劇場公開日 2023年3月3日

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「静かに本と向き合う日々」丘の上の本屋さん TSさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 静かに本と向き合う日々

2025年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

癒される

写真家の星野道夫(故人)のエッセイが好きで読み返していたとき、アラスカの小さな町の坂の上の古本屋の話が出てきて、この映画のことを思い出した。

この映画の舞台はイタリアの小さな丘の上の町の小さな古本屋。
あまり繁盛はしていないようではあるが、ぽつりぽつりと客が来る。主人のリベロは博識で、客に合う本を的確に選んで勧める。意外と商売上手かもしれない。

小さな本屋と限られた客、限られた空間の中で静かに進む話。主人のリベロと移民の少年エシエンの本を通じた交流も淡々と描かれる。
大きな事件は起きない。リベロは病を抱えており、元気がなさそうだが、ただただ静かな日常が続いていく。

やがてリベロとエシエンに今生の別れが訪れる。予想された展開。残された手紙(遺言)と一冊の本。遺言はよかったけど、この本が別の本だったらよかったのにな、と思ってしまった。ちょっと「教育的映画」の匂いが濃い感じがして、なんとも・・・。
元々そういう目的で、少年少女をターゲットに作られた映画だとしたら、良作なのかもしれない。

忙しい日々にひとときの休息、という感覚を得たい人にはお勧めできるかも。

TS
りかさんのコメント
2025年10月16日

本好きの子供がたくさん増えそう。

りか