劇場公開日 2023年7月14日

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「アイスクリームがらみの群像劇」アイスクリームフィーバー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アイスクリームがらみの群像劇

2023年7月14日
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鑑賞方法:映画館

心に負った傷を癒やす方法は人それぞれ。体を動かしたり、何かを見たり、何かを食べたり。他人からするとそんなことで?ということでも本人にはとても大事だったりする。
本作は傷ついた人たちの群像劇。いずれもアイスクリームが関わってくる。予告編程度の情報しか入れていなかったから、群像劇だと知ってちょっとしたプレゼントをもらった気分。吉岡里帆とモトーラ世理奈の話は、恋なのか、好意なのか、ただの興味なのか、微妙な線上を行き来する感じがいい。姪が訪ねてくる松本まりかの話もあるから同性愛っぽさは限りなく薄い。群像劇っぽい登場人物たちの微妙な遭遇や、時間軸のズレとかを堪能させてもらった。なんだ!いい話じゃないか。原作は未読だからわからないが、原作の力?それとも監督と脚本の力?映画.comの説明では原作を原案にしてって書いてあるからかなり脚色してるのだろう。初メガホンとはいえ、千原監督侮れないな!
スクリーンの分割とか、音楽とセリフのタイミングとか、他にもなかなか攻めた演出をしていて面白い。ただ、カメラの揺れがヒドくて見づらいシーンが多めだったのは少し気になった。あれワザとか?でもさすがはアートディレクター。音楽系のアーティストがちょい役でたくさん出演してて驚く。監督本人も最後ちょっと出演してて(あれ、そうだよな)、面白かった。
いずれにしても人が癒やされ、前に踏み出そうとする姿は勇気をもらえる。単純な自分に嫌になるのだが、アイスクリーム食べたり銭湯に入りたくなってしまう。自分がそれで癒やされるとは限らないのに。いや、サクレなら元気をもらえると信じたい(舞台挨拶を観た人にしかわからない話)。

kenshuchu