不思議の国の数学者のレビュー・感想・評価
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義理堅さに苦しみ救われる話
約束を守る、仲間を売らないといった義理堅さは人の信頼を得るのに大事な要素の一つだ。大事な要素の一つなのにときに軽んじられる。でも、そのことを認める人はいて、その義理堅さに救われるというお話。
数学が壊滅的に苦手という高校生が出会った脱北者の警備員は、北朝鮮で有名な数学者だったという設定。脱北者だと生徒の間で知られているから人民軍なんてあだ名もついてたりする。でも、そんな彼の過去について序盤では全く触れてこない。
警備員(ハクソン)が高校生(ジウ)に数学を教えてるようになる流れも、徐々に心の距離が近くなる過程もいい。ハクソンの過去が明らかになるにつれ、ジウの守った約束が鍵を握るようになる展開も。
やっぱりチェ・ミンシクの存在感は素晴らしい。彼のセリフに説得力があるからこそ成り立つストーリーだ。ジウにちょっかいを出してくる女子生徒や嫌味な数学教師の存在も全体の雰囲気を引き締めるいいキャラクターだ。
おじさんと若い子が交流する話って韓国映画では得意な分野なんだろう。今回も、数学に全く疎い自分でも問題なく楽しめるよう、エンタメ作品として練り上げられた良作だった。
安心して観られる良作
よくある学園ものかと思いきや、数学を絡めて、事態は思わぬ方向へ。
作品通じて、安心して観られることができた。
俳優陣は違和感なく観られたし、ヒロインもあざとかわいい感じがまたいい。
ステレオタイプではあるが、軍事力を重視する北と学歴を重視する南のどちらも批判していて、バランスはとれていた。
韓国映画を最近よく見るが、全然関係なさそうにみえて、北と南に関する映画が本当に多い。そういう作品が日本に来ているだけなのか。
そして、音楽も清々しい、不安を煽るものとわかりやすくまとまっていた。
数学をテーマにしてはいて、言っていることは理解はできたが、数学の良さというのはあまり伝わっては来なかった笑
2023年劇場鑑賞67本目
チェミンシュク氏の3年ぶりの主演作品
久しぶりの作品が、素晴らしい脚本の映画で感激しました。いちご牛乳や秘密の教室での講義など、ワクワクする伏線が多くて最後まであっという間に楽しめました。終わり方も気持ちよく観ることできる終わり方でした。韓国の鬱屈した背景も垣間見ることができるいい作品です。多くの方に見て欲しい映画でした。
高校の警備員として働く冴えない脱北者と数学が苦手な高校生の熱い友情を描いた韓国の映画。 本年度ベスト!!
予告編が面白そうだったので鑑賞したけど期待以上の作品に大満足!
数学が苦手な高校生が学校の警備員に数学を教わるサクセスストーリーと思いきや全く違った展開に。
それが素晴らしかった!
韓国で成績優秀な生徒1%が通える一流高校に入学したジウ。
苦手な数学の成績が上がらす先生に転校を勧められる展開。
ある事を切っ掛けに脱北し、学校の警備員として働くハクソンが数学が得意と知り数学を教わる事に。
ハクソンへの授業料は毎回イチゴ牛乳を1本(笑)
ハクソンがジウに数学を教える姿が熱いけど、今更ながら勉強する心構えが身に染みる(笑)
ジウの数学の成績が少しづつ上がって行く中、学校である事件が発生。
そんな中ハクソンの隠された事実が明かされ前半の雰囲気が一変しシリアスな展開に。
その事件の疑いをかけられたジウが学校を辞める事にハクソンが我が身を省みずにカミングアウトする展開に泣ける。
2人の友情を終始感じられて熱かった。
ハクソンが何故ジウに親身になって数学を教えるのか?、後に知るんだけどその理由が悲しすぎる。
ジウの同級生のガールフレンド、ポラムも良かった。
大好きだったピアノを親から止められていた中、円周率の数字を音階にしてハクソンとピアノを弾くシーンが美しかった。
ラストシーンも2人の友情を表した感じで素敵なエンディング!
ハクソン自身も素敵なエンディングとなってストレスフリーな作品!
自分も数学は苦手だったけど、高校生の時の数学の先生がとても分かりやすく、人生初めて数学で100点を取った事が懐かしいです( ´∀`)
Q.E.D.
円周率にこんなに心が震えるなんて
数学はこんなにも美しいんだ、って感動的なシーンのハン・ジウの反応が面白かった。
主人公の高校生と脱北してきた天才数学者、無理から明るい同級生の女の子、みんな背負っているものは重いけど、時々ユーモアもあって、よかった。
重いけれど暗くない。
音楽も映像も美しく、数学的勇気とか、間違った問いから正しい答えは出ない、他にもたくさん学ぶことも多く、素直に感動できる作品でした。
円周率にこんなにも心が震えるなんて思いもしなかった。
お母さん、チャンシルさんでしたね。
原題はなんていうんでしょう?
韓国映画はオープニングタイトルに字幕入れてほしいなぁ。全部でなくてもいいから。
【大当たりの韓国映画!】美しき数学×音楽=宇宙
高校1年生のハン・ジウは、警備員のイ・ハクソンに酒を持ち込んだところを目撃され、寮を追い出される。大雨の日イ・ハクソンの警備員室に泊めてもらうのだが、次の日難題と言われる数学の問題が全て解かれていた。しかも全問正解。
ハン・ジウは、イ・ハクソンに数学を教えて欲しいと頼み込む。
実は……イ・ハクソンは北朝鮮一の天才数学者であり、ある悲しい過去を抱えていた。
個人的に数学は最も苦手な分野……これ、大丈夫かなと思って見たけど、そんな不安は一瞬で掻き消された。
なんて美しく、知的で優しい物語なのだろうと。
とはいえ、超学歴社会かつ、就職が困難な韓国にてこういったテーマの映画を製作することも皮肉っぽくて面白い。
警備員と男子学生の友情には胸が熱くなるし、特にラストにかけては涙なしでは見られない。
そしてイ・ハクソンの息子との回想シーンは胸が締め付けられそうになる……
音楽と数学のハーモニーを今作で実現しているところも素敵。
バッハの「無伴奏チェロ組曲 第一番 ト長調」
連弾で弾いた曲、どれも美しく情緒的な曲ばかり。
そして数学嫌いな私が、数学ってこんなにも美しく宇宙的なんだ、と実感した映画。
古物商からもらった大量のアンティークランプを灯して夜な夜な数学を解く2人のシーンはずっと眺めていたかったな。
いいなあ
高校生の頃を思いだした。博士も少年も数学の先生もいい味出してて最高だった。
数学の見せ方が上手く工夫されてて楽しい。数学好きだったのも思いだした。
かわいい女子は何言ってもどんな無礼をしても許されるし、空気読まなくても大丈夫だし、いきなり告っても気持ち悪がられないのだ。狂言回し役に適任だな。でそれも良かった。
心踊るπソング
鉛筆の擦れる音、バッハで心が休まりπソングで心躍りました。
数学って学生時代は大多数の人が
「こんなこと社会に出て何の役に立つのやら」と恨めしいものでしかないと思うのです(偏見w)。
しかし、学問ってのはそういうもんではないんだなということをとても気持ちよく感じられました。良作。
【"リーマン予想。"脱北した天才数学者と落ちこぼれの男子高校生の交流を描く。天才数学者が秀才たちにスピーチする姿は受験戦争に警鐘を鳴らしながら、勉強する本当の意味を伝えた素晴らしきシーンなのである。】
■各校の上位1%が集う全寮制の名門校に通うジウ(キム・ドンフィ)は”特別枠入学”(母子家庭や、経済的に恵まれない家庭の生徒の入学枠)であるからか、授業について行けない。
ジウは校則を破った相部屋の級友たちを庇い、独り寮を一カ月放逐される。
家に帰っても、母親に本当の事が言えず古い建物内に隠れるが、そこは夜間警備員ハクソン(チェ・ミンシク)のねぐらでも有った・・。
◆感想
・ジウが寝過ごした時に学校に持っていった数学の先生が作る超難問(画面を観ていたが、サッパリ分からず・・。)の数々に記されていた数式と答え。
ー そりゃ、驚くよね。そして、ジウはハクソンに”数学を教えてくれ”と頼むがツレナイ答え。だが、ジウが父が青信号を渡っている時に事故に遭い亡くなった話をすると、ハクソンはジウに数学を教え始めるのである。後半、明かになるハクソンの過去をさり気無く表現しているのである。-
■ハクソンの独特だが、素晴らしき教え方
・正解のみを追い求めるのではなく、答えを求める”過程”が必要。そして、難問にぶち当たっても諦めずに根気よく解き続ける”勇気”が必要だと諭す姿。
ー 受験スキルのみを教える愚かしき担任とは、真逆の教え方である。
そして、これは仕事でも言える事なのである。
結果は勿論大切だが、その結果を出す”過程”や”諦めない努力”を重視するハクソンの視点には大きく共感する。ー
・構内で受験問題漏洩が起き、愚かしき担任はそれを転校を進めていたジウに責任を被せようとするのである。
ー だが、ジウが持ち出そうとしていたモノとは・・。-
・ジウの事が好きなピアノが好きだった、ポラムも受験第一主義の母親に反発し、ハクソンの元に来る。
ー ポラムとハクソンがπ(3.1415・・)の数字を音符化し、連弾するシーンの美しさよ。
そして、ハクソンが何故イチゴ牛乳を毎日飲んでいたかも分かって来るのであるー
・一方、数学の超難問の一つであるリーマン予想を解明したとして、脱北したハクソンの業績が認められ、色めき立つ北の高官たち。
そして、夜間警備員ハクソンが実は世界的天才数学者である事が、徐々に明らかになっていく。
■そして、校内の期末試験発表の際に登場したハクソン。壇上には幼き頃に数学で競った南のライバルや校長たち。
今や、皆がハクソンの業績を知っている中、彼は満員の秀才たちに語りかけるのである。
”私は、自由と学問の自由を求めて”南”に来た。
だが、”南”も数学を受験の道具としてしか使っていない・・。試験の結果ではなく、勉強した過程や努力が大切なのです・・。”
そして、ハクソンはジウの漏洩疑惑もさり気無く明かすのである。
可なり沁みた含蓄溢れるスピーチ内容であり、チェ・ミンシクの圧倒的な演技が炸裂するシーンである。
<今作は、ややストーリー展開が粗い部分もあるが、それを吹き飛ばすメッセージ性が素晴しき作品である。
数学を学ぶ魅力をハクソンが伝えるシーンや、黒板に書かれた数式の美しさにも、魅了された作品である。(内容はサッパリ分からなかったが・・。オカシイなあ、数学は得意だったのに・・。そうか、私は受験のための数学を勉強していたのだ・・、と反省する。)
今作は、学ぶ事の意義の”本質”を描いた素晴らしき作品なのである。>
円周率の音楽が良き
色々と出来事は起こりますが、最終的にはほっこりとする師弟の物語でした。
数学と音楽をリンクさせた部分、円周率の数字を音符に置き換えた美しい音色のピアノ曲が印象的でした。
南北特有の世界線があるため、北から逃げた脱北者なのか、南が拉致したのか、というくだりは他の国には無い論争点で、韓国映画らしいと思いました。
しがない警備員が実は世界的な数学者だった。。というのはおじさんVER.のシンデレラストーリー的というか。。良いですね、こういう展開も。
淡々と進む話なので、アクションもカーレースもスリルもサスペンスもありませんが、ヒューマンドラマや受験国家、学歴尊重社会の姿を見るという意味でたまにはこういうテイストも良いな、と思いました。
数学が
北朝鮮では兵器開発に利用され、
韓国では大学受験の道具に利用されている、、
という先生の嘆きが印象的でした。
数学の美しさを語る先生の瞳が少年のようで、
また教え子の主人公と再会した時もとても嬉しそうで良かったです。
*****
ヒロイン役のお母さんが典型的な毒親で、2言目には「あなたのために塾を変えたわ」「あなたのためにピアノをやめさせたのよ?!」っていう。。。出たよ「あなたのため」。子どもには最悪のセリフ。
いくら年取ってもこういう毒母親のセリフは娘の気持ちになってムカッときますね。。。マジでいらんわそういうの、そういう押し付けが最悪なんだよ、荒れる子どもの気持ちを少しは考えなさいよ!って。。登場当初ややウザ気味のヒロインでしたが、家庭環境が分かると同情してました。
*****
受験戦争社会にいると、どんだけ金持ちでもそれだけで幸せじゃないんだよな~と改めて実感しました。まぁ、ある程度はお金もないとそりゃ困りますけど。
この主人公が良い師匠に巡り会えて、将来彼も何か教授とかになりそうで良かったです。
毎日イチゴ牛乳は糖分取りすぎな気がするので、程々に(笑)
リメイクしたら更に面白そう。
脱北してなぜか高校の用務員をする天才数学者ハクソンと学力不足で転校を勧められているジウがあるきっかけで数学を教えてもらい勉学の本質を理解していくようになるというストーリーです。
ハリウッドでリメイクしたら娯楽作品の王道になる要素がてんこ盛りなのですが、韓国映画なので泥臭く南北の問題や受験戦争の厳しさもリアルに盛り込んでいます。
登場人物もそれほど多くないので見やすいのでお勧め度は普通のやや上です。
リメイクに期待。
非常に真面目でえぇ話だったが…。
どうも真面目でえぇ話になり,韓国作品って観方をすると、岩井俊二監督を思い浮かべて日本人で演ったらどうなるか?という考えが浮かんでしまう!
私の観方は岩井俊二監督作品はわりと好きであり、非常に理解しやすい馴染みの日本人が演ると、どうもいかんせん駄作に感じさせてしまう場合が非常に多い様に思われる。がしかし、数学自体はいやぁ難しい〜ʕʘ‿ʘʔ
後半、最高潮に感動だった。
少年が主人公かと思ったら警備員さんが主役だったんだね。サクセスストーリー的な話しは大好きだから、後半にかけて更に盛り上がるこの映画は好物。
天才は前に出ない。んだね。
最後の終わり方も良かった。
ただのほんわかヒューマンドラマでは終わらない。
数学に強い用務員のおじさんと落ちこぼれ学生のほんわか交流劇をどう広げるのかと思ったら…南北やら格差社会やら賄賂やらいろいろ絡めて終盤はしっかり泣かせていただきました。見て損なし、なやっぱり韓国映画。
ちょっとよくわからない流れがなくもなかったけど、 いろんな要素が詰...
ちょっとよくわからない流れがなくもなかったけど、
いろんな要素が詰まってて
いたずらに長引かせることもなく、
良い作品でした
なんか予想外のところで涙してしまい、
自分の涙ポイントが推測不能でした
底辺10高さ6の直角二等辺三角形
超一流進学校に通うの数学が苦手な落ちこぼれ君が脱北者の警備員に数学を教えて貰うお話。
普通の公立高校ならトップクラスだけれど、この学校ではビリ争いの転校を推奨されるレベルなジウ少年が、夜間警備員に数学教えて下さい!となり巻き起こっていくストーリー。
脱北者ということを隠している様子は微塵もない、というかバレバレな人民軍。そういえば数学者ってことも隠している割に頼まれてもいない宿題も勝手に…w
カンフーではないけれど、何だかジャッキー・チェンの初期の作品の様な師弟関係ですこと。
なんて思っていたら、あっという間にお勉強もピタゴラスアワードも終了して何だかフランク中佐とチャーリーですか?
そんな有りがちな映画を組み合わせた様な作品ではあったけれど、解答ではなく過程が大切と、数学以外に繋がる本質をみせる作品で、とても面白かった。
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