劇場公開日 2024年2月9日

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「同性愛=厳罰の時代に起きた実話」Firebird ファイアバード トウマ(20代/女)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5同性愛=厳罰の時代に起きた実話

2024年3月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

最近は同性間での恋愛にも理解がある人が増え、
だからこそ当事者は以前よりも
それを公表しやすい社会という印象がある。
ただ、この同性間での恋愛への理解度が増したのは
10年も満たないくらい最近の話のように思う。
作品は約47年前の実話を元にしており、
時代が違えば…と思わざるを得ない作品。

あらすじ
1977年、エストニアで兵役中のセルゲイと
その上官 ロマンは互いに惹かれ合う。
同性愛が禁忌とされるこの時代、
誰にも関係を打ち明けられずに
隠れて逢瀬を続ける彼らは、
月日が流れても互いへの愛を捨てられない。
徐々に関係が気づかれ始めた彼らの選択は?

同性間での恋愛作品はよく見かけるが、
この時代の作品は未知だったので、
正直 この時代にも同性同士で惹かれ合うこともあることに驚いた。
セルゲイとロマンは一目惚れのような
ところから始まり、
互いの趣味や好きなものを通じて
より一層愛を深めていくが
それが普通なら友情となるのでは?と思うので、
恋愛としての“好き”になるのか…と驚嘆。
同性愛は厳罰だし、
奇異の目を向けられることは知っているから
自然と“愛”という感情は避けそうだけど、
禁忌だと知っていても、それでも好きなんだ!
ということが伝わってきて、苦しくなる。

セルゲイの友人でありロマンの妻であるルイーザは
とても難しい立ち位置にいたと思うが、
彼女も含めて誰の選択も間違っていないと思う。

実在するセルゲイが
「一目惚れなんだ!」という説得力があるくらい
見た目が綺麗な俳優のキャスティングと(もちろん演技も良い!)
素晴らしい景色、そこに交わる時代背景含めて
観てよかった作品。

性別に関係なく、好きな人と居られることが
受け入れられる世界になりつつあるが、
より一層、息がしやすい社会になってほしい。

トウマ(20代/女)