ジョン・ウィック コンセクエンスのレビュー・感想・評価
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「報い」の連鎖から抜け出す夜明けと、「友」の存在。
◯作品全体
「夜明け」の演出が印象的だった。
冒頭、砂漠地帯で首席連合へ復讐する報いの始まりは夜明けからだった。そしてサンクレール寺院でのラストも夜明け。それぞれには復讐劇の再会としての夜明けと、ジョンが抱える暗闇からの開放としての夜明けがある。今までの『ジョン・ウィックシリーズ』には緑や赤の色味や影の強さが画面を占めることが多かった。本作でも大阪コンチネンタルやベルリンのクラブでの戦いで使われていて、ジョンの周りにある策略や憎悪の連鎖の象徴のようだった。
複雑で、様々な感情を孕んだ色味や影、そういったものを一掃する、または予期させる夜明けの使い方がとても良かった。
ジョンを知らない人間からは「ババヤガ」、「キラー」として見られているが、家族のため立ち上がったジョンには、志を近くする友が集う。この友との繋がりをアクションで魅せていたのがすごく良かった。ケインとシマヅはそれぞれ娘を大切にしていることを知っているからケインは積極的に戦闘に参加しないし、参加したとしても致命傷を与えない。だからこそ重傷を負ったシマヅと対峙したケインのなんとも言えない悲しげな表情が刺さる。
Mr.ノーバディとジョンウィックとの友情はシリーズを追っているからこそグッとくる繋がりだった。チディから犬を救ったジョンを見てMr.ノーバディは驚いた表情をする。Mr.ノーバディもおそらく愛犬を「たかが犬」として横目で見られ続けたのだろう。ただ、ジョンにとってみれば犬は「たかが犬」ではないのだ。それは一作目を見ていれば直感で感じ取れるはずだ。
ジョンとケインの関係性も素晴らしかった。互いに対立が避けられないことを分かったうえでリスペクトを惜しまない。サンクレール寺院前の階段で共闘する二人は最高にかっこよかった。ケインからするとジョンを放っておけば不戦勝で勝利できるにも関わらず、ジョンに手を差し伸べ、二人の決着へと導く。その姿に、本作では語られなかった二人の深い関係性が伝わってくる気がして、奥行きを感じるアクションだった。
ケインだけでなく、Mr.ノーバディも賞金ではなく恩義を選び、シマヅは訪れる災厄を承知で手を差し伸べる。ウィンストンやキングも最後までジョンの強さを信じ続ける。そうしたジョンを信じる友の存在が、最後に訪れる夜明けへと導いているようで、それがすごく心に響いた。
◯カメラワークとか
・ジョンの生死の境を印象付けるような明滅の演出があった。大阪を襲撃した後のグラモン侯爵のシーン、周りを騎馬が歩くところ。カメラとグラモン侯爵の間を騎馬が通って明滅するような画面になる。あとはポーカーのシーン。天井にあるシーリングファンがジョンたちに影を与える。こっちはシーリングファンによって首を刈るような構図になってるのもよかった。
・パリの廃屋のアクションは俯瞰でジョンをフォローし続けていてすごい面白かった。画面の上下左右から敵がでてくるからジョンが包囲されていることを強調するようなアイデア。よく見るとジョンが爆炎弾を当てた敵が別の角度で悲鳴を上げながら画面に出てきたりしてる。画面内の上下左右全てと画面外も使ったアクション。これだけ尺をとった俯瞰アクションって今まで見たことない気がする。
◯その他
・今作は相手役がどれも魅力的だった。端役もスモウレスラーのアクションとか大阪で初手にやられるアフロとか、ルスカ・ロマの挨拶しかしないヤバいやつとか。ベルリンのボス役・キーラの不適な笑い方、大きい図体と喘息のギャップも最高だった。なによりスコットアドキンスのキレキレなアクションが最高。ジョンを階下に蹴り落とした回し蹴りの高さと速さと綺麗さ。
シマヅ役の真田広之はもう少し派手なアクションあってもよかった気がするけど、あの渋さも良い。血を払って刀を鞘に収める動きとか、シンプルながらかっこいい。
・このシリーズのアクションはほんとに随一だと思う。確かに結果的にジョンが無双してるわけだけど、一人倒すのに劣勢から体制を立て直して相手を崩し、トドメを刺すという戦闘の戦術がキチンと描写されてる。モブ敵であってもガタイが良ければ真正面の戦いで苦戦するし、素早い動きのナイフ遣いも体制を崩しながら避けつつ体術でナイフを落としていく。これだけアクションに誠実な作品もそうないと思う。
・ジョンのアクションアイデアは本当に泥臭い。今作も弾切れした銃を解体して鋭利な箇所で敵を刺したり、ガタイのいい敵に対してヌンチャクを扇風機みたいにして攻撃したり、ゴルフクラブみたいに振り抜いたり。鉛筆一本で敵を倒すジョンウィックはチャプター4になってもスタンスが変わらなくて、とてもいい。でも防弾スーツが便利すぎるのはちょっとどうかと思う…。
・なんだかんだ言ってもケインのキャラクターとドニーイェンのアクションが良すぎた。あまりにも良すぎた。ぐるぐるパンチとかアクションに癖があるのがすごくかっこいい。仕込み刀の使い方とかチャイムを使ったアクションもとにかくアイデアが詰まってる。ドニーイェンはブルースリーをイメージしたというし、監督のチャドエスタルキは座頭市を意識したと言ってるけど、どっちも模倣ではなくてそれぞれの要素を組み合わせて新しいものになっているのが素晴らしい。ラストは自身も「報い」を受けてしまうことを予感させる悲劇的な終わり方だけど、そこに負を背負って対峙するキャラクターの美学が詰まってる。
シリーズMAXの質と量で魅せる復讐譚の帰結
怒涛のアクションと独特の世界観で毎回観客を圧倒するジョン・ウィックシリーズ、回を重ねるごとに上映時間が伸びて今回は2時間49分の大作になった。もちろん、頭から尻尾まであんこ、いや濃密なアクションが詰まっている。
正直、前回までの細かい設定を忘れかけていたので、公式サイトの動画とYouTubeのまとめ動画で(本編じゃなくてすみません)記憶を呼び起こして臨んだ。すると、映画館でも本編開始前に森川智之ナレーションのまとめ動画(公式サイトと同じもの)が流れる親切仕様だったのでちょっとびっくり。
いやはや、キアヌのアクションの相変わらずのキレの良さには驚嘆した。スーツが似合うあのスマートな体でバリエーション豊富な秒速アクションをこなす姿からあふれるババヤガのオーラ。そりゃ部分的にはスタントを使う場面もあるにしても、キアヌさん、今月で59歳よ? あんまり年をどうこう言うのは失礼だけれど、やはりすごい。相応の努力なしには、あの身体能力を絶対維持できない年齢だと思うので。
真田広之とドニー・イェンの殺陣からは、必殺の気迫が伝わってきた。スタエルスキ監督はインタビューで、ケインというキャラクターのモデルのひとつとして、座頭市が念頭にあったと明言している。確かにそんな感じ。
全盲でそこまでは無理やろ、というツッコミは、外連味が信条(これ大事)と言ってもいいこの映画に対しては無意味だ(でも、面白いからこそ戯れにツッコミたくなるというのもあるけれど。そういうツッコミしだしたら、このシリーズはきりがないので)。能力縛りがある中、テクニックと知恵で無双するからかっこいいのである。
よく考えたらこの二人もアラ還で、中高年男性のアクションが好きな私には美味しいキャスティングなのだが、見ている間にそんなことをのほほんと考える隙さえ与えない動きのキレだ。
ジョンを狙う賞金稼ぎのトラッカーは、他の人間に賞金を取られたくないからと結果的にちょいちょいジョンの援護をしたり、本作におけるわんこ係的立ち位置だったりしてどこか憎めない存在だった。彼との戦闘の最中に、犬に乱暴したチディをジョンは思わず撃つ。そしてトラッカーは、後でその借りを返す。この二人、場が違えば犬好きどうしで仲良くなれたのでは?
凱旋門の周囲での、走行する車の間隙を縫うアクションや、大阪のコンチネンタルホテルなどのロケはベルリンで行われたそうだ。
確かに「インターコンチネンタルホテル」は梅田にあって、ラウンジバーで本作の公開日に合わせてインスパイアカクテルを出したりしているのだが、外観は映画と全く違うし、ついでに梅田駅ももちろんああいう感じではない。梅田駅に何故か西梅田終着の電車が、などと脳内でローカルいじりをしつつ観ていたが、実物に寄せず作品の世界観に合わせた雰囲気に作り込んでいるのがむしろよかった。日本文化へのリスペクトがきちんとあったので好印象。電車内の広告やドアの開閉のアナウンスなど、細かい部分は真田広之のアドバイスも受けたそうだ。
アクションで唯一、階段落ちのシーンだけはちょっと長く感じた。ジョンの気持ちになってこっちも何だか息切れしてきた時に、ようやく上の方まで上ったところで蒲田行進曲よりハードな階段落ちで振り出しに戻ったので、こちらの気持ちが折れそうになった。
最後の決着は作法に則った決闘というのが、それまで散々アクロバティックな動きを見てきた目には新鮮に見えて、親友同士がやむなく対決する悲壮感も出ていてこれまたよかった。
それにしても今回のラスト……これまでも、「これは死んだか」という目にあっても実は生きてたジョン・ウィックだし、エンドロール後の映像込みで考えると「何らかの理由で死を偽装した」パターンもなきにしもあらず……とファンとしてはつい考えたくなる。数々の試練を生き抜いてきた彼にしてはあっけないとつい思ってしまう。
だが、主席連合からは自由になったから賞金首でもなくなったはずで、「死んだことにする」理由が見当たらない。
それと、これは物語の外のことになるが、VOGUEの記事にプロデューサーのベイジル・イヴァニクの次のような証言が書かれていた。本シリーズの撮影で身も心も消耗したキアヌ自身が、続編が作られないようジョン・ウィックを「この映画の最後で完全に殺してくれ」と言ったというのだ。それに対しイヴァニクは「10%くらい可能性を残しておこうかな」と答えたという。それでああなったということ……なんですか?
シリーズの復活はキアヌの気力体力のみぞ知る。そんなところだろうか。
余談:
•最後のウィンストンの「さらば息子よ」みたいなロシア語の台詞、手首のロシア正教の十字架のタトゥーからして、ウィンストンはルスカ・ロマの一員ぽいし、言葉のあやでなければジョンの父親だったりするのだろうか。
•原題はChapter 4なのに邦題が「コンセクエンス(consequence 字幕では「報い」)」となっている理由を、監督は「4という数字が死を連想させるとして日本人が忌み嫌う」からだと答えている。こんな死屍累々の映画を観ようという人がそんなこと気にしますかねえ。
2時間49分、ただただ戦っていることに意味がある。
2時間49分というべらぼうな上映時間だが、ストーリー的にはシンプルなもので、まがりくねった展開やトリッキーなどんでん返しがあるわけではない。じゃあなにをしてるかって、とにかくキアヌ=ジョン・ウィッグが戦っているだけなんだけど、もう、戦い続けている大変さが、そのまま上映時間に直結している体感型の映画になっている。思い起こせばジョン・ウィッグは一作目からほぼノンストップで戦い続けていて、そりゃあもうお疲れでしょうと労いたくもなるし、最後の落とし所にも納得(5作目やるという話もあるようですが)。個人的には、ベルリンの巨大クラブの異様な空気感と、パリ中の殺し屋が押し寄せてくる終盤が好きで、特にパリ編なんて元ネタでもある『ウォリアーズ』をまるまる一本分やりますよという特盛っぷり。なんなら決闘が決まった時点でお話的には8、9割終わってんのに、そこから一時間戦い続ける徒労感こそが本作の醍醐味だと思う。とりあえず映画史上最長の階段落ちの、笑いと申し訳なさが入り混じった「マジか!」な感覚を味わうためにももう一回か二回は観に行きたいところです。
親日家(笑
1と2が最高に好きだったので期待していたが、初めて映画の視聴を途中で辞めた。
ここまで雑な日本が登場するとは夢にも思わなかった。
3の時はまだ笑う余地があったが、これで親日家など馬鹿にしているのかと言いたい。
妙な服装と化粧、偽物の桜、ゴテゴテした装飾の刀や鎧。侘び寂びなどかけらもない。
日本をよく知らない外国人が考えた「俺の中のクールジャパン」感満載だった。
ニューヨークもローマもそれぞれ趣ある素晴らしいホテルだった分、余計に大阪の雑さが際立った。
キアヌが親日家という情報がなければ楽しめたのかもしれないが、こんな金のかかった学芸会を映画館で見なくてよかったと心の底から思う。
ジョンウィック最終話
最後ジョンが死んだのは悲しいけどまあ漸く終わりを迎えることが出来たのかなという感慨もある。
階段上ってる時は転げ落ちるだろうなーと思って、本当に落ちて行ったので思わず笑った。
いつも通りジョンがボロボロの血みどろで暴力を振り回すので見たいものが見れる満足感がある。
真田広之のアクションがかっこいい。
若干の似非日本ではあれど、我々日本人が求める真田広之はこれだと強く思った。
そもそもほぼ喋らないジョンがコウジに対して日本語喋ってることに友情を感じてなんだかちょっと感動した。
ケインの最後は切ないが、タイトル通り報いを受けたという事で納得感があった。
バーバヤーガ、最後の復讐 そして伝説は、聖人へ。
亡き妻ヘレンから贈られた仔犬を、ロシアンマフィアお坊っちゃんの強盗に殺され、復讐。(1)
ある仕事の為に、イタリアンマフィアのお坊っちゃんと誓印を過去に結んでいて断れず、昔の知り合いを始末させられ、なおかつ、口封じの為に自分も始末されかかり復讐。(2)
その余波で、殺し屋会追放、懸賞金をかけられる。世界中の殺し屋達に狙われ、組織の首長に会い、組織に戻り、なんやかんやでビルから撃ち落とされ、復讐を誓う。(3)
そして今作。
これまた坊っちゃんに、狙われる伝説。
この1からコンセクエンスまでのジョン・ウィック世界でのスパンが短すぎる!
何ヵ月かしか経っていない!っぽい。
映画館で鑑賞した当時は、字幕しかなく不安だったが、あんまり台詞はないし、むしろ日本語が出てくるので、アクションだが、ほぼ問題なく観れたのを覚えている。
そんなガン・フーばっかりの本編だが、ストーリーもぶれずに、まさに初志貫徹なジョン・ウィック。自分の生き方に対するケジメ、というか3でも、いつかは誰かに殺される。と報いを受ける覚悟はある様子だった。だが只では死なず、やはり復讐をしてからという姿はカッコ良さを感じる。
ただ殺すだけではなく、今回は意味のある復讐を。
今まで、ジョン・ウィックの報いを受けていたのは、他のまわりの人達だった。
今作のラストは、そこにケジメをつける最高の答えだったように思えます。
殺し屋ではあるけれども、ジョン・ウィックの人の良さを感じる描写もスゴく良い。
大好きな映画です。
凱旋門での戦闘シーンは一見の価値あり。
シリーズ4作目だが、相変わらずストーリーらしいストーリーは無く、ひたすら戦闘シーンが続く。ジョンが死ぬまで終わらないだろうと思っていたらこれで終わりとなった。今回印象に残ったのは凱旋門での戦闘シーン(これはスリルがある)と、シェパードの放尿シーン。もう少し短くしてほしかった。
壮大なスケールのシリーズ最高傑作にして完結編
・キアヌ・リーヴス主演による2014年(日本公開は15年)から続く『ジョン・ウィック』シリーズの第4作目。彼にとって、既に『マトリックス』シリーズと並ぶ一大人気シリーズに。
回を重ねる毎に更新されていくアクションと上映時間。第1作目は101分というコンパクトさだったのに対し、今作は何と169分という長尺。
日本版の副題にもある【コンセクエンス(consequence)=結果(作中では“報い”の意として度々登場)】という言葉の通り、今作では、ジョン・ウィックとこれまで彼に関わってきた者達、今作で新たに彼に関わる者達それぞれの行いに、様々な報いが生じていく。シリーズの集大成とも言える作品。
・前作のラストで、キングと共に主席連合への復讐を誓ったジョンは、早速首長への復讐を果たす。しかし、ジョン・ウィック抹殺を条件に、連合の権限を一手に引き受け、新たに主席連合の首領に就任したグラモン侯爵の策略によって、ニューヨークのコンチネンタルホテルを経営するウィンストンは支配人の権限を剥奪、相棒のシャロンは見せしめとして射殺されてしまう。大阪コンチネンタルホテルに潜伏しているジョンを抹殺する為、侯爵は彼の旧友であるケインを呼び戻し、部下達と共に向かわせる。
・今作は何と言っても、ドニー・イェン演じるこのケインというキャラクターが素晴らしい。娘を愛する盲目の達人という、決して字面では斬新さが伺えない設定だが、スクリーンに映し出される彼の人間性と戦闘スキルの数々に唸らされる。
杖を用い、足元をフラつかせながら周囲の状況を確認する危なげな様子に、観客は「オイオイ、大丈夫かよ?」と、一瞬不安になる。しかし、一度戦闘が始まれば、その磨き上げられた抜群の戦闘スキルで、襲い来る敵を次々と薙ぎ倒してゆく。特に、大阪コンチネンタルホテルの調理場での戦闘シーンが良い。壁や調理具にセンサーを取り付け、敵が通過すると音が鳴るというシンプルなトラップだが、音のした方向に適切な攻撃を加えて敵を倒していく様子が面白い。
また、あくまで娘の命を人質に取られているから侯爵の命令に従っているのであって、無闇矢鱈と殺生はしない様子(同じく旧友であるシマヅや彼の部下達への配慮等)が達人感を漂わせる。
極めつけは、ジョンを見捨てて決闘場所に向かえば確実に娘が助かるにも関わらず、刺客に襲われ孤軍奮闘する彼に手を差し伸べ、共に決闘場所である寺院に続く階段を上がっていく姿。「良き友であり、同時に最大の敵でもある彼は、あくまで正々堂々と決闘で倒す」という、ケインの武人としての誇り高き精神に、思わずウルッとさせられた。
そんな彼にすら、エンドロール後に正に彼らの生きた「殺しの世界」の“報い”がやって来るのだから恐ろしい。
クライマックスの決闘シーンで、ジョンと交わした「(ジョン)死にしがみつく者は、生き。(ケイン)生にしがみつく者は、死ぬ。」という台詞を体現している。殺しの世界から解放されたと思ってしまった彼は、間違いなくあの瞬間、生にしがみついていたのだから…。
・ビル・スカルスガルド演じるグラモン侯爵も、ステレオタイプながら絶妙な“権力に溺れるボンクラ”感が見ていて楽しい。よく主席連合の連中は、彼に権限を与えたなと思う。あるいは、クライマックスの決闘シーンで「実はメチャクチャ強かった!」というサプライズでもあるかと思ったが、そんな事はなかった(笑)
その徹底した小物っぷりが、演じるビル・スカルスガルドの演技もあって愛しささえ抱かせるのだから素晴らしい。
・今作は、ビジュアル表現の数々にも非常に力が入っていた。キューブリックを彷彿とさせる左右対称に拘って撮られているシーンは勿論、アクション映画であると同時に、象徴的なシーンの一つ一つが絵画の如く美しいのだ。
大阪コンチネンタルホテルでの死闘は、桜が印象的なホテルの外観、鎧甲冑や日本画をイメージしたステンドグラスの飾られた修練場、刀・弓矢・手裏剣、果てには力士の用心棒と、ハリウッドならではの“間違った日本感”全開のビジュアルが、日本人としては美しいと同時にクスリとさせられる。修練場でのアクションは、前作のクライマックスの戦闘シーンと重なる印象があるのもまた面白い。
他にも、侯爵に決闘の果たし状を渡しに行くウィンストンの背景に飾られている名画の数々。
背景にエッフェル塔を挟んでの、決闘の条件を話し合うカードゲーム。
夜明けの朝日が差し込む寺院での決闘シーン。
これらを劇場の大スクリーンで存分に体験出来るのだから、非常に贅沢。
・アクションに関しても、既に4作目であるにも関わらず、尚も新しい引き出しを提示し続けてくれて、観ていて飽きない。
寺院に向かうジョンに襲い掛かる刺客達との凱旋門でのバトルや、改装中の建物内での、大スクリーンで観ているにも関わらず、どこかミニチュアを真上から眺めている感覚に陥るワンカットガンアクション。寺院に続く階段での、倒しても倒しても次々と刺客が現れるゲームステージのようなバトル。
また、ジョンの確実なヘッドショットによるトドメをシリーズ通して最後まで貫き通す姿勢も非常に好感が持てる。
・今作のラストで、遂に伝説の殺し屋、無敵の男、ブギーマン、ババヤガと、多くの尊称(愛称)で表現されてきたジョン・ウィックも、遂に命を落とす。数え切れない殺しを経てきた彼も、遂にその“報い”を受ける時が来たのだ。今際の際で脳裏に浮かべた“愛する妻”の元へ行けたのかは、墓前でウィンストンが語るように「分からない」。
というか、本当にこれで彼が死んだのかすら、実際の所は分からない。だが、エンドロール後に我々観客に突き付けられたクールなラストが示すように、例え生きていたとしても、「一度でも殺しの世界に足を踏み入れた者に、安息はない」という事に変わりはないのだろう。
個人的には、今後スピンオフが控えてはいるが、ここで一度シリーズを畳んだのは英断であったと思う。ジョン・ウィックの紡いだ物語の集大成として、その結末として、本作は非常に満足度の高い景色を魅せてくれた。
ところで、あの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のグルートみたいなキャラクターは、一体何だったのだろう…?(笑)
ジョン・ウィックの弾丸を通さないスーツが凄すぎる!
キアヌ・リーブスが、伝説の殺し屋を演じているアクション映画「ジョン・ウィック」シリーズの第4弾となる作品で今作がラストとなる。
裏社会の起きてを破り、粛清の包囲網を切り抜けるジョン・ウィックの姿が好きで、シリーズ全作を鑑賞しているが、今回は裏社会の頂点に立つ組織・主席連合から自由になるため友人や様々n人の協力を得ながら立ち向かうという内容になっている。
日本の友人シマヅ役に、真田広之が出演しているのも嬉しかったし、主席連合と刀や手裏剣で戦うシーンは、ラストサムライを彷彿とさせる内容だったし、日本人の義理人情の強さも表現されているように感じました。
上映時間は約3時間あって、アクションシーンのオンパレードで集中して観てると、かなり疲れました。たぶん、鑑賞中に無意識で体の筋肉に力が入ってたのかもしれないです。
何とも言えない終わり方で拍子抜けしてしまったのと、エンドロール後の意味深な映像は、この映画のタイトルに通じるものなのかなと感じましたが、シリーズを最後まで楽しめたので自分としては良かったです。
3作目だと思っていたら4作目だった
子供の頃に指を銃にしてパンパン撃って「今当たったよー」「当たってないもーん」で、当たってない奴(奴という言い方は友情込めての)の物語。
ジョンのタフさは主人公の身体に付与された特典としても、殺し屋の同士の近距離の撃ち合いで弾丸が致命傷にならない=当たらないという運の部分は、違和感を抱く場面多数でした。仮にジョンが避けてたとしても、それこそジャケット持ってかがむだけなので、(嘘だろ)(手に当たらん?)と違和感をやはり抱いた。
何より、冒頭の「日本の描写」世界観は…もう2024年です。いい加減アジア括りで雑に表現するのはやめてほしい。とはいえ、当然アメリカ人(英語圏)向けの映画で他国公開はオプション的な視点だと思いますし、商業的にそこを狙って作ってウケているのでしょうから、映画としてはいいと思います。ただ、42年前の1982年のブレードランナーの方が日本の情景がリアル。
座頭市のような殺し屋なのに意外と道具に頼って切っていたり、まあこのキャラクターは深掘りせずに「見えないのに強い!かっこいい!」でいいと思いますが、ある程度「なぜ切れるか・相手の場所がわかるのか」という描写は欲しかった。
終盤は、俯瞰からのカメラワークや大階段落ちなど、とても見どころがあっておもしろかった。格闘シーンのアイデアを出してトップ6を表現したような。格闘の良いアイデア・シーンあります。
オチも良かった。でもアクションは作を重ねる毎に、どんどん合理性を欠いていっている気がします。弾無くなったから「銃投げる」のはわかるけど、その銃が当たってのけぞる角度が、弾くらったときとあまり変わらないのはどうだろう。すごいダメージ受けてるときあった。
1の印象が良くて、2、3がたぶん同じ印象だったからか、今作が4作目ではなく「3(スリー)」だと思っていました。前作に比べキアヌ・リーブスが体絞れているので、ジャケットよく脱ぎます。
感想メモ
ジョン・ウィック最高!永遠に!
ジョン・ウィックの好きなところは、確キルが多いところだな、ノックアウトした敵にもう2、3発ぶち込んで確実に殺す
2時間40分ぐらいある、初っ端から闘い続きで、キアヌの疲労がリアルに伝わってくる、話自体はシンプルだけど、アクションシーンが魅力的だから長くても満足だね
もう続きやらないのか!?キアヌ60歳だし体力きついか…、コンセクエンスの副題に沿ったラストで良かった
外国人が考えた日本、サイバーパンク感増し増しで好きよ、大阪コンチネンタル、お相撲ボディガード、初志貫徹
盲目の殺し屋、閃光弾投げて目が眩んだか、ってかっこいい〜、スーツ脱いだら年相応の体型で安心した
途中で出てくるめっちゃ強い武器が好き、撃たれた人が炎上して爆発して死ぬみたいな銃、戦闘シーンを部屋の上から撮ってるカメラアングルも好き
報いを受ける時がきた
原題
John Wick: Chapter 4
感想
世界77ヵ国初登場No. 1&シリーズ最大ヒット!
伝説の殺し屋、決着に始動!
ちょっと長かったのかなという印象です。
ですがアクションシーンは面白く迫力がありました!
凱旋門での戦闘や8区での戦闘シーンのカメラワークは飽きさせないですね。そして犬を守る優しい男、ジョン・ウィックです!
222段の階段の戦闘からの見事な階段落ちは素晴らしい!笑
中国から盲目の達人ドニー•イェン、日本の旧友真田広之、そして大阪が舞台になっておりアジアが活躍してますね。アキラ役のリナ•サワヤマも素晴らしかったです。
トラッカーと愛犬もなかなかいい味出してました。
序盤にシャロンが殺されるのはびっくりしました!
ジョンは死んだのか、エンドロール後のアキラは復讐したのか気になります!
ランス•レディックが2023年3月17日に死去したためエンディングで追悼メッセージが流れました、早い旅立ちでしたがゆっくり休んでください。
※「逃げ場所はない」
※妻を愛した夫
銃撃戦ばかりで単調
いくらなんでも銃撃戦だけで160分は長すぎ!
さすがに単調すぎて眠くなる。
160分もあるのに物語が薄く、銃撃戦にバリエーションがあるわけでもないので
ちょっともたない。ケインや犬の殺し屋の物語を少しくらい描くことは可能な長さだ。
ジョンの戦う理由がもう少し見る側に共感性を持たせる理由も必要だと思う。
バトルでジョンに全然銃弾が当たらないのは緊張感に欠けるし組織の設定もファンタジックで漫画より漫画してるなと思った。少年ジャンプに連載してたらもう少し盛り上がったんじゃないかと思った。
さらに続編があるらしいが流石に次回は物語を練らないと全く記憶に残らない映画になりそう。
撃つ、組む、撃つ、投げる、撃つ…
ネオン輝く綺羅びやかなロケーション、長階段の過酷なロケーション、朝陽昇る優雅なロケーション、部屋を俯瞰で見たり、行き交う車にぶつかりぶつけられという、とにかく映像に拘った戦闘シーンはプロモーションビデオの様。しかし、ストーリーは平凡で長くマンネリ感もあり、キアヌの動きももたついてるように見えた。
控えめに言って最高
前半の大阪、中盤のクラブでのファイトでも充分アクションしているのに最後の鬼ごっこまでアクセル全開で突っ走るキアヌ!
キアヌも真田もドニー・イェンもカッコよ過ぎる!
後半で火を吹くショットガンみたいなのを試し撃ちするザコが出てきて、これは…と思ったら…
案の定ジョン・ウィックに取られてしまい、俯瞰視点でのショットガン無双はギャグかというくらい爽快
見せ場の連続で最高でした!
唯一の欠点は、主席がちょい小物感あったかなぁ
いっそペニーワイズの姿で出てきた方が怖かったかも笑
中2病映画終幕
やっと終わった中2病バカ映画。
ネット民には(キアヌが)人気だが、興行収入10億突破時点でシリーズ最大のヒットと公式が言ってたので、実のとこ大して売れてはいない。
中身のない映画なので
頭空っぽにしてドカドカバンバン楽しめばいいかと。
だってガンカタのリベリオンとかと同じく、主席連合やコンチネンタルなどの設定に酔ってる「どう?かっこよくない?」感が強すぎるもん 笑
ケブラースーツ万能すぎだし、一流の殺し屋とか言われてるけど出てくる殺し屋含め
雑すぎ 下手な鉄砲数撃ちゃ当たる感がヒドイ
あと今作やたら飛びつき腕ひしぎとか、絡め系がバカの一つ覚え的に乱発してたけど
アクションコーディネーターの趣味か何かですか?
過去作でもそうだけど、周りで殺し屋たちが暴れまくっとるのに平気で踊ってたり通行してる一般人たちは何なの?
一般人には見えてない(知らざる)非現実的な現実という解釈でよいのか?
今作登場の新キャラ「誰でもない男」の最終的な意味なし感は何よ?
誰でもない男が自分とジョンの墓に言葉を刻むなら
「犬を大事にする男」だろうね
おバカなアクション映画としては・・・・
ドニー・イェンも出てるし★4★5でもいいんですが・・・
個人的に好きなキャラ、コンシェルジュのシャロンが早々に殺されたのと
結局、ジョン死ぬんかーーーーい!て まとめられなかったオチと
エンドロール後のアキラがケインに報復するシーンが要らないし
(盲目なのにあれだけ気配など察して戦える男が刺されるわけはないはずだが)
報復不穏エンドのせいで、決闘で自由になった意味がなくなってしまった。
あれだけジョンに皆が、報復しても次が出る、終わらない、繰り替えし・・・と
で、ジョンが全ての友を殺した男になってしまったこと
そこが只々残念である。
1はジョンが愛車と愛犬を奪われ、マフィアのボスが詫びたにも関わらずバカ息子を殺し
報復しに来たボスも返りうちにし
2は誓印で否が応でもやらねばならぬ仕事をうけ、あげく標的にされキレて報復
ルールを破ってコンチネンタル内で殺したわけで
3はウィンストンはジョンに対する刑の執行を遅らせジョンを逃がす時間を与えたことがバレ主席連合から報いを受け、ジョンに牙をむけるも4では、やはりジョンの味方だし
ジョンよお前は散々ルールを守れない自制が効かずキレ散らかすくせに
誰かを頼る・・・・・
クソだよ 笑
そんなクソでも、終わらせてあげたかった負の連鎖を。
でも、あの終わり方じゃ全部無駄。
4作もやって無意味なことしてんじゃねーよ
キアヌのグダグダアクションを笑うしかないシリーズになってしまったとおもうので
★0.5 で。
こういう評価があってもいいでしょ
男の辿る道
ウィックの怒りの終結を見せつける。
全てを失っていった男が辿る物語。
自身の怒りにより進む道を誤った男が、彼を慕う男たちとの交流を通して選択する道を彼の目線ではなく彼を見てきた者たちから描くことで、より男たちの哀愁を漂わせた物語に仕上がっている。
よりハードになったアクションと哀愁が観てるものの心を満たしてくれた。
まさに映画体験
映画自体がかなり長いはず。しかしながらジョンウィックの世界観、キャラクターへの感情移入、圧倒的アクション、話の展開が見事にマッチしている。ゲームのような映像と撃ち合うシーンがさらに独特の世界観があり、男の子なら大好きなはず。
途中のアクションに少し戦闘シーンがここの尺は長いなと感じるがそこを踏まえて見ると、彼のキャラクターと映画全体に意味を形成しているんだなとわかる。
最後の階段のシーンは本当に象徴的であれほど観客に彼の今までの傷をえぐられるような痛みを覚えさせるシーンはない。
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