「硬〜い殻を破る、ある意味寓話」オットーという男 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
硬〜い殻を破る、ある意味寓話
オットーはきっちりとルールを守りたい人ってだけで、偏屈とはちょっと違うかなと思ったが、ロープを買うシーンだけはルールを確認しなかった自分の方が悪いと思う。
陽気なメキシカンのステレオタイプみたいな奥さんに凄く魅力を感じた。
あの底抜けに明るいパワーがないと老人の凝り固まった硬い殻を破ることは出来ない。
ただ図々しく騒がしいだけではなく、面倒くさがらず喧嘩するくらい本気でぶつかって来ることで心底自分の事を気に掛けてくれている事がわかり、オットー自身も少しずつ心を開き始める。
おっとりして鈍臭くメキシコ人という事で何となく見下していたが実はアメリカの大学の学位を持っている事を知り、見た目だけで判断した事を少しだけ反省する。
オットーがいつしか彼ら夫婦の父親、子供達のおじいちゃんのように見えてくる。
いい大人のピエロが泣くのとオットーの心(ハート)が大きいと言われ笑うシーンは面白かった。
人見知りしない2人の娘たちと捨て猫は癒し効果半端ない。
オットーに愛想をつかす事なく毎朝挨拶をし、お付き合いしてくれるご近所さん達が大好きになった。
老人の一人暮らしは対岸の火ではなくむしろ日本の方が深刻な問題なのだが、改めてご近所さんとの関係性や人と繋がっている事で日々新鮮な生活を送ることができ、気持ちや記憶をアップデートさせる重要性を感じさせられた。
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