「キャラクターの魅力だけで、どこまで行けるのだろう?」劇場版 SPY×FAMILY CODE: White tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラクターの魅力だけで、どこまで行けるのだろう?
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キャラクターの魅力、特に、アーニャの可愛らしさが、最大の「売り」であることは理解できる。実際、アーニャがう○こを我慢するシーンは、作画的にも、この映画のクライマックスと言っていいだろう。
ただ、それにしても、ストーリーが雑過ぎるし、展開が偶然や成り行きに支配され過ぎているのではないか?
フォージャー家の目的は、学校のお菓子コンクールに優勝することだったはずなのに、それが、ラストの飛行船での大活劇にまったく結び付いていないし、浮気を疑うヨルや、食材集めに奔走するロイドの行動が、物語を大きく動かすこともない。
飛行船内ででヨルが対決する相手も、機関銃を乱射するだけで、まったく「強敵」感がないし、ロイドが対峙する大佐も、味覚や嗅覚が鋭いだけで、ラスボスとしては物足りないとしか言いようがない。
そもそも、敏腕のスパイと凄腕の殺し屋が、互いに相手の正体に気付かないというのもおかしな話なのだが、ここは、自らの正体を隠す能力にも優れているということで、納得するしかない。
ただ、ロイドとヨルは、元々は敵国同士の人間なのだから、いくらでも「Mr.&Mrs.スミス」みたいなスリリングなシチュエーションを作り出せそうなものなのに、そうしないのはどうしてだろう?
おそらく、物語全体のラストのためにそうした展開を温存しているのだろうが、それにしても、互いに正体がバレそうになるハラハラ・ドキドキはもっとあってもよいのではないかと思う。
いずれにしても、いつまでもキャラ頼みでストーリーをおろそかにしていると、間違いなくシリーズ化されるであろう劇場版の先行きも怪しくなるのではないだろうか?
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