劇場公開日 2023年11月25日

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「63分で描いた現代社会の一端。」イルカはフラダンスを踊るらしい はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.563分で描いた現代社会の一端。

2024年1月15日
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鑑賞方法:映画館

舞台挨拶付きで鑑賞。社会問題にもなっているヤングケアラーが題材ですが決して重くなりすぎず、かと言って深刻でない訳でもないというところがとても現実的な描き方だなと思いました。

高校3年生のサト。自宅には介護が必要な祖母がいるが昼間はヘルパーさん、夜は父親がいるためイメージにあるヤングケアラーとは少し違う。それでも認知症による物忘れや徘徊など症状が徐々に進行してゆく祖母から目が離せない日々が続く。

そんな中サトが友達も巻き込んで大好きなおばあちゃんに素敵なサプライズ旅行を計画するという物語。楽しく優しくそして現実と向き合いながら家族の在り方からヤングケアラーを考えるきっかけになるような作品です。

舞台挨拶では「本当はマリファナを育てる犯罪の映画が撮りたかったが思うように進まず期限が迫って来た為、身近な家族の物語でなおかつ近場の関東で撮影できる、でも東京だとお金がかかるから逗子辺りで」というのがきっかけで生まれた映画という話が実に興味深かったです。

はるたろう