シモーヌ フランスに最も愛された政治家

劇場公開日:

シモーヌ フランスに最も愛された政治家

解説

「エディット・ピアフ 愛の讃歌」のオリビエ・ダアン監督が、女性初の欧州議会議長となったフランスの政治家シモーヌ・ベイユの人生を映画化。

1974年、パリ。カトリック人口が多数を占め、男性議員ばかりのフランス国会で、シモーヌ・ベイユは圧倒的な反対意見をはねのけて中絶法の可決を実現させる。1979年には女性として初めて欧州議会議長に選出され、理事たちの猛反対にあいながらも「女性の権利委員会」を設置。女性のみならず、移民やエイズ患者、刑務所の囚人など、弱者の人権のために闘い続けた。その不屈の意志は、かつて16歳で家族とともにアウシュビッツ収容所に送られたという過去の体験の中で培われたものだった。

「パリ、嘘つきな恋」のエルザ・ジルベルスタインが40代以降のシモーヌ、「スザンヌ、16歳」のレベッカ・マルデールが10〜30代のシモーヌをそれぞれ演じた。

2021年製作/140分/G/フランス
原題または英題:Simone, le voyage du siecle
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2023年7月28日

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(C)2020 - MARVELOUS PRODUCTIONS - FRANCE 2 CINEMA - FRANCE 3 CINEMA

映画レビュー

4.0【”現代史に輝く不撓不屈の女性フランス政治家の生涯を描いた作品。”右傾化が進む現代、彼女の気骨ある世俗主義に基づく数々の行動や足跡は偉大であると、改めて知る事が出来た貴重なる伝記映画である。】

2024年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 冒頭から、シモーヌ・ヴェイユが両親の元、兄や姉たちと楽しそうに過ごすシーンから、厚生大臣の時にそれまで非合法だった女性の中絶を可能にした、通称「ヴェイユ法」を、男性保守的議員たちからの反対を押しのけて実現させるシーン。   その後もエイズ患者と一対一で話し合う姿や、アルジェリアを含めた刑務所内環境の改善を推し進める姿、ボスニア・フェルツェゴビア紛争の最中に、一刻も早く収束させるべきと激しく意見を言う姿に圧倒されつつ、観賞する。- ◆感想<Caution!内容に触れています。> ・シモーヌ・ヴェイユ(エルザ・ジルベルスタイン)の、この圧倒的なパワーが何処から来たのかが、中盤からの彼女が16歳だった頃に、家族ともどもナチスドイツにより、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所に入れられ、その後も死の行軍を経験する中で、母を失い、父や兄とも生き別れた経験が映し出させることにより、その原動力の源が分かるのである。 ・冒頭から、シモーヌ・ヴェイユの生涯が時系列を行き来しつつ描かれる。そこでは、夫アントワーヌ・ベイユとの出会い、3人の子供に恵まれつつパリ政治学院で法学を学び、その後男性社会だった、仏蘭西政治界に躍り出て、数々の旧弊を打破した業績を打ち立てた姿には、敬意を表する気持ちになる。 <今作は、僅か2時間20分の尺の中で、シモーヌ・ヴェイユの生涯を描いているために、詰め込み過ぎの感は若干あるが、実に見応えがある作品である。  今作のフライヤーを見ると、彼女は没後もフランス国民に絶大なる支持を得ているようである。  今作を鑑賞すると、さもありなんという気持ちになるのである。>

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NOBU

3.0主人公の政治家としての功績は大きい。 また、壮絶な体験をしていたこ...

2024年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公の政治家としての功績は大きい。 また、壮絶な体験をしていたこともドラマチックだ。 ただ、映画にしてしまうとどこか退屈で眠気を誘う。 残念。

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省二

3.5生き延びた末

2024年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

 1974年、フランスで画期的な中絶合法化法案が可決される。推進したシモーヌ・ベイユ大臣から、ベイユ法と呼ばれる。彼女は女性だけではなく、移民、エイズ患者や囚人の環境改善や、人権尊重にも尽力。その原動力となったのは、ユダヤ人強制収容所での経験からであった。  シモーヌ・ベイユについては、何も知りませんでした。「女性初」と何度も称される地位につき、その実行力と人格に尊敬の念を抱きました。政治家というより、 政治の舞台に登場した人道家といったほうが良いです。ホロコーストから生き延びた人に、浴びせられる罵声が悲しい。

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sironabe

3.5名前だけは知っていた≪シモーヌ・ヴェイユ≫とは異なる、もうひとりの≪シモーヌ・ヴェイユ≫。観ておいてよかった。

2024年3月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

功績があるこちらのシモーヌのことをよく知ることが出来た。但しまた観たいか?といわれれば観たくない…。なぜならやはり重い…。そして痛々しい…。 世の中の惨事や誰かの功績を語る人たちが時と共にどんどん減っていくことを考えれば、このような映画は有り難いと思う。 彼女の人生はそのままで壮絶だけれど、加えて情感あふれる落ち着いた音楽、丁寧で凝った美しい映像、女優さんたちの熱演で、吸い寄せられる迫力、見応えがある。 残念だったのは… 彼女の人生を何段回かに分けて行き来しているが、混乱はないものの、画面がすぐにコロコロ変わるのはストレスで、かなり疲れた。 また、若い頃と年を召してからとで俳優の雰囲気が異なり、感覚的違和感が最後まで拭えなかった。ここまで何度も回想の行き来を繰り返すのなら、俳優選びはもっと上手くやってほしかったかな…。 中絶の法案についての議会の議論がとても面白かった。(日本の国会が情けなくなる)…文化や社会の違いを感じた。

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あま・おと

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