「オットーという男を通して見る「今」」オットーという男 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
オットーという男を通して見る「今」
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高性能なレジだけど企業都合で機械化されすぎてお飾りの現場スタッフでは対応できないとことか、仕事場でサプライズ退職祝いで用意されたオットーの顔がプリントされたケーキをど真ん中から切る合併したとこから来た社員のデリカシーのなさ、電気の解約でやたら待たされたり解約を月で計算して日割計算せず楽しようとする企業、ゴミの分別などかんたんな決まりすら守れないご近所、それらに対して不快感や指摘をするオットーは、明らかな正論だが「時代に合ってない」ように映っている。
「責任回避の時代だよ」と劇中で言っていた。オットーは、責任回避の時代に合っていないのだ。そんな時代に適合したくないな……と思いました。
線路に落ちた人間に手を差し伸べる前に自分のスマホを手に取る様は、今の日本の報道の仕方がとあんま変わらないなーと思いました。そういう人が撮影してそういう人が読む、類が友を呼ぶ。オットーのような人間を、責任を回避しないように生きる人間を淘汰していく世界へ警鐘を鳴らす映画。おもしろいし見やすいし笑えて涙する。
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