「成長の鍵は出会いと自分の中にある」魔女の香水 うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)
成長の鍵は出会いと自分の中にある
香水との出会いにより人生を生き抜く術を見出す恵麻の成長と、香水を表現手段として人々を励まし続ける弥生が半生を賭して挑む作品作りの物語。
恵麻のサクセスストーリーはやや強引で昔のケータイ小説的なノリを思い出したが、終盤の彼女は自分の言葉でものを伝えることができるようになっており、少し危なっかしいながらも希望が持てる流れだった。
弥生のストーリーは、黒木瞳さんの陰陽の入り混じる表情の力によって短いシーンでも言外に沢山の感情が伝わってきて、ずっしりと重みが感じられた。
恵麻、弥生、舞と、劇中で成長したヒロインたちを「全てを手に入れた成功者」にせず、自分が選んだ仕事をメインに社会と関わり続ける自立したサバイバーにしたのは、こういったジャンルの作品では目新しかった。
「めでたしめでたし」だけで終わらない、まだまだどこかで彼女たちの物語が続くことを想像させるヒロイン像に好感を覚えた。
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