「意図的な不親切もまた心地良い」アイスクリームフィーバー グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
意図的な不親切もまた心地良い
本好き、読書好きの人にはたまらない。
せいぜい月に5〜6冊程度しか読めない私が言うのはおこがましいのですが、本好きなことは本当なのでお許しください。
一般的な娯楽作品と比べると、ところどころ間伸びしていたり、説明不足に見えてしまうような作りになっていますが、二行くらいあけて場面転換をしたり、ふたつの時間軸で交互に展開する小説だと思って見てればすごくしっくりきます。
読書中、意識して記憶なんかしてませんが、読み進むうちに、あ、これ前半のあの場面と繋がるのか!なんて気付くことがあります。作家が意図的に、解釈を読者に丸投げする〝程よい不親切〟もよくあることですが、この映画の進行は、その感覚と近いものがありました。
たとえば、アイスクリームのコーンを投げ捨てる、そこに蟻が🐜寄ってくる。
これで何が表現したかったのか。
もちろん、正解なんてありません。
大袈裟な理由を考えるのもありだし、時間の経過や生命の営みを表しているのかもしれないし、ただの気まぐれかもしれません。
場合によっては、もやもやしか残らない。でも、そのもやもやの原因を自分の頭で考えるのが好きな人が一定数いて、すべての、とは言いませんが、本好きな人は総じて、そういうのが嫌いではないはずです。
※アイスクリーム屋さんの店長と、著者近影などで使われている川上未映子さんの写真の印象が似ていたので、原作者自ら出演?と勘違いしてました。
わざわざ引用していただきありがとうございます。
素人目線の印象では、結構文節が長い、気軽な短い会話的な表現が飛び交う作風ではないと推察しました。機会を見て書店で手に取ってみたいと思います。ぱらぱらでも目を通さないと買えない、貧乏性なもので。
ありがとうございました。