるのと無いのでは違うなーと感じました。
各キャラクターとの会話が少し丁寧に描かれてるので、あ、こうやって距離が縮んでいったんだな、とスムーズに受け止められるようになっています。
亡くなった妻との出会いも、落とした本を届けるために反対の列車に乗るという、よりドラマチックな始まり方になっていて、個人的にはこちらの方が好きでした。
ガチガチのシリアス感動要素ばっかりではなくてクスっと笑えるシーンもあるので、肩の力を抜いて観られる良い作品です。
ハンカチかティッシュを持って観るのをオススメします!
希望の無い余生はもう結構、と。そう思った主人公が新たな隣人との交流を通して輝きを取り戻す素敵なお話です。
観ようかどうしようか、迷っていた作品です。
たまたま観られそうな時間に上映していたので
これも何かのご縁と言うわけで鑑賞しました。
で
観て良かった。ホントに。
良い作品を危うく見逃すところでした。
◇
一人の偏屈じじい(…失礼)が長年勤めた会社を
退職する場面から始まります。
技術屋の管理者として長年活躍してきたのだが、
その頑固さと人当たりの悪さから
会社の中で次第に疎んじられるようになる。
仕事の内容も、長年携わったものから変えられ
かつての部下が上司になってしまい …と
絵に描いたように「窓際」に追いやられてしまう。
”こんな中で仕事が続けられるか”
半年前,長年連れ添った妻も亡くした事もあり
仕事への熱も失せてしまった主人公のオットー。
思い立ったのは人生の幕引きだった。 …えっ?
ホームセンターで買い物。
ロープや留め具を購入する際に一悶着を起こす。
ヤード単位で売っているロープを
フィート単位で買おうとして無理を通そうとするのだが
「ロープ」にはちゃんとした目的があった。
場面は家の中。
電話を解約する。電気もガスも解約だ。 そして
天井に留め具を取り付ける工事を始める。
ロープの先を丸くし、反対側を留め具にかけて …ええっ
”こんな世とはおさらばだ”
え? え? やんないよね? フリだけだよね?
そう思いながら見つめるスクリーンの中で
イスを蹴倒す主人公。 …やっちゃった!
と、ロープをかけた留め具が天井から外れる
未遂。 ほっ
ほっとしたのも束の間、この後もオットーは
手段を変えては自殺を試み続ける のだが…
首吊りの直前、隣の家への引越が。
メキシコからの移民一家。
夫婦と娘が二人。そしてお腹には三人目。
車の縦列駐車が上手く出来ない夫が気になり
首吊りを中断して駐車を代行してあげるオットー。
それをきっかけに、
人づきあいの悪いオットーとの交流を
積極的に図ろうとする移民一家。 特に奥さん。頑張れ
このオットーという男、今でこそ
偏屈で融通の利かない頑固な男になってしまったが
人情の分からない男では無かった。
隣に棲む黒人夫婦とも
同じ時期に引っ越してきた当初は仲良くできていた。
ささいな理由で起きたすれ違いが
今では大きな溝となっているのだが…
この黒人夫婦の家をめぐって
悪徳不動産が地上げを目論んでいることが分かる。
どうにかしてその企みを阻止したい。
その想いで周りに強力を呼びかけるオットー。
そして…。
◇
最初から最後まで、ムダと感じる場面が
一つも無かったように思います。
それなのに、
話を詰め込み過ぎという窮屈感も受けません。
そう感じるほど、ストーリー展開が匠で
過去のシーンの振り返りを交えた全体の構成も
なかなか良かったです。
次第に明かされていくオットーの人生には
共感しっぱなし。
最後まで引きこまれたまま鑑賞しました。
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
自動車メーカー
フォード⇒ フォード⇒ フォード⇒ フォード
シボレー⇒ シボレー⇒ シボレー⇒ トヨタ …ありゃ
フォード好きなオットー
シボレー好きな隣人がトヨタに乗り換えたことが
仲が悪くなる原因の一つだったようで…。
分からなくもないですが、困ったものです。
メキシカンレスラー
ミル・マスカラスを始め
覆面レスラーがたくさんいた気がします。
みなさん空中殺法が得意なイメージ。
OTTO
線対称になるスペル。
英語圏では珍しいのでしょうか はて。
※日本語だったら「山本山」とか「竹藪焼けた」(←違う)
◇最後に
オットーの周りに現れたネコ。
何度追われても逃げないし、
ベッドの奥さん側に乗って寝るし で、これは
オットーの事が心配な亡くなった奥さんが
このネコに乗り移っているのでは? と
そんな風に思えてなりません。
※ノルウェー・ジャン・フォレスト・キャットでした♡
北欧のとてもモフモフな猫です。 …ああ 触りたい
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
孤独とは
妻を亡くし孤独により他者と疎遠になる男と、隣人となる夫妻と交流することで、改めて人との繋がりの大切さを感じさせてくれる。
その過程を少し滑稽ではあるが丁寧に描き、観てるものの凝り固まった心に染み渡る。
やるべきことがある限り
ディスカウントストアでロープを買おうとするもサイズの計り方に納得がいかずにクレームをつける面倒な男オットー。
近所の住民に挨拶をされても無視、犬が庭に小便をしていたと飼い主に文句を言い、猫にまで八つ当たりをする。
そんな仏頂面で嫌われ者の彼だが、毎日欠かさず近所の見回りをし、分別されていないゴミを整理したり、駐車違反の車のドライバーに注意をしたりと、彼なりの正義感から行動していることも分かってくる。
彼はその日勤めた会社を退職するが、同僚は退職祝いを装って明らかに厄介者の彼を辱しめようとしている。
彼は家に帰ると電話と電気の契約を解除してしまう。
そして冒頭で購入したロープを天井から吊るし、首を括ろうとする。
しかし彼の家の真向かいに賑やかなメキシコ人の一家が引っ越して来たため、彼の自殺は中断される。
突如現れた彼らに対して不機嫌さを隠さないオットーだが、縦列駐車に苦戦する夫のトミーを助けたり、レンチを貸してあげたりと意外にも親切な部分を見せる。
どうやら彼は根っからの人嫌いではないようだ。
トミーの妻マリソルは引っ越し祝いとお礼の意味を込めて、彼に手作りのチキン料理をタッパーに詰めて渡す。
文句を言いながら満更でもない様子で料理を平らげるオットー。
そして何事もなかったかのように再び首にロープをかける。
彼の頭には最愛の妻となるソーニャとの出会いの場面が浮かんでいた。
彼はその最愛の妻を亡くしてしまった。
妻のもとへ旅立とうとする彼だが、天井からロープが外れてしまったために自殺は失敗に終わる。
彼が死のうとする度に、彼の頭にはソーニャとの思い出が浮かび上がる。
わざわざ落とした本を届けるために、駅の向かい側のホームに渡り、進行方向とは逆の列車に乗ってしまう、オットーはそんな親切な男だったのだ。
彼が死のうとする理由は、人生への絶望よりも妻のもとへ早く行きたいからだ。
だが彼はとても律儀な男なので、やらなければならない仕事や、誰かの手助けをしなければならないことがある限り死ぬことが出来ない。
そして彼が死のうとする度に邪魔が(むしろ救いというべきか)入ってしまう。
マリソルはいつも不機嫌なオットーの心を開かせようと奮闘する。彼女は本当は親切なのに心を閉ざしている彼のことがとても心配なのだ。
お節介でもあるが常に明るいオーラを放つマリソルによって、オットーの心は開かれていく。
彼は彼女に運転を教えるようになるのだが、彼が運転を怖がる彼女にかけた言葉にとても心が温かくなった。
彼女のお腹には三人目の子供がいる。
メキシコからの移民である彼女の一家は、これまでにも多くの苦労をしてきたのだろう。
それでも立派に子供たちを育ててきた彼女なら絶対に車の運転が出来るようになるとオットーは彼女を励ます。
次第に優しい一面が見えてくるオットーだが、それでも最愛の妻を失った心の傷は癒えない。
彼はついにマリソルに向かって、妻以外はみんな無価値であると言い放ってしまう。
それでも彼が死を選らばなかったのは、彼がまだ人のためにやるべきことがあると考えたからだ。
家庭に居場所のないトランスジェンダーのマルコムの存在もあるし、彼がかつて懇意にしていたルーベンとアニータの存在もある。
介護が必要なルーベンと病気を隠していたアニータを、不動産会社は不当に住居から追い出そうとしていた。
どうやら過去にも不動産会社の横暴に対してオットーは抗議をしていたらしく、その方針を巡ってルーベンとは仲違いをしてしまったらしい。
オットーは彼らを助けるために、今まで蔑ろにしてきた人たちに協力をあおぐ。
そしてマリソルに自分の過去を、心の内をすべて話す。
彼が少しずつソーニャ以外に対して心を閉ざすようになった経緯も段々と見えてくる。
これはオットーという人間の再生の物語でもある。
彼はやるべきことがある限りは生き続ける。
オットーは心臓が大きいという問題を抱えているが、心臓も心も英語では同じheartだ。
heartが大きいからこそ愛も深い彼だが、心臓が大きいということは身体にかかる負担も大きい。
やがて来る結末は想像出来てしまったが、最後まで心が温かくなるような映画だった。
コメディセンスも秀逸で、社会問題をうまく絡めたシナリオも良かった。
ウォーキングを日課にしている陽気なジミーの存在がとても面白かった。
トムの演技力がいい。
スウェーデン映画の幸せなひとりぼっちを、マークフォスターが監督 トムハンクスが、いい演技だ。若き日のオットーを息子さんが演じてるんだな。
列車での出会いは、ビフォーサンセットみたいだね。
あの猫は、100回生きた かな?と楽しみながら観たよ。人生は、怒りと諦めで生きないで、笑いとユーモアを持つて行きると最終章には、幸せに旅立てるんだな。
そして生きていく
無愛想で、決まりを破る事を嫌悪し、言うことは言う
でも頼まれごとは引き受けてしまう
失った愛を思い続けて生きる意味を見失い、自分を始末しようとしても、何時も隣人の邪魔が入り失敗する
悲しさ寂しさのなかで、そんな隣人たちに心を開いていく
ぎゅっと締め付けられる
最愛の人との別れ
それを受け入れられない
彼女が全てだった
それなら、自分も…
そんな役をトム・ハンクスが、くっとした表情や声で演じていて、見ている間、ずっと胸を締め付けられました。
投げやりになっても、普段のルーティンは変えられない頑固さ。言葉足らずな関わりしかできない不器用さ。時代に取り残されたと感じる疎外感。
そんなことを感じる今日このごろで、ぎゅっと苦しさが溢れました。
人は1人では生きられない、なんて、ありふれた言葉だけど、1人だと感じたら絶望しかない。
マリソルたちに支えられ、望む最期になったので、映画としてはよかったのですが、個人的には別れを越えられるのか…と、気が重くなってしまいました。
気難しくって面倒くさいOTTO。だけどほっとけない愛すべき隣人。
トムハンクス出演の映画は今回が初鑑賞。居る居るこんな面倒くさい人。と思って観ていくと、最愛のソーニャを亡くして(顔を見ることの出来なかったベービーも)孤独の殻の中に閉じこもるオットーの様子が分かってくる。トムハンクスの風貌が面倒くさいけどほっとけない人の味わいを醸し出している。隣人たちとの日常に、思わず声を出して笑ったりホロリと涙したりした。お向かいに越してきたマリソルとその家族のお節介(親切)に助けられながら、また前を向いて生きても良いかも思えたことが嬉しかった。ご近所さんたちと愉しく過ごしながら、最後は一人静かに愛妻の元に召されたオットー。人は一人では生きていけないし、一人っきりで生きている訳でもない・・再確認できる暖かな作品だった。
マリソルめっちゃ良いわ
終盤ずっとボロ泣きしていました。
日本でいう”頑固おじさん”が長年連れ添った妻が死んで生きがいを無くし、後追い自殺まで考えていたところ、お向かいに引っ越して来た一家に必要とされることで生きがいを取り戻すというお話。
この話のどこが泣けるのかよく分かりませんが、なんとも言えない温かい涙が止まりませんでした。
人間は誰かに必要とされないと生きていけないのだと思うとともに、必要とされることってこんなに幸せなことなのだと思いました。
マリソルは、オットーに特別なことはしておらず、隣人として接し、必要なことをお願いし、心配だから気にかけただけ。
それだけのことでオットーの終末はこれほどまでに豊かなものになりました。
とかく日本人はこういったことを苦手としているので、他人の力が必要なときは勇気を持ってノックしてみるのもいいかもしれません。
シボレーはよくて、フォード、トヨタ、BMW、ヒュンダイがダメなのはなんでだろう?
猫が可愛い
さすがトム・ハンクスという感じ。
安定に感動した。
メキシコ人マリソルがいい人すぎてホンワカした。
The太陽みたいな人。
町一番の嫌われ者というキャッチフレーズだったが全然嫌われていなかった。
むしろ奥さんを無くしたオットーを周囲は気にかけている感じだった。
ピエロが泣いてるシーンとか、オットーが肥大型心筋症で心が大きいと説明されて女性が笑うシーンとか、自己紹介でオットーが名前を言うだけで相手の名前とか聞かずに扉閉めようとしたあと夫婦が自己紹介したら自分の名前を再び言うだけで閉めたシーンとか普通に声を出して笑えるくらいだった。
でも首吊り、人身事故、練炭(?)、銃で自殺しようとするシーンは泣けるし、ソーニャが死んじゃうシーンも、オットーが死んじゃうシーンも泣ける。
笑いあり涙ありの王道映画。
心揺さぶられた
ここ2.3年でいちばん泣いた映画でした。
お墓参りで毎回優しく辛さを騙るシーンは
本当に号泣でした
後半はずっと涙が溢れて止まりませんでした
前半の、オットーの
世の中に感じてること、言ってることが、
オットーみたいに極端だったり他人に強制したりしようとかそこまでは思わないけど、
なかなか共感できるし私も同じような感じ方だなぁと思った。
車をベースにいろんな話の肉付けがされてて
よかったしおもしろかった!
ご近所さんのマリソンももちろん、
その他の人たちの関わりも
すごく魅力的で大好きです!
オットーがどんどん周りと関わり、
必要とされ自分も望んでいくのが
めちゃくちゃ嬉しいし感動でした
あと、BGMがすごく良くて興奮しました!
最後まで、まとまってて筋が一本通ってる映画だなぁと感じました。
オットーの青年役は、自閉症っぽい人をキャスティングしてるのかな??
トム・ハンクス最高です!!
心にストンと落ちる作品
トム・ハンクスの作品なら間違いない!と大きな期待を胸に、いざ鑑賞♪
愛する亡き妻との素敵な思い出や、悲しい思い出も、クドく描写せずとも懐古(回顧)するオットーの表情ですべて伝わってくる
オットーが3回の自殺未遂をしているが、常に身なりを整えているオットーが、3回目は下着姿だ
その頃には「こうするべきだ」というマイルールから解放されていたのかもしれない
生と死の狭間で揺れるオットーを垣間見た気がした
遺品整理と入院をしてからのオットーの表情はいくらか柔和になり、古いベビーベッドを揺らすオットーの歳を重ねた手はなんとも美しかった(一瞬の映像だったけど)
怒りというのは非常に強いエネルギーを持つが、大きなハートを持つオットーの晩年は、日常のささやかな幸福で満たされていただろうと思う
エンドロールの数々の写真が物語っている
そこには「いくらか柔和」ではなく、柔和なオットーがいる、微笑むオットーがいて安心した
自分の大事な人たちが、かすかで、そしてささやかな幸せを取り零さないようにと願う
トム・ハンクスの演技力に脱帽です
さすがですね!
つい先日知ったのですが、昔々子供の頃に見た「スプラッシュ」に出ていた青年はトム・ハンクスだったんですね!!!いや~ビックリ!!!
あの頃は子供心に感動した記憶があるけど、今見たらどんな感じなんだろうなぁ
オットーという男。題名通りの作品。
オットーという頑固で融通の聞かないじーさんが、人の温かさに触れて心を開いていく作品だと思ってた。
主軸はそうだったけれど少し違った。オットーは、頑固で融通は聞かないけれど、人一倍正義感もありただひたすらにルールを守っているだけ。口悪いけど。
隣人もお人好しだけでなく、思ったよりグイグイ来るタイプいい意味で。ストーリー的に、ラストは予想出来たけれど、それでも段々と打ち解けていき心を入れ替えるところや、親友を助けるために様々な人に協力を仰ぐ所良きでした!そしてラスト。分かっていてもグッとくるものがある。トム・ハンクス演技良き良きです!
たまにはベタなやつもいい
オリジナルも見ましたが、同じ話でも役者が違うと雰囲気がまるで違います。トムは独りでも生きていけそうな、強い人に見えました。もう少し内面の弱さが描かれたり、妻がいないと何もできない感があるとよかったかも。それと青年期の役者とトムの乖離が大きくイメージが繋がりにくかった。
またオリジナルの様に父と子の絆や、愛情の描写があればオットーは無愛想なだけで、愛情の深い人物なのがわかりやすかったのかも。
SNSリポーターはもう少し協力してあげてもよかったのでは?
ラストは予想通りで、急死じゃない結末も見たかった。ベタで結構善人がいるストーリーなので、幸せに大往生でもよかったんじゃないかな。自分の事しか考えられない人が多すぎる現実で、ベタでも悪くない作品でした。
アメリカはまだ死んじゃいない
オリジナルのスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」は観ていませんが、頑迷な男への亡き妻からのメッセージを通して、人と人とのつながりの尊さを描いた映画です。恐らくトム・ハンクスが独自の解釈を加えて、アメリカも捨てたもんじゃない、正義や人情はまだ生きている、というメッセージも込めたんだろうと思います。
登場人物は、居そうで中々居ないキャラクターです。
オットーは典型的な頑固おやじで偏屈だが、正義感が強く、頭の回転は速く、運転は上手で弱者に優しく、LGBTには(こういう男には珍しく)理解がある。マリソルは優秀で賢明で、料理も上手でけなげな母で、少々(かなり)おせっかい。その夫のトミーは悪い人じゃ無いけど生活力ゼロです。
ストーリーは説教臭さが見え隠れするものの、孤独に人生の幕を下ろそうとしていた男が、思いがけない事から人間関係を見つめ直し、新しい家族を得る物語は心温まります。
エンディングの画面が画用紙みたいで、イラストや写真が楽しいです。
二番煎じとは言わせません!!
心がピンチになった時…必ず観たくなる「幸せなひとりぼっち」
この作品のリメイクである本作はある種別の物として捉えられる程トム・ハンクスの物に出来上がっていた
いつも正しい事をしている根は善良なのに人には関わらずコミュニティに溶け込もうとしない初老の男を演じるハンクスの抜群な演技力
あまりにも自然過ぎて実在感に驚かされる
この作品にとことん惚れ込んだハンクスの想いが強く伝わります
他人に関わりたくないオットーに
マリソルは車の運転を教わるが
モノクロの人生になりかかった彼を再び彩り豊かな人生へとアクセルを踏み込んであげたのは紛れもないマリソルなのだ!
彼女は叫ぶ「あなたが私達を求めなくても私はあなたを助けに行く!」これには心震えた!
堂々と他人に手を差し伸ばせる人間に私もなりたい!
桜の開花も聞かれ春の足音が感じられる今日この頃…温かな優しさに包まれる感動作を普段
劇場にあまり向かわない方々にもぜひ観ていただきたい!
ソーニャ🐈⬛が愛した男
どうやら、オットーとうまく付きあうには、彼の善意と境遇を理解しているかどうかに鍵があるみたいだ。
しかし、みんながそれを知るわけではないので、気難しい性格があちこちで煙たがられてしまう。
冒頭の彼はまさにそれ。
結局は自分自身の居心地を悪くしているオットーだが、彼の中で道理は通っているから折れない。
しまいにはおきまりの「バカもん」認定。
ありがちだ…。
しかし、妻・ソーニャは、飾らず、他に流されず自分を貫くオットーの素朴さと実直さに惹かれたのだとおもう。
彼女の寛容さは亡くした母のようだったのかもしれない。そしてその賢さでさりげなくフォローする潤滑油のような存在でいてくれたのだろう。だから夫妻を知る近所の人々は、オットーがただの頑固じいさんでないのをわかってうまく付き合っている様子だ。
そんなよき理解者の妻と新婚まもなくの旅で事故に遭い、悲運を背負いながら2人で乗り越えてきたオットー。しかし、その妻も少し前に病に倒れ先立たれた。
オットーは妻が生きていた時の暮らしをそのままにし、外出の際は、きれいな絵皿においた銀のコインを必ず持ち歩き、きちんと戻す。そのコインは2人が出会った日に妻がくれたもの。妻を感じるお守りのようなものだろう。
妻のスペースをあけて眠るベッド、目覚めにはつないだ手の温もりを思い出し妻のケットを握りしめる。
大の男の、しかも普段あんなしかめっつらで気がつく不正を隅々まで正しまくっているオットーが、だ。
喪失感は彼の時と心を止め、妻への想いを募らせるばかり。おまけに数日前には定年前の勧告退職をした。
生きる意味を失って自殺ばかり考えているオットーが、あまりに切なくつらそうで、本当に死んでしまった方が、もしや彼の幸せなのかも?とおもってしまったほど。
そんな折、超明るくポジティブなメキシカン、マリソルの一家が向かいに越してくる。いささか図々しいほど踏み込んで来るひとなつっこい一家のペースに巻き込まれ、初めは憤慨したり困惑するオットーだが、徐々に彼が醸し出す空気がかわりはじめるのだ。
みんなからなにかを受け取り、与えていくものとは…
心温まるギフトBOXをあけていくような物語。
……………
【マリソルの娘たちに、上から読んでも下から読んでもOTTO …なんて言われてムッとした出会い】
こどもは好きじゃないのかも?と思ったが違った。屈託なくせがまれ絵本をおもしろおかしく読んで笑わせたり、プロレスごっこに興じたり。
2人のいいおじいちゃんのようになっていくオットー。
そして、子どもたちが描いたオットーはいつもカラフル。
大人の世界ではいつもガミガミしてるオットーだけど、本当はオットーってね…というこどもたちに映る彼の姿なのだろう。そう言えば、ケガをして保護された猫も、オットーに寄り添うようにくっついてた。ピュアな本能が本質を察知するのかな。
【トミーの縦列駐車を代わりにしてやっマリソルの運転練習につきあったり】
下手くそを見過ごせなかっただけの始まりだけど、結局は優しい。妻と行ったなつかしいカフェに寄りかつてと同じタイミングでお茶してみたりする彼のロマンチストな部分もみえる。過去の話をしたのも、裏表のないマリソルに信頼を置いたからだろう。マリソルはソーニャのようにからりと晴れた日の太陽みたいない人だったしね。
【困った人を見捨てない】
引き受けた子守の間に、設置あきらめ中の食洗機をみつけ、とりつける。得意な分野に俄然はりきってくれる世話みのよさ。また、父に追い出され困っている妻の教え子を泊めてやったりする。
仲たがいしたままの黒人夫妻のヒーターを直しに行きピンチを助ける。(取り返しに行ったホースを帰り際に掴まれたシーンは、オットーの自殺願望の本気度を察知した彼がひきとめようとした精いっぱいの行動だろう。一瞬、気がついたオットーの心情を感じてぐっときた。はじめの頃の場面に、オットーが窓越に奥さんに介護される旦那さんの様子を気にしているのがわかる。ふたりはずっと仲直りしたかったんだと思う。)
…………
それまでのオットーは自分の世界には亡くなった妻だけしか必要なかった。
しかし、ソーニャのように寛容で人を決めつけずに関われるマリソルとその家族に出会い、自然に他を受け入れることを知ったのだ。ソーニャ以来のあたたかさのある新しい風に吹かれたオットーはその流れにのり自分らしさを生かして役に立ち、再び存在意義を得た。それは生きようとする大事な力になった。
そこから数年、亡くなるまでの彼は近所の仲間に囲まれ幸せそうなカラフルな姿がみんなの記憶にのこる男になった。
気難しいだけではないオットーの本質を見抜いて愛した天国のソーニャがほほえんでいただろうね🐈⬛
追記
エンディングがすてき。
こどもたちが描く明るく楽しい絵のように、誰もがしあわせに生きれる世の中を願いながらみてました。
今年のBESTが来た
スウェーデンの #幸せなひとりぼっち は未見です。
なので、オリジナルを観た方々のような
物足りなさは感じず、お涙頂戴作品の
お手本のような脚本にも関らず、
まんまと泣かされました、いや号泣でございました🤣
そして、久しぶりに見るトム・ハンクスの頑固な
偏屈じじぃも素敵でございました。
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.
製作にも携わっていることから、トム・ハンクスらしい
コミカルさもあり、まさに「彼らしい」脚本と言った感じ。
その分、アカデミー賞外国映画賞を受賞した
オリジナル版も気になるところです。
.
.
それにしても、オットーの若かりし頃に
実の息子をキャスティングとのことですが
全然似ていませんね😳
さすがトムハンクス!
トムハンクスの映画はどれもハートウォーミングで茶目っ気のある作品ばかりなので、彼が嫌われ者を演じるのかと少々懐疑的で鑑賞したのですが「あーやっぱりねw」と期待を裏切らなかったです。
心臓(ハート)の大きなオットー、若い頃からお人好しで人思い、生真面目だからこそ一見偏屈になっても愛されるのだなと、まさにトムハンクスという演者でなければならなかった映画でした。
他の登場人物もいい人たちが多くて、全体的に安心して観れました。
エンドロールで流れてくる写真や子供たちの似顔絵がまた涙を誘い、なかなかハンカチを下ろせなかったです。
ありがとう、オットー!暖かくなりました。
トム・ハンクスという男
妻に先立たれた偏屈オヤジが残る唯一の拠り所だった職場も追われ、生きる活力も失くした中、隣人たちとの交流で少しずつ前向きな気持ちを取り戻していくというストーリー。
物語自体は凡庸なのだが、主人公をトム・ハンクスが演じたことで一気に重みが増す。
ネームバリューは勿論だが、この人の哀愁を帯びた眼差しがいいんだよね。
最期も病死ではなく、自殺なのだろうけど、そこを深く描かず、そこまでの展開を見た中で観客個々の捉え方に委ねた終わり方も良かったと思う。
物語のエッセンスとして動物を入れてるのもありがちだが、野良猫だというのが味わいのある設定だな、と思った。
全72件中、41~60件目を表示