「推しが出来る101分」劇場版　推しが武道館いってくれたら死ぬ　サプライズさんの映画レビュー（感想・評価）

正直舐めてたね。こんなに胸が熱くなる映画とは思っていなかった。原作もドラマも全然知らなかったんだけど、めちゃくちゃ面白いし、2時間弱で推しができるという素晴らしい作品だった。一見コメディのようだけど、しっかりドラマがあり、アイドルしている。

深夜ドラマの劇場版ということもあり、予算があまり無いのか少々安っぽい作りではあるが、その分アイドルを推すオタクも、推されるアイドルも、熱量がすごい。主演の松井沙友理は、賭ケグルイの時から打って変わって、本作ではアイドルを〈推す〉側。全身全霊で1人のアイドルを愛している様子が伺え、一気に親近感が湧く。賭ケグルイに出演している乃木坂女優、マジ最高じゃん。

松井沙友理の演技にも助けられ、グイグイと引き込まれていく。アイドルなんて好きになったことないのに、主人公のえりぽよが推す、舞菜がたまらなく好きになる。舞菜を演じた伊礼姫奈(なんと高校3年生！)が魅力溢れる人物であるし、舞菜を好きになるストーリー展開が非常に上手い。アイドルが苦しくも立ち上がり、ファンのために・武道館に行くために、歌って踊る描写がきちんとあるから、このアイドルも作品も大好きになれる。マジでいい曲だし、可愛いし、えりぽよが本気で推すのが理解出来るくらい、魅力的なグループなんだよね〜。

チャムジャムのスタッフの演技はなかなか見苦しいが、とにかく笑って楽しくて感動できるという、映画の大切な要素が詰まった秀作。アイドルを、推すことをテーマに掲げている作品だからこそ出来る感動や名台詞があり、胸が熱くなる。ラストのライブパフォーマンスなんて、涙出たもんね。彼女たちが抱える葛藤、そしてファンの偉大さ。｢私はいいかな。どうせ行くことになるんだし。｣このセリフ、一生忘れない。

めちゃくちゃ元気が出た。熱くなった。
観客はなんと自分1人という、集客にはかなり悩まされていそうな雰囲気だったけど、すごくいい作品です。確かに、予告もポスターもあまり惹かれないけど、今一番、気軽におすすめできる映画ですので、ぜひ劇場で。私は1人で応援上映してました。