「ファンのための傑作」映画プリキュアオールスターズF ツツジさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンのための傑作
映像・演出(20)
初手のキュアスカイの変身バンクの圧倒的なサウンド、映像で感動でため息がでてしまった。全体も安定して作画、演技共に良かった。特に終盤の各作品の名シーンが流れる場面は垂涎の出来。しかし、プリキュアやパートナー妖精の高い声が聞いていて耳に響くことが多かった。スピーカーから離れた位置で見ると良し。ミラクルライトが振りにくい演出は子供達にとって不親切だった気がするため僅かにマイナス。
17点
世界観(20)
一度プリキュア全員が敵に敗れていたという今までにないストーリーが絶望感を引き立てており良し。また、自分たちの世界の成れの果てが舞台という設定は登場人物の風鈴あすみのセリフの伏線となっていた。しかし、この設定は子供には少し難しい気もする。
15点
脚本(20)
序盤から中盤のキャラクター同士の絡みの秀逸さは流石というべきであり、終始ニヤニヤしてしまった。まだ発見していない小ネタもあるかもしれない。しかし、終盤はファンサービス的描写に特化しすぎて全体のストーリーがおざなりになっていた感は否めない。
10点
キャラクター造形もしくは心理描写(20)
キャラクター造形は当然申し分ない。前述したキャラクターの絡みは各キャラの新たな一面を垣間見させてくれた。しかし、心理描写は70分ほどの作品に詰め込むことは難しかったよう。原作の視聴を推奨する。
キャラクター造形優先評価で15点
メッセージ性(20)
『人間の心を通わせ協力する強さ』や『利他主義』が説かれていた。また、キュアスカイが先輩プリキュアの思想を自分のものとして咀嚼するシーンは受け継がれる意志を確かに感じた。
しかし、これもファン向け映画描写特化により、確固たるメッセージを強調しきれなかったようだ。
13点
総評
70点
プリキュアファンとしては最高の映画であり、70分でよくぞやってくれたという感想が正直なところ。
今後の彼女達の活躍に大いに期待する。