キングダム 運命の炎のレビュー・感想・評価
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大沢たかおの映画
マンガ実写化の最大の成功例となりそうなこのシリーズ、今回は、ようやく大沢たかお演じる王騎にスポットが当たる。前二作では思わせぶりに登場して美味しいところをもっていくような役回りで、大沢たかおの肉体づくりと役作りの完成度の高さでそのカリスマ性をスクリーンに刻み付けていた。今回は、物語の中でその知略の見事さを披露してくれる。
演じる大沢たかおが相変わらず良い。ほとんど馬上から動かないで、不敵な笑みを浮かべている状態が多いのに、底の知れなさをやたらと感じさせるのは、さすが名優という感じ。思うに、マンガの実写化だろうとオリジナルの作品だろうと、演者の上手さが重要なのは同じことで、似ているかどうかよりも奥深い芝居ができるかどうかを基準にしてキャスティングした方が良いんだろう。
羌カイ役の清野菜名のアクションは本当に素晴らしい。土屋太鳳とアクション映画のダブル主演とかしてほしい。
通常の邦画実写よりも製作費をかけて臨んだ大作映画シリーズ第3弾。戦闘シーンのリアリティーに課題アリか?
本作は実写化不可能とされたマンガを原作とし、通常の実写映画より製作費を大幅に増やし臨んでいる意欲作です。
この意気込みを私は好意的に見ていますが、シリーズの回を追うごとに戦闘規模が大きくなるにつれ、映像表現の説得力に課題を感じています。
第3弾では、序盤で(大沢たかおが演じる)王騎(おうき)から戦いへの覚悟を問われた(吉沢亮が演じる)エイ政が、7年前の(杏が演じる)紫夏(しか)との記憶を語るシーンは、地に足のついた物語で、映像表現も含めて良かったと思います。
そもそも、エイ政の年齢については考えてもいなかったのですが、7年前は9歳。29歳の吉沢亮が高校生などを演じていても一切気になりませんでしたが、さすがに9歳であれば無理を感じてしまいます(笑)。
ただ、プロデューサーがどうしても吉沢亮で撮りたかったこだわりも理解はします。
実際に吉沢亮が演じる事で「回想シーン」と「今」が❝一つながり❞に見えるからです。
そのため、原作ファンは気になるのかもしれませんが、特に年齢は気にせずに、「なるほど、そういう過去があったのか」というくらいで流すのがいいと思います。
本作の最大の山場となる終盤の決戦ですが、私は「キングダム」シリーズに課題があるとすると、ここだと考えています。
第1弾と第2弾ではワイヤーアクションにしか見えない不自然なシーンが目につきましたが、本作ではそこまで激しくないからか、この点はクリアされていました。
ただ、100人の兵士を率いる隊長となった信が、2万人の敵と対決し敵将を討つ重要なシーンですが、「1本の矢」というキーワードの意味も含め、これを達成できる説得力は残念ながら感じられませんでした。
100人のうち、生き残る人数も含め、設定や映像を見る限りにおいて、どうしてその人数で済むのかなど、(序盤の回想シーンなどと比較すると)リアリティーに欠けていたと思います。
この辺りが「実写化不可能」とされた所以なのかもしれませんが、この重要な映像表現が進化する事を望みます。
本作では「音」にこだわり近年のハリウッド大作を徹底的に研究したようで、音響は良かったと感じました。
アツい
前半の過去編から後半の戦場までてんこ盛りでした。
杏さんの演技がかっこいい〜〜〜〜〜。
暖かく包容力のある母の側面と、戦いでの力強い側面の両方をしっかり表現されていて適役でした。何が何でも死なせない、という必死さがとても伝わり感動。
今まで自分の味方がいなく心身ともに傷つけられてきた嬴政の「つきもの」は、誰かが命を賭けて自分を守ってくれるという経験から取れたのではないでしょうか。
後半のアクションシーンも大迫力。
戦闘は激しくて素早いのですが、その勢いを表現しつつ何が起きているのかしっかり理解できる絶妙なカメラワークがすごい…!!
100人隊が敵陣の中を一直線に進んでいくシーンは見応えありましたが、実際そんな大勢に囲まれて進んでいくなんて無理じゃない?とか、数で圧倒的不利な上、訓練していない農民が兵に対抗できなくない?とか気になるところはありましたが、細かいことは無視します。
100人隊が軍の勝利のため、故郷の家族のために自身の命を賭ける覚悟が強かったです。
負けたら家族が殺されるから武器を持って死ぬ覚悟で挑み、勝つために相手の命を奪う…。
戦って恐ろしいなと改めて思いました。
60点
映画評価:60点
(原作は全て読んでいます)
前作から思ってましたが…真壁さんって、
プロレスラー系では断トツで演技が巧いですよね。
普通に沛ロウが写っていると錯覚すらしました。
あと吉沢亮のエイ政も良いけど、
吉沢亮の場合、王賁の方が似合っていたのでは?と妄想してしまいました。
山﨑くんと口喧嘩する所、観たかったなぁ。
………、
………、
なんだか、凄く脱線しましたが、
映像はいつも通り大迫力で格好良い。
内容は原作再現で面白い。
シリーズ3作目ともなると、役者陣もキャラが板についてきて益々良くなってきています。
大沢さんなんて、
もう王騎が乗り移ったのかな?
って見紛う程の覇気を感じます。
片岡愛之助さんなんか、
めちゃくちゃ良かった。
この点数の10点くらいは片岡さんの演技力です。
原作を知っている身からすれば、
きっと次回は最高になるだろうと、
思える終幕でした。
【2025.7.25観賞】
やる気マンマン、「マンのマンマンですか?」(笑)
人気作『キングダム』シリーズの第3弾です。アマプラで再び解禁されました。原作未読につき楽しみです。
前半は総大将となる王騎将軍から、なぜ中華統一を目指しているのか問われ、その決意の元となる嬴政の趙から秦への千里行が描かれます。そこには杏さん演じる柴夏のほか身を挺して逃亡を守ってくれた人たちへの思い、約束が語られました。
私自身もいい歳となり最近やけに過去を振り返る機会が増えてきましたが、人生の分岐点には必ず守ってくださった人の存在があったことに今になって気付くことが多く、その人たちのおかげで今があることに感謝する日々です。
吉沢亮さんのアップも多いパートですがあらためて…どの角度から見ても美しいです。
中盤からようやく主人公の信が登場、王騎からとんでもないミッションを課されます。
場所取り以外で戦を効率的に進める方法、敵の有能な武将を殺していくこと…側面から突入、どさくさに紛れて副将のひとり片岡愛之助さん演じる馮忌の首獲り!
わずか100名でどさくさ紛れでやるにはあまりにも兵力差がデカ過ぎますが、豆粒のままか石になれるか、引き受けた「童(わらべ)信」へ褒美として「飛信隊」の名前が贈られます。
「殿の火矢」として犠牲者を出しながらも「飛信隊」の名に負けない大活躍を果たしました。途中ドキドキしながらも終わってみれば大勝利、ちょっとあっさりし過ぎなんでは?くらいに思っていたら、さすがにそんなすんなり進む訳はありませんでした。
羌瘣に「最も恐ろしいのはもともと神を体に宿す者、武神」、昌文君には「まるで武の化身」などと最大限に前フリされてた龐煖が最後の最後に登場、途中シルエットは見せてくれますが誰?って思ってたら吉川晃司さん!!勝利の祝杯をあげる飛信隊の前にまさかの一騎で現れ無双ぶりを魅せてくれます。敵ながらメチャかっこいいです!!
あと飛信隊副隊長の渕を演じる田中美央さん、王騎将軍に睨まれた時の狼狽える演技、コミカルさが光ります。
前作同様、新キャラを演じる山田裕貴さん、小栗旬さん、佐久間由衣さんが顔見世程度に登場、次回作での活躍への布石を打たれ期待させられます。
回を追うごとに戦のスケールがデカくなってきているので当然CGも使われていますが、人間が米粒くらいになる俯瞰図でも割と動きが見て取れて、いい仕事されてるなと思います。
本作で何より嬉しかったのは長澤まさみさん演じる楊端和の再登場!一瞬とは言え凛々しさ、美しさ共に健在です!!!
なかなか死なない飛信隊
Amazon Primeでやってたので観ましたよ。
いやあ、全然ストーリーが進みませんね。いろんな意味で、私はこのキングダムという作品の最終回を観ることができるのでしょうか・・・?
いい所は、そうですね、合戦のスケールが大きくてかっこ良かったですね。特に高所から俯瞰で見るシーンは好きです。あの大平原にたくさんの兵がわちゃわちゃやってるのは見ていて楽しかったです。
しかしな~。
前半の嬴政が紫夏の手引きで趙を脱出して秦に逃げるシーン、これだけで半分近く尺使って無いですか?
わずか1頭の馬が曳く4人乗りの馬車を襲う騎兵。もちろん1頭の馬が1人を乗せてます。こんなの速攻追いつかれて囲まれてハリネズミになるに決まってますよね?
でもなかなか追いつかない。後半差が開いてたりして。不自然が過ぎる。
「嬴政!お前は下がってろ!!」とか言ってましたけど、あの馬車に乗っているのに下がったところでどれほど安全でしょう?むしろ彼にも戦ってもらって少しでも敵兵を倒してもらった方があの窮地を脱する可能性高そうですけどね。まあどっちにしろ無理だと思いますが。
でも何とか逃げ切ります。やれやれ。
もう少しリアリティが欲しかったシーンその1ですね。
羌瘣役の清野菜名さん。ちょっと羌瘣にしては老け過ぎと言うか、大人びていてなんか違うんだよな~。もっと幼いと思うんです、羌瘣は。画面に現れるたびにそう思ってしまいました。
そして飛信隊の大活躍。全然死なないんだもん、彼ら。
王騎将軍はしてやったりとドヤ顔してましたけど、そんなに威張れるほど見事な作戦ですか?いくら脇が開いたからって100人で軍中央司令官のところまで抜いていくのは無理ですよ無理。絶対無理。
映像的にも絶対無理だなと思います。ラグビーですか?と思わせる突撃シーン。
趙軍の皆さん、絶対手を抜いてますよね?
もう少しリアリティが欲しかったシーンその2ですね。
最後に龐煖として吉川晃司さんが出てきたのはクスっと笑ってしまいました。
なぜでしょう・・・?
文句ばっかり言いましたが続きもプライム会員特典で観られるのであれば観ます。
大沢たかおさんの王騎は嫌いではありません。
今回は面白い!
結局たまらなく面白い
VFXチーム の頑張りがよくわかります
キングダム 運命の炎
2023年公開
キングダムシリーズ第3作
不朽の名作グラディエーター第1作の冒頭のゲルマニアの平原でのローマ軍団と蛮族の戦いシーンにもそれほどひけを取らないスケールと迫力の合戦シーンでした
ローマ軍団の方陣と秦の軍団の方陣
本作はVFX ですが、チャチなことはなくそれなりのクォリティがあります
その千人ほどの方陣がいくつも行進して動く様は、戦場全体を俯瞰するために本作のものは少し遠目気味ですが人間の集団が一人一人個々に動いているように見える程度には作り上げられています
欲を言えばその中の一人をアップで追いかけ、カメラを引いていって大軍団全体を見せる、またその逆があればさらに良かったと思います
特に気にいったのは、両軍の激突シーンです
防備側は最前線の兵士が号令一下、丸い盾を二段に重ねて、その背後に隠れつつ、盾の隙間から槍や、長剣を突きだしつつ激突の衝撃に備えるシーンの描写です
グラディエーターでは単なる激突にすぎず、戦術的に考証するとどうなるのか?それまでの弓矢、カタパルトの組織だった投射シーンの綿密な考証に比較するとおざなりで不満だったところを本作ではこう表現すればよいでしょうと良い解答例を示してくれていて嬉しくなりました
もっともグラディエーターでは防備側は蛮族なのでそのような戦術を持ち合わせないという表現だったのかもしれません
更にグラディエーターでは、その直後、敵の後背の森林に伏せていた騎馬隊が敵の背後から突撃して
蛮族を浮き足立たせ、背後から撫斬りにしてしまいあとはもう無秩序な乱戦のみという表現でした
本作では、両軍が常に集団で機動しているように表現されていて、乱戦になっても斬り合っているのは少数で、大多数はサッカーのように縦横に走りまわって集団でより優位な位置につこうとする様子を映像表現しようと工夫されていました
そこに古代の大軍団同士の戦いに大変リアルさを感じました
この戦いは、大将軍同士の知能戦であるという本作のテーマ表現にもなっているわけです
アクションシーンはアクションチームに丸投げするのではなく、監督の意図がそこまで徹底されているのが見て取れてさすがだと思いました
とはいえエンタメ的なシーンはエンタメに十分に振り切っています
敵将への直撃シーンや、闇商人の馬車の西部劇を思わせる爆走と弓矢射シーンがそれで、大いに楽しめました
VFXチーム の頑張りがよくわかります
ことに城郭の巨大さ、材質感の表現が素晴らしく、周囲の映像とのシームレスな一体感が際立っていて感嘆しました
ことに空気遠近法の表現が巧みでした
VFXスーパーバイザー:小坂一順、神谷誠とあります
自分は神谷誠さんの名前に注目したいと思います
彼は東宝の特撮の川北紘一さんの弟子になります
川北紘一さんは昭和ゴジラ、平成ゴジラシリーズの特撮を担った方です
つまり、円谷英二、中野昭慶、川北紘一という特撮の正統なる系譜に連なる人です
いわば東宝特撮の王統の出
えいせいのような人です
1965年生まれ
ゴジラ-1.0 の山崎貴監督は1964年生まれ、シン・ゴジラの樋口真嗣監特撮督は同い年です
これからもさらに素晴らしいVFX を見せてくれるに違いありません
キングダムシリーズのVFX もますます良くなって私達を驚かせ、楽しませてくれることでしょう
今話題の吉沢亮さん
さすがの二枚目
男でも見とれます
王としての風格も表現できていました
キングダム0日譚
山崎賢人さんの動きに感銘。引きで撮った時も美しい! 清野さんの動き...
前半の主役は闇商人役の杏。 凛とした芯の強さと母のような慈愛に満ち...
1と2で出番少なかった王騎をたっぷり見れて満足
1と2で出番少なかった王騎をたっぷり見れて満足。長台詞をしゃべらせても大沢たかおの演技はやはりいい。やりすぎたらギャグになってしまいそうな喋り方も声のトーンが絶妙で、まったく違和感なし。
紫夏との回想は長さが丁度いい。丁寧に描きすぎてたらテンポ悪くてダレてたと思う。政を被って紫夏たちが死んでいく場面はウルッときた。
李牧とホウケンの役者はリーク通りだったので驚きはなし。小栗旬は李牧と見た目が似てるし、吉川晃司もホウケンの不気味で荒々しい雰囲気が合ってると思う。
仲間を殺され激昂する信とホウケンがついに衝突。めっちゃ気になる終わり方なので早く続きを見たい。次回は原作でも大好きな王騎vsホウケンが見れそうなので楽しみだ。
童 信。がツボ
満の満々
お好きな方はスルーでお願いします。
多数の人にとっての愉しみがじぶんにとって苦しみであるということがあります。この映画を見ることは苦痛というより拷問でした。それなら見なければいいのですが、これが面白いという感性が中央値であることは、衝撃かつ納得できなかったので前作・前々作でも感想をあげてきました。
誰も傷つけるつもりはありませんし、望まれて供給した結果、需要が満たされた以上何の問題もありません。ただ、どんなことでも自分の意見が世評と乖離しているばあい、同意見を探すことがあります。
この映画を拒絶している人間は自分だけではなかった──と知ることは、人生の歓びのひとつです。そのために置いておくのです。
全場面が見得を切ることと中二というか小五なキメゼリフで構成されています。ひとつのシークエンスを書き出して、その構文と演出を紹介します。
嬴政(吉沢亮)が趙国から脱出する場面です。協力者は紫夏(杏)と道剣(杉本哲太)と亜門(浅利洋介)です。嬴政とあわせて四人が乗る馬車を一頭の馬に牽かせて全力疾走させます。馬に対しては酷薄な人たちでした。趙国の追っ手がきて騎射してきますが乗り物の重量差にかかわらずぜんぜん追いつきません。が、矢がばんばん飛んできて絶体絶命です。
亜門「合流地までまだ二刻もある、くっそ、ここまでか」
紫夏「あきらめてんじゃないよ亜門、矢も尽きてない、馬も走ってる、諦めるな」
嬴政は亜門と道剣を鼓舞し、三文芝居と愁嘆場がはじまります。
まず道剣が矢を浴びて「政様お許しを」と言って倒れます。で、亜門も嬴政を護ろうとして身代わりに槍を受けます。ちなみに亜門は嬴政に反目していたのですが「お前はちゃんと秦に帰れ、秦に帰ってちゃんとした王になれ」と熱い捨てゼリフを残して逝きます。追っ手が目と鼻の先にいて、矢がばんばん飛んできている状況ですが、この映画はどんな状況であっても見得を切り、中二というか小五キメゼリフを言います。言い遂げるまでの間、世界はポーズします。
馬車には紫夏と嬴政の二人が残り、紫夏は嬴政に手綱を任せて自分は後方援護にあたります。「(嬴政を)コロさせない」とわめき、さんざん見得を切りまくりながら、追っ手を払い、ようやく秦の騎馬隊が見えて「間に合ったぞ紫夏」と言って振り返ると紫夏は矢と槍に貫かれています。流麗なバックミュージックが止まって、悲劇的殉職が誇張されます。
もう充分わかったので次に行ってほしいのに嬴政と紫夏は死に際の愁嘆場をやります。嬴政が「お前達のおかげで俺は王になれる」と言うと紫夏が「あなたは誰よりも偉大な王になれます、どうたらこうたら」と言って息絶えます。で、嬴政が「紫夏ー!」と叫びます。
小っ恥ずかしくて鳥肌が立ちっぱなしです。全尺がこの調子です。
だいたいあきらめるなという構文は少年少女の読み物についてまわる欺瞞です。物理的に不可能な状況であきらめるなというのはばかか、でなければ情弱な人々を感動へ導くための台詞です。むろんそれで感動してしまえるならばの話です。無理ゲーな状況下で「あきらめるな」と言う愚かなヒーローに疑いをもって下さい。それがリテラシーです。
いや、そんなことはどうでもよく、なんにせよ登場人物が台詞を言う毎にゾワゾワして変な汗がでてきます。ここの人たちは皆、言上でも了解でも、眼前で掌と拳をパンと合わせますが、それだけでもゾワッとします。このゾワゾワやゾワッは俗に言う共感性羞恥ですが、それが120分ぶっ通しで続く様を想像して下さい。
戦場で王騎と謄が「満の満々ですか」「満の満々であります」「満の満々の・・・」と押し問答するところは、ひょっとしたらこいつら全員ネタをやっているという自覚があるのではないか──という懐疑心が芽生えましたが、もうどうしても耐えきれず、途中で見るのをあきらめました。
たとえばわたしはディ○ニーランドに属するすべてのものが嫌いです。人混みも長蛇の列もはしゃいだ雰囲気もスタッフの明るい態度も着ぐるみも割高コストも、人々が夢の国だと評するそこは、じぶんにとって地獄でしかないでしょう。ただそんな意見は聞いたことがありません。嫌いなら行かなければいいのであって、わざわざ行って嫌いを表明する酔狂がいないからです。好きな人だけが行って「楽しかった」を表明するからディ○ニーランド=夢の国が一致した見解になるわけです。
しかし無作為統計をするなら遊園地が楽しいという人は決して全員ではありません。日頃、多数派に寄せた単純なポピュラリティばかりを見せられるわれわれは「ディ○ニーランド?死んでも行きたくないね」という意見に福音を感じるはずです。同様に「キングダム?あれのどこが面白いの?」という意見を見つけたら思わず「だよな」と言うはずです。
少数派の「この映画を拒絶している人間は自分だけではなかった」のためにレビューしました。
多分これは映画ではなく「キングダム耐性」のテスト場です。激アツな愁嘆場の連続、見得と中二というか小五のキメゼリフにどこまで耐えられるかぜひチャレンジしてみてください。
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