「自己の存在価値は他者との触れ合いの中に意味を成す、だから人生はまだ終わらない!」オットーという男 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
自己の存在価値は他者との触れ合いの中に意味を成す、だから人生はまだ終わらない!
目が覚める、野山に鶯の三重唱
すっかり春めいて梅花も真っ盛り中。
あ~ あったいよぉ~ (*´ω`*)
この暖かさを心に注ぐ映画
今日は「オットーという男」を鑑賞です。
原作:スウェーデン小説「幸せなひとりぼっち」
バックマン・フレドリック作
本国でも映画化されて、
第89回 アカデミー賞(2017年)外国語映画賞ノミネート作品で、
コレのリメイクが今作に当たります。
--MC--
夫(主役)オットー: トム・ハンクスさん
妻ソーニャ: レイチェル・ケラーさん
ご近所奥さんマリソル: マリアナ・トレビーニョさん
ご近所旦那さんトミー: マヌエル・ガルシア=ルルフォさん
OTTO(オーティティ-オ-)おっと-です。
TOTO(東洋陶器)ではありませんw
総てに措いて厳しく頑固な男。細かい規則ルールを
周囲に求め 彼を理解しない奴は煙たがる。
歳をとりやがて退職。既に妻は病気で半年前に他界。
孤独に耐えられず、自殺行為を目論む。
ここからが 映画の展開始まりです。
・首つり自殺未遂:ロープとフックをホ-ムセンタで購入し
天井に取り付け自殺図るも 天井が一部抜け未遂に。
・懲りずに、ラジエタ-ホースを車のマフラーにつなぎ
車内窓に排ガスを引き込み 排ガス中毒死自殺はかるがこれも
マリソルに邪魔されて未遂。
・ショットガンで自殺図るも、マリソルが喚きながら心配し
ドアを叩く。しかし、妻ソーニャとの想いがそれをとどませる。
この辺りの 何が何でも死にたいという思いが、
ちょっと 理解し難かった。
このテンポのコミカル展開で 自殺は無いかなと思う。
こんなけ自らにも他人にも厳しい男が、
また、妻とのハネム-ンでナイヤガラに行った帰りのバス交通事故で
妊娠中の妻の赤子を亡くしてしまう。(ここは悲しかった。)
この悲しみにも 二人で人生を この高齢まで乗り越えてきて、
何故? この半年前の妻との病死別が乗り越えられない?
それは 弱い弱い男だと思う。
高齢の孤独とはそれ程 耐え難いものなのか~ そう感じたよ。
きっと亡くなった妻ソーニャが 天国から送り込ませたと思える
アパ-トに引っ越してきた メキシコ系のマリソルとトミ-家族4人。
彼等家族や、昔からのこのアパ-ト住人の黒人夫妻(かつては交際があった)
や、万歩計カウントを上げるためにオーバアクションな歩きをする友人、
妻(教師)の教え子 などなど。
オット-という男を 取り巻くご近所さん達で
孤独に駆られる暇を創らせない~ 展開だ。
人が一人では生きては行けないことを
さらりと教えてくれている。
皆の支えと、自らの使命(役に立つこと)が
人生にその存在価値を見い出しているのだと感ずる。
(凄く良かった場面)
・若い頃、ソーニャと出会い 初めてのデートでレストランで二人食事中。
彼女が ”あなたメインディッシュは?” と尋ねると
彼は”家で食べてきた” といってスープを飲む、
不思議そうに何故?って 彼女が言うと
”だって君が好きなだけ 料理が頼めるじゃないか・・・
僕は訳あって思う軍職に就けなかったから 給与が安いのさ~”
この時、彼女がすかさず席を立って
落ち込む彼の顔をそっと・・・持ちあげキス。
この流れ、実に心にグッと来て 涙したわ!!。
人(相手)の事を想える、素敵な夫婦に成る事は この場面で
実に良く伝わる とても良いシーンだと思いました。
・マリソルに電話を貸してくれと家を訪ねるオット-。
しかし それを断る彼女。
昨晩、貴方の異変に気が付いて 私は貴方の事が凄く凄く心配だった。
その気持ち(心)を何も聞き入れず、あなたは何時も身勝手。
あなたは 孤独で一人で生きているのでは無いのよ。
貴方は私たち家族や近所のみんなにとって大切な存在なの~。
この様な事を 捲し上げて彼に伝え理解させて
彼の閉ざされた心を こじ開けた所は 良かったかな。
ラストに やがて訪れる彼の死!
それは 孤独死という葬儀姿では無く
親しまれた人々の手によって
送られる彼の姿がそこに在った!。
この3月、4月は引っ越しシーズン。
きっと貴方のご近所にも・・・
オット-の様な方との出会いが待っているかもw
優しい気分に浸りたい方
是非 劇場へ!