「最早」アイスクリームフィーバー いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
最早
原作未読 初めて今作を知ったきっかけはまさに渋谷シネクイントの予告及びポスター
それにしても吉岡里穂の小ささなのか、モトーラ世理奈の巨大さの強調なのか、得体の知れないビジュアルのアンバランスさに逆に引っかかりを感じたファーストインプレッションである
ロケーションは渋谷、2組の女性達の群像劇が同時進行で進む 画面アスペクト比が多分1:1の真四角に映されて、隅が丸くトリミングされているのをみると、どうもインスタグラムを意識した様な画作りを狙っているのだろうか? そのフォーマットから描かれる映像は、というより動画的に近いモチーフを感じさせる内容になっていて、深い人間描写というよりも、ほんの少しの機微を感じ取られる心象を表現しているようである
姉に恋人を取られた妹の元に訊ねてくる姉の娘 働いてるアイスクリーム屋に或る日客として訪れる大柄で黒づくめの女性 それぞれの話は決定的には交差せず、アルファベットABCのアートオブジェが玄関前に設置されているマンションの上下階の部屋を隔てている構図でのストーリー展開である ニアミスはするものの影響はそれ程は読み取れない
姉との確執が心の蟠りとなって消せない妹だが、姉の死によってそれが消化できずに生きている 方やブラックなデザイン会社で働いていたがその4年間唯々仕事のみに時間を費やされ心身共に疲労困憊になって生きている理由を見失い、流されるままアイスクリーム屋の店長で過ごす日々
"冷たくて甘い"というキーワードにて、その冷酷でしかし甘さも又得られる『人生』をメタファーとして表現したアイスクリームを軸に、辛さも優しさも常に交互に訪れる日常をスタイリッシュに描いたのだろうと感じた 舞台が渋谷なので、エンディング曲のオザケンといい、過去と現在の街の移ろいも挿入しつつ、後味をサッパリとさせている風味もいわゆるZ世代を意識してのことだろうか・・・
ベランダの天井の花のマークや、マカロニえんぴつのボーカルの出演等々、映画作品という表現ではない、"映像表現"としての作品は、一つの可能性として自分は評価したい モノローグが文語体的台詞なのも一つの演出 映画と言うより現代アートとしてのインスタレーション作品としてみれば興味深い作風である そして最早クィアではなく、普通に同性同士が恋愛する世界なのであり、特別視することではないのであろう
早速の返信、畏れ入ります
思うに、多分、渋谷近辺に住んだことがない私は、どっちかの選択に迫られる"踏み絵"的内容かなと(苦笑
①憧れ
②日本中の渋谷に住んだことがないその他大勢が中指w
好戦的制作陣は、その裏側にどこか醒めている諦観ってあるのかなって、そこまで想像しなくてもいいですね、失礼しました
今晩は。
私は映画館で観る映画の9割は面白く鑑賞出来るイカレタ前頭葉の持ち主ですが今作は・・。
名は記しませんが、アートディレクターの方の初監督作品は、5割がた空回りしている気がします。(で、一作作って終わり。)
アーティスティックに描こうとして、失敗に終わっている作品が多いと思います。
逆にホラーの日本内だけ大家の方の作品も似ているかな。では。