アイスクリームフィーバーのレビュー・感想・評価
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【先の見えない未来、悔いを心に抱いた女性達が、アイスクリームを食べる事で癒される様をアーティスティックに描いた作品。”お洒落な映画を90年代テイストで作ってみました。”と感じてしまった作品でもある】
ー 今作はデザイン会社に就職するも上手く行かずにアイスクリーム屋の副店長として働くナツミ(吉岡里帆)と、彼女の店に現れた黒い衣装を基調とした謎めいた女性サホ(モトーラ世里奈)との関係と、アイスクリーム屋のご近所さんで銭湯好きなユウ(松本まりか)の元に転がり込んできた姪ミワ(南琴音)の関係を軸に展開していく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ナツミの店にサホが現れた時に、ナツミは瞬時に恋に落ちる。そして、サホが実は一作しか本を出していない芥川賞作家である事を知るのである。
ー サホを演じたモトーラ世里奈の黒を基調にした服装、眼鏡がバッチリである。あの姿には惹かれるよな。-
・ユウと失踪した父を探しに来たミワの関係性も、最初はギクシャクしている。ユウは姉(安達祐実)と疎遠になっており、それも関係しているのであろう。
ー だが、二人で銭湯に行ったりして、徐々に関係性が良好になっていく。
<今作の監督は、アートディレクターだそうである。で、初監督作品。脚本は別の方が書いているが飛ぶように変わるカット割りや、意味深なショット(で、対した意味はない。)も多く、キャラが立っているのもモトーラ世里奈さんが演じた謎めいたサホ位である。
吉岡里帆さんの魅力が巧く活かされていないし、”お洒落な映画をアーティスティックテイストで作ってみました。”と感じてしまった作品である。イロイロ言って、申し訳ない。
<2023年9月3日 刈谷日劇にて鑑賞>
自分か、自分じゃないか
選択肢は、自分か、自分じゃないか(自分→私だったかもしれません)、など、色んな深みのあるセリフが一杯でした。
色んなストーリーが交錯して、少し頭が混乱しましたが、全体的には楽しめました。
やはり、吉岡里帆は可愛かったです。
ひとことReview!
スタイリッシュにしたようなんだけど、実は思いっきりダサい作り。特にラストの、部屋中をアイスクリームでグチャグチャにするシーンは、「こんなシーンを出せば、なんとか成立するだろ」ってな感じで監督の無能さを感じさせる。ベートーヴェンの交響曲のオーケストラにデジタル音を乗せたような感じのBGMを採用した件もペケ。千原徹也監督は芸術ファンに喧嘩を売っているのか?
映像が綺麗
観た瞬間、映像アートだなって思った
しかしながらストーリーはしっかりしていて疑問を抱かせ、スクリーンから目が離せなかった
彩度の高い映像だっただけに前半の菜摘のメイクには違和感があったけど、女子全員オシャレ。可愛い。
八百屋のサイケっぷりも良かった
貴子の物語は弱かったので、冒頭にダンスを入れて欲しかったな
アイスクリームを作る際、押し問答と途中のseには悶絶した。
佐保の笑顔が素敵だった
手を繋いで走った瞬間、私が泣いた
EDではトイカメラで撮ったようなスナップが出てきて、その中に佐保を見つけ嬉しくなった
(古川以外は)幸せな気分に浸れる作品でした。
80点 新たな発見!面白い映画です!
すごくはないが面白い映画です。
映像は「渇水」と同じ感じでしょうか。初めてそういう昔のフィルム?みたいな映像で見ましたが自分的には良かった!
また違和感もなく(吉岡里帆さん、松本まりかさんが綺麗で素敵すぎます)最後まであっという間に時間が過ぎました。
映像は派手ではないが、物語の主人公たちの持ち物、着ているもの(90年代を表現しているそうです)が面白く、その世代じゃなくても楽しめます!
また音楽も上手く使い、こういう演出もありなのねと。面白い視点です。
出演している方も豪華で、歌手(詩羽、水曜日のカンパネラ)からお笑い芸人(ジャルジャル)まで幅広いなぁとそこも面白かった!モトーラ世理奈さん起用も素晴らしいと思います!MEGUMIさんも合いすぎ笑。役にピッタリです。
めちゃめちゃ評価高くしても良い作品だと思います!パンフレット買った方が絶対いい!
あと最初の「これは映画ではない」はズルいなぁ笑面白い!
意外に心情リアリティ深さがありましたが、演出の好みは‥
(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
※本来の長いレビューを書く時間が最近ないので、短く
映画を観ていてなんだか奇をてらったストップモーションやカメラワークの演出が鼻について、表面おしゃれで人間理解の浅いありがちな作品かな?と思っていたのですが、川上未映子さん原作の力か意外に心情リアリティに深さがあり面白く見ました。
特に高嶋優を演じた松本まりかさんの演技が素晴らしく、姪の高嶋美和役の南琴奈さんの自然な演技含めて、ドラマ性と映画性がある映画になっていたと思われます。
常田菜摘役の吉岡里帆さんや橋本佐保役のモトーラ世理奈さんの演技も相変わらず良かったです。
(新旧水曜日のカンパネラの詩羽さんとコムアイさんが同じ映画に出ているのも興味深かったです‥)
ただ姉の高嶋愛(安達祐実さん)と妹の高嶋優(松本まりかさん)とが彼氏を取り合った古川イズミ役が後藤淳平さんというのはちょっとミスキャストでは?とは思われました。
映画の最後のカットで中谷清也(マカロニえんぴつ・はっとりさん)がベランダの軒に姪の高嶋美和(南琴奈さん)が完成させた花の絵を剥がすのも、とにかく不快。
あれは、映画で描かれた女性の世界を理解できない男性を皮肉っているのか、それとも逆に男性側から女性の世界を皮肉っているのか、分かりませんが必要だったのですかね?
(原作にあるのであれば申し訳ないですが‥)
とにかく鼻につく演出含めて男性陣が総じてとにかく浅くて不快。
それをあえて描いたのであれば、もう少しまともな男性もいることも伝えた方がいいですよとは思われました。
内容は深さある面白さを感じながら、端々に自己主張してくる演出に私的嫌悪を感じる、個人的には近年なかなかない作品だなと思われました。
氷菓子
役者陣の振り分けが不思議な作品だなと思い鑑賞。監督はこれが初監督作品、良い方向に転がってくれるのか、それとも…。
はい、悪い方向に転がりました。相性の問題だとは思いますが、オシャレ一辺倒でどうにもむず痒かったです。画角だったり、止め方だったり、こだわりが強く感じられたのですが、商業作品でやる事ではないなと思いました。
ストーリーは時系列が少しズレているオムニバス的な作品で、美大を卒業したのちアイス屋で働く女性、1つの小説を書き上げて以降、書けずにいる女性作家、恋人を実の姉に奪われたOL、実の父親を探しにきたOLの姪たちの物語が交わったり交わらなかったりしながら進んでいきます。
アイス屋の女性と小説家の話、互いが夢をやり切れてない2人が出会い百合っぽい事やってたら、小説家は失踪し、アイス屋は店長任されたりという感じでポンポンポンと終わっていく事に疑問しかなかったです。小説家がアイスコーンを投げ捨てる演出、本物か偽物か知りませんが、食材を雑に扱った時点でこの映画はダメだなと思いました。このシーンが別に何かに活きたわけではないので、少しムキッとしました。
OLと姪の話、これ姪がとにかく振り回しまくっててイラッとしました。勝手に転がり込んだ挙句、父親探しの手伝いをさせますし、基本家でダラダラしてますし、届いた荷物を勝手に開けますし、それについて怒られたら半ギレしたりしますしで、好感度は地の底に落ちました。核兵器の話をし出したあたりで監督か原作者が憑依したんじゃないかぐらいベラベラ喋っていて相当キツかったです。
カメラワークのクセは気になるほどではありませんでしたが、ぶつ切りのようにシーンごとに映像を止めるのが気になって仕方がありませんでした。そのカットがかかるたびに画面への集中がプツンと切れてしまい、ショートムービーならそういうのもありだと思いますが、しっかり100分超えてる映画なので、そういうのはノイズだと誰か口止めしなかったのかなと思いました。
画角もスクリーンに映された時に一眼で分かる小ささで違和感が拭えなかったです。あとこれは劇場サイドの問題かもしれませんが、エキゾチックな音楽たちが爆音で耳障りでした。主題歌が流れるシーンは普通だったのに、劇伴だけ大暴れしていたのでそこも頭を抱えてしまいました。
詩羽さんが踊り出すシーン、もうこれは本当踊らせたかっただけだろと突っ込んでしまいました。踊る理由は訳分かりませんし、それがシーンに活きてきるわけでもないので、詩羽さん演技がとっても良かっただけにこのシーンが無駄にもっていかれたなと思いました。
全体的に女優さんたちの表情の喜怒哀楽が楽しめるので、その点では良かったかなと思います。特に松本まりかさんの色気と可愛らしさと悲哀に満ちた表情と、松本まりかさんのキャリアがドンと解き放たれていたなと思いました。
良いところもあるにはあって、背景の家具や服装のこだわりはとても感じられました。オシャレでしたし、役者陣もこの格好が似合うので、ここは見事に噛み合っていたなと思いました。あとアイスは食べたくなりました。シャレオツなお店のアイス1個分くらいの値段で買える業務スーパーの2Lアイスを食べました。
こだわりが全面的に出てきてしまうと独りよがりな作品が出来上がってしまうのが残念でした。監督も従来の映画の形とは違うものを作りたいという意識のもと作ったんだと思いますが、それをやるならフィールドはYouTubeやInstagramの方が形式的にはあってるのかなと思いました。こういう考えを無くしてどれもこれも映画と解釈できるようになれば良いんですが、長編PVにしか思えなかったです。数少ない今年のワースト候補です。
鑑賞日 7/17
鑑賞時間 11:35〜13:30
座席 C-7
アイスが先か、冷蔵庫が先か
コミカルなシーンに浮遊感のあるBGMを合わせたり、お洒落な画面にリアルな芝居が載ったり。
独特なバランスの作品だった。
正直、そのへんが成功してるかというと難しいところ。
興味深いところもあれば、アートっぽい演出が鼻についたりもしました。
一番好きなのが優と美和が間違い電話で笑い合うシーンだったので、ストレートに撮った方が、とも思いましたが…
しかし反面、他が捻ってたからあそこが活きたとも思え…う〜ん。
演技は全体的に素晴らしく、水曜日のカンパネラ新旧ヴォーカルも問題なし。
(コムアイがあまりに普通で逆に違和感。笑)
吉岡里帆の表情芝居もよかったが、個人的MVPは松本まりか。
毎度ながら、ともすれば甘ったるくなりそうな独特の声も踏まえたバランス取りは見事。
姉との過去や、姪との関係性を自然に見せるのは凄い。
「言語化できないということは、誰にも共有されないということで、つまり自分だけのもの」という考えは印象的。
また、ありきたりながら後半にちょっとした仕掛けがあるのも良い。
女性ばかりの画面で、モブに至るまで美人揃いで目の保養にもなりました。
(優たちとニアミスした古川の手前に映ってたショートボブの方、最高)
主演女優が魅力的に映れば、それは良い映画。
主演女優が魅力的に映れば、それは良い映画。
たしか「映画大好きポンポさん」でのセリフだったと思います。まさにそういう映画です。
前主演作「ハケンアニメ」が好演だった吉岡里帆と、少女邂逅のモトーラ世里奈の二人がとても魅力的です。吉岡里帆は色白で地味系の美人が持ち味ですが、今回はモトーラ世里奈に翻弄される役どころで、いちいち可愛いです。
一方で、モトーラ世里奈は、しばらく見ないうちに、すっかりお姉さんなっていますね。実年齢は吉岡の方がだいぶ上ですが、大人っぽいです。でも笑うと愛嬌のある笑顔が魅力的。
吉岡里帆は幅広い年齢層を演じられる、これからが旬な女優さんですね。モトーラ世里奈は、とにかく雰囲気や存在感が抜群。役に幅は無いけど、天性の女優だと思うけどな〜。
と、役者はベタ褒めですが、作品はとしては、、、。色使いとかカット割で、オサレ感を出そうしているのは分かります。が、なんというか「カッコダサい」とでも言うのか。アニメ的に言えば「カウボーイ・ビーバップ」的な感じ。
川上未映子さんの原作は面白いのだと思います。2つの短編を繋ぐところが、若干トリッキーでしたが、あまり効果が出ていなかった気もしますね。
ハイデザイン映画
川上未映子×吉岡里帆と聞いて、何ヶ月も前から楽しみにしていた。カメラワークやフォントが独特でキレイ!そして皆が、川上未映子が書く女性の喋り方をそのまま再現していて感動した。吉岡里帆とモトーラ世理奈の、恋愛とはいえない、ただ友情ではない、特別な雰囲気、すごくうらやましいな。
一番好きな言葉は、「言語化できていないことは、私の中だけにしまっていることなのだ(曖昧)」。すぐに言語化を促される世の中だけれど、そういう解釈も素敵だと思った。
モノトーンのせかい。
世代の異なる女性の思いが交錯する恋愛話。
美大卒行後デサイン会社に就職するも仕事がうまくいかない菜摘、アイスクリーム店でバイトする日々、そこへ客としてきた橋本佐保に運命的なものを感じた菜摘、もう一方そのアイスクリーム店の近くに住む優、疎遠になってた姉の娘、美和が訪ねてきて父親を探すを理由に同居することに...そんな女性達の思いが交錯するストーリー。
ちょっと独特な世界観で女性同士の恋愛がキレイに描かれてるって感じ。常に映像の色使いやオシャレな雰囲気が意識されてるのかな!?と感じました。
個人的印象に残ったセリフ、菜摘が佐保の部屋へアイスを作りに行った際、佐保のセリフ「白い紙に黒いペンで字を書く、だけど青と書けば青になる、赤と書けば赤になる」ちょっとセリフは違うかもだけどタイトルの「モノトーンのせかい。」は、ここから。
この作品全体を色で例えるならピンクよね!
描写もピンクが多かったような...。
吉岡里帆さんは勿論いいんだけど佐保役のモトーラ世理奈さんキレイだし、いい雰囲気出てるし何か観てて凄く佐保に惹かれました。
モトーラ世理奈さんってちょいちょい作品出てるけど次の作品からは意識的に彼女を観てしまいそう。
美和役の子は私初見だったんだけどこれから色んな作品で観れるのかなと思う位可愛い子でした。
とりあえずあんな可愛い店員さんがいるアイスクリーム店が近所にあるなら真冬の雪降ってる時でも通いますね!(笑)
最早
原作未読 初めて今作を知ったきっかけはまさに渋谷シネクイントの予告及びポスター
それにしても吉岡里穂の小ささなのか、モトーラ世理奈の巨大さの強調なのか、得体の知れないビジュアルのアンバランスさに逆に引っかかりを感じたファーストインプレッションである
ロケーションは渋谷、2組の女性達の群像劇が同時進行で進む 画面アスペクト比が多分1:1の真四角に映されて、隅が丸くトリミングされているのをみると、どうもインスタグラムを意識した様な画作りを狙っているのだろうか? そのフォーマットから描かれる映像は、というより動画的に近いモチーフを感じさせる内容になっていて、深い人間描写というよりも、ほんの少しの機微を感じ取られる心象を表現しているようである
姉に恋人を取られた妹の元に訊ねてくる姉の娘 働いてるアイスクリーム屋に或る日客として訪れる大柄で黒づくめの女性 それぞれの話は決定的には交差せず、アルファベットABCのアートオブジェが玄関前に設置されているマンションの上下階の部屋を隔てている構図でのストーリー展開である ニアミスはするものの影響はそれ程は読み取れない
姉との確執が心の蟠りとなって消せない妹だが、姉の死によってそれが消化できずに生きている 方やブラックなデザイン会社で働いていたがその4年間唯々仕事のみに時間を費やされ心身共に疲労困憊になって生きている理由を見失い、流されるままアイスクリーム屋の店長で過ごす日々
"冷たくて甘い"というキーワードにて、その冷酷でしかし甘さも又得られる『人生』をメタファーとして表現したアイスクリームを軸に、辛さも優しさも常に交互に訪れる日常をスタイリッシュに描いたのだろうと感じた 舞台が渋谷なので、エンディング曲のオザケンといい、過去と現在の街の移ろいも挿入しつつ、後味をサッパリとさせている風味もいわゆるZ世代を意識してのことだろうか・・・
ベランダの天井の花のマークや、マカロニえんぴつのボーカルの出演等々、映画作品という表現ではない、"映像表現"としての作品は、一つの可能性として自分は評価したい モノローグが文語体的台詞なのも一つの演出 映画と言うより現代アートとしてのインスタレーション作品としてみれば興味深い作風である そして最早クィアではなく、普通に同性同士が恋愛する世界なのであり、特別視することではないのであろう
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