君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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過去から引き継いだこの世界の調和を作るのはあなた自身だ。あなたはどう生きるか。
メッセージとしてはおそらくシンプルで、この世界は太古から現在まで、卵子から大人まで、先祖から子孫まで、無数の生命の連鎖で紡がれており、色んな生物や人が絶妙なバランスをとって成り立っている、その調和を維持するのはあなた自身だ、というものかと思います。戦争の時代から始まるのも、その調和(平和)を乱していたことの象徴なのでしょう。
そしてそのシンプルなメッセージが、宮崎駿、ジブリ映画ならではの世界観で描かれてています。
本作をみていると、過去のジブリ作品の要素も随所随所に見られるのですが、それも敢えて「過去の作品があってこその今」という表現のためなのかなと思ったのはかんがえすぎでしょうか。
観なくていいと言うのは待って欲しい
「この世は生きるに値する」がメッセージなんだと思いました。
つまらなかったと言うのはいいと思うのですが、他の人に観なくていいと言うのは待って欲しい。
この映画で救われる人はいると思います。
私もその一人です。
貴方が生まれた意味はあるんだよ、と言われることが必要な人に一人でも多く届いて欲しいです。
命のバトンリレーと血縁者の大掛かりな仕事の後継者選定、時間を超越する為のリアルと並走しているファンタジー。ジブリの今ソノモノ。
誰だってこの映画を初見だけで理解するには難しいのかもしれない、しかし当初から情報を伏せられていて正解だったのかもしれない、広告や宣伝費を払っていたらジブリは間違いなく大赤字だっただろうから。
となりのトトロや火垂るの墓の同時上映を幼稚園児頃に見た世代として、今回の君たちはどう生きるか、は主人公だけでなく、主人公の母も後妻になる母の妹も、それぞれ葛藤があるのが話を難しくしているのだと思います。所々に飛行機製造工場の父のキャノピーを見て美しいと発言したり、前作の風たちぬの匂いも感じました。しかし、アオサギを通じてこの映画は東京空襲で焼け死んだ母親と異世界で年齢を超えて巡り会う物語でもあります。大叔父と言われる人物から異世界の管理者として後継を頼まれ、それを他のインコ王に阻害され、各々の現実世界へ帰る有様は、まるでタツノコプロダクションの終焉、名前通りに皆が育って巣立ちしていった様子をスタジオジブリに重ねて見えてしまいました。
宮崎駿の映画の世界観はコクリコ坂辺りから、WW2前後に軸足を置いているように感じます。もちろんSFでもファンタジーでも面白い映画なら好きに作って欲しいと思う一方で、今回の君たちはどう生きるか、これはジブリの崩壊を見ているような気分になりました。
弟子であった、他の監督達が作るアニメーションの方が面白いと感じるのは何故なのでしょうか。
言論の自由などない時代に書かれた書籍、時代に迎合しない
とにかく、景色が美しい。若干わかり難いストーリーだとは思うが、時系列も生死も越えた世界、
古事記のような多重構造の世界。日本人にとってはそんなに難しく無いと思う。君たち…を送られ、読み終え、母からのメッセージ"どういきるか?"に宮嵜駿の幼少期がかさなる真人が応える
読みごたえがある作品、こんな映画を待っていた。
不思議な世界
ネタバレはなにもしたくなく、公開されても映画を見るまでなにも情報が入ってこないようにしていました。
好き嫌いは分かれると聞いていたが、映画だしそんなの当たり前。
ジブリが大好きだから期待はすごくしていたけど、少しだけそれを抑えて映画館に行きました。
最初が少し長いな?と思ってしまいました。
もっとアオサギとの友情を描いてもいいのでは?と思ったり、眞人の性格なのか、ジブリで感じる丁寧さが少しなかった気がする。
もっと後半の部分の詳細が知りたかったし、これは?ん?と、思うこともあり。
ただアオサギはジブリらしいキャラクターで、とても好きになりました。
また生と死の世界のようでしたが、大叔父様?はなぜヒミを主?にしなかったのか?と少しフェミニストな考えもあったり。
少し反抗的な年頃の男の子には辛い家族が変わることや、学校で馴染めないこと、嘘を親につくこと。
そんなことをしていた彼が映画を通して夏子さんを助けに行くのは少し大人になった瞬間なのかな?
ただやはり謎は多い…
みなさんのレビューをみてみたいと思います。
どの立ち位置で観るかで評価は分かれそう
主人公の母親が入院している病院が火事になり亡くなる。しかし、父親(実業家・恐らく娘婿)と疎開すると、疎開先には母親の妹が…。
しかも、妹(主人公の叔母)は既に妊娠しているという中々ハードなスタート。
確かに、細部にわたる拘りの描写は宮崎アニメだしジブリ作品だが、主人公はヒーローでもヒロインでも無く、1本筋が通った部分が無いので、ストリーが見えにくくわかりにくい感じ。
一切の事前情報が無い。と言うのはスラムダンクの手法だが、あちらはバスケのスポ根という揺るぎないモノがあるので成功しただろうが、宮崎監督の考えに追い付けないと楽しめないと思う。(私もその一人だった)
結局、最後に残ったのは木村佳乃の声だけだった…。
難しいような難しくないような
物語を理解できるか不安を感じながら観に行きましたが、そこまで難解というわけではなかったかなと…
親(先代)から受け継いだ道を選ぶのも1つ、自分で道を作るのも1つ…
色々詰め込まれていて、ハテナ感はありました。
マイナス点として100分くらいの尺に収められなかったかなと。
中盤に間延び感があり、やや退屈しました。
序盤では誰にも心を開けず母を失った寂しさを1人抱えるだけだった眞人が、最後には「現実世界で友人を作る道」を即選んだのには少し驚きました。
新しい母親を受け入れられないながらも、頑なに一緒に帰ろうとする姿から誠実さが溢れていて、彼なら良い世界を作るだろうなと感じました。
自分もとても善意だけでできた人間ではなく、悪意があって嘘もつきます。
それをちゃんと自覚し、認めながらもブレない芯を持って生きていきたいと思いました。
宮崎監督の自叙伝として拝見しました
ラピュタ、トトロ、もののけ、ポニョ。
次々と宮崎ワールドを構成する過去の作品が紹介される。そしてこの世界の創造主、宮崎さんは最上階でこの世界(ジブリ)を維持する後継者を探したが見つからない、という。
インコ王が、我こそはと申し出るが、才能がなく維持できない。
ジブリの後継者を名乗る連中は皆、思慮が足りないこんな凡人ばかり、と監督は呆れる。
監督なき後、もうジブリは維持できない。塔(ジブリ)の中で暮らしてきた多くの人達(観客含)に対して、ジブリ無き後、「君たちはどう生きるか」と問いかけると共に、「僕(宮崎監督)はこう生きた。では君たちは?」と、問うているような気がした。
関係者皆へ挨拶をする本作は、本当に最後かもしれない。
「失われたものたちの本」との比較を中心に
ジョン・コナリーの「失われたものたちの本」についてのネタバレを多く含むのでネタバレを見たくないかたはご注意を。「失われたものたちの本」を読んだので二度目の鑑賞。
「君たちはどう生きるか」と、「失われたものたちの本」の共通点はまず、主人公が母を失った少年という点。そして、母の死後比較的早い段階で父は新しい妻を迎え、その妻は身ごもるというところ。「失われた」のほうも空襲からの疎開の意図で、少年デイヴィッドは新しい母の所有する古く広い屋敷に住むことになり、そこには沈床園という庭園があり防空壕になるような暗い隙間があり、「助けて」という母の声に呼ばれるように不思議な世界に入り込んでいく。また、時には誘い時には助ける「ねじくれ男」が屋敷に侵入したとき「カササギ」に入れ替わっており、鳥も登場していることも共通点といえる。しかも「サギ」。
他にも細かい共通点、そして相違点もいろいろある。塔の中に入ってからの展開についてはかなりオリジナル色が強いのだけど、眞人の抱える辛さ、孤独、そして塔にはいる動機など、あとは大まかな世界観は近いものがあるなと思う。
面白いのは「失われた」のほうの凶悪な存在は狼ということ。そしてそのリーダーはインコ大王のごとく直立歩行し服を着て宝石で飾り立ててるリロイ。彼の振る舞いが、王国の運命を変えるという点はよく似ている。なぜ狼ではなくインコなのかというのは一つのポイントだと思っている。
大伯父は、「失われた」では新しい母ローズの父の兄で要するにローズから見て伯父にあたる。伯父のジョナサンは家に引き取られた幼い女の子と共に行方不明になるのだが、それは結局ジョナサンの悪意が巻き起こした悲劇で、ジョナサンは王として君臨し続けるという運命を負わされる。そしてジョナサンの後継者として誘われたのがデイヴィッド、彼も弟を疎ましく思い怒りや悲しみを昇華できずに苦しんでいる。こういった子供たちを誘惑する存在が、ねじくれ男であり、この位置づけや描き方が個人的に最も興味深く感じた。
「失われた」でのねじくれ男は、正真正銘の悪でしかない。しかし、アオサギは違う。敵対もし「心臓を食う」などという(これはねじくれ男のする行為)が、最終的に彼らは助け合い、友とすら感じ合う関係となる。インコもペリカンも邪悪にも描かれながら救われていく、大王すら。この勧善懲悪をこえた世界観こそが、宮崎作品の真骨頂だなと思う。誰しも悪意があり、主人公すらそれを認めるなかで、それでも失敗しても罪をおかしても、救われていく可能性があるんじゃないか。誰しもある悪意だけどそれをうまくやり過ごしたり昇華したり和解したりできるんじゃないかと感じることができる。一度目よくわからなかった夏子が塔に入っていった理由だが、「失われた」になぞらえればあれも彼女の抱える悪意(眞人のことをよく思えない的な?)から呼ばれてしまったんじゃないか。「失われた」ではデイヴィッドが弟の名前をねじくれ男(ルンペルシュティルツキン)に要求されるわけだが、夏子も身ごもった我が子と引き換えに眞人を差し出すことを求められたのかなと思う。だからこそ眞人を守りたい気持ちと差し出したい気持ちとの板挟みであんな態度だったのかなと、己の弱さや狡さと対峙させられた苦悩だったのかもしれないと感じた。
ねじくれ男は世界の真実を語る。確かにそういう面もあるしデイヴィッドはそれを身をもって知ることになる。「失われた」の帯に、宮崎駿の言葉として「僕をしあわせにしてくれた本、出会えてよかった」と書いてあるが、これに救われるとは相当の闇を抱えていたんじゃないかと思ってしまう。でも、だからこそ、悪意、妬み憤り意地悪な感情などを抱えたからって終わりではなく駄目でもなくて、それを抱えた自分とどうつきあうか、どう生きるかっていうタイトルにしたのかなと感じた。
一度目は気づかなかったけど、眞人が最後に荷造りししまう本の中に一枚の封筒が紛れていた。大事な友だちからの手紙なのかもしれないな、と思った。誰しも抱える闇と、成長のストーリー。豊かなイマジネーションの宮崎ワールドを堪能できた作品。
ワガママな少年は自分の生き方を探し続ける
友人やメディアからの情報を遮断し、事前知識は一切なしで見て参りました。
◼︎前提
これはジブリ作品というより宮崎駿作品だと感じました。子供の頃にジブリを見た大人は当時見た記憶を辿りながら、大人になってその作品を見た時に懐かしさを感じながらその作品に込められている社会に潜む闇に対してのメッセージ性に気づきます。子供の頃の思い出を作る、そして大人になってまた異なった視点で作品を懐かしんで見ることのできる、それがジブリ作品の良いところだと私は思っています。
この作品ははっきりいって子供が見ても楽しむことはできないでしょう。ジブリ作品としてではなくて宮崎駿監督の作品としてみれば、私としては満足でした。
◼︎感想
ストーリーは実は難解ではなく、1人の主人公の成長譚だと私は捉えています。宮崎駿監督が描く世界って実はメッセージが込められているようで、そのほとんどを視聴者の解釈に委ねていることも多く、今回の映画もところどころでそれが見られたように感じます。だからこそ解釈は無限大。ここからは私が感じたこの作品を語ります
主人のマヒトは突然母を失い、戦時で目まぐるしく変化する環境の中で「自分」を見つけに異世界を旅する。思えば喧嘩したあとマヒトはなぜ自分の頭に石を叩きつけたのか。なぜあれだけ周りに止められながら塔に近寄ったのか。母の死も受け入れられず、環境の変化にも順応できないわがままなマヒト。さらに言えばどう見ても当時としては恵まれた環境なわけです。ご飯だって食べられない人がいる中、「おいしくない」というぐらい。そんな彼が異世界を旅する中で、数々の不条理でそして納得できない出来事に遭うわけです。
少しずつマヒトは学ぶんです。自分が恵まれていることも。この世界には自分ではどうしようもないことも起きる。自分が憎んだ相手も実はその人なりの事情もあったのかもしれない。最後にマヒトは選択を迫られます。この異世界を司る大叔父から。私はこの大叔父を創造主だと勝手に思いました。いま、ここにある積み木(運命)を好きに積めば自分の思い通りになるかもしれない。それをマヒトは最終的に拒否します。それはこの不条理を受け入れ、前に進むことを決心したからです。大叔父は決してマヒトに自分の跡を継がせたいと思ってこの世界に呼んだのではない。自分が取り憑かれた、自分らしい生き方を忘れた自分を見せ、マヒトはどう思うか、それを試したかった
そう彼がマヒトに問いたかったことは
「君はどう生きるか」
マヒトは最終的に大人になったかというと私は全くそうは思っていない
まだ道半ばそれでも彼はこの不条理な世界で自分の生き方を探し続ける
タイトルなし(ネタバレ)
テーマは今までの生きろ+自立、そして自分で考える、なのかな。
親子関係って難しい。同じ世界にいても世代が違えば住む世界が違うともとれた
現実世界と眞人の心の中の世界を描いているようにも見えた
あとは全力で学べ情熱をもて
宮崎駿監督の君たちはどう生きるか
千と千尋の単体巨大化何でもあげるカオナシが皿を持って待つだけの複製人間みたいな対比も楽しかったし、大叔父さまはナウシカの大ババ様と目が乙事主だったり、ヒミさま、青サギ、ばあやなどキャラはオリジナルっぽいが1キャラ1キャラがどこか今までのジブリのキャラに重なるところがあり見ていてとても楽しかった。
肉やジャムの食べ物のシズル感をみてはやっぱりジブリだなとも感じた
濃すぎるオマージュ大盛で大満足。
アオサギ、インコ、13の積木、この世界は悪意から生まれた、など社会や人々の比喩だとは思うが解釈しきれない部分も多々あった。我ヲ學ブ者ハ死スの意味もわからなかった、、、
もう限界、最後の世界崩壊は宮崎ワールドの終焉にも見え涙した
やっぱり監督の作品は最後なのかなと思うと感慨深い
集大成的な作品ではあったけど、たぶん新しい描写はあまりなかったように感じた
ここにはもう何もない、これからはあなた自身が創造しなさい、そんなメッセージにも見えた
パンフもすぐ出さないってことは、自分で考えなさいってことなのかな?とか勝手に想像した
何もPV流さないっていうのも今のPVまみれの映画風潮へ一石を感じた
なにも情報がない状態で見る映画がこんなに始まる前からワクワクする気持ちだったのを思い出させてくれた。今までのジブリに対する信頼度からきてるのもあるがそれを差し引いても最高だ
やっぱり映画はフライヤー1枚ぐらいの情報量、活字のあらすじだけくらいで丁度いいのかもしれない
監督の名字が変わっているということは再スタートともとれるのか
あといつものおわりの文字がなかった?ような。
とりあえずざっくりとした感想だけ
本当に本当にありがとう。
後から円盤買ってじっくり見直したんだが、やはりジブリ背景は密度が圧倒的。
映画館で2回見たけど全然追いきれてないしとわかる
もう一度書く
消されたのでもう一度書く。
母親の死を受け入れられず、母そっくりの伯母を後妻にもった気持ちの悪い父親に反感抱き、良き母にならんと努力する義理母とも仲良くいかずふさぎ込んでいた少年が、常識が通じない異世界にいき、運命を抗ってもだめ、流れに身を任せろと、典型的なイエスマンに少年が洗脳されていくという薄い話を大げさな映像でそれなりの作品に認めたものである。
なんかいろんな考察してる人がいて、映画を見たうえで感想をよんだけど、全部ムダと思えた。
これの原作はそういうようなことをいいたかったのではないんだけどな。
原作の破壊神だな。宮崎監督は。
物語の中に真理があった
不思議な力のこもった石がある日落ちてきたとして、曾祖父がそれを見つけて力を封じ込めたとして、不思議が起こったとして、それが主人公の日常ならば。宮崎駿さんの夢を事細かく説明したかのような作品でした。132号室は、この物語の世界の課題のナンバーです。右から読んで、ふさい。夫妻と負債。新しい妻は妹。田舎のお屋敷。世話してくれるたくさんのお婆さんたち。眞人ならどんな世界を作れるか。どう生きるか。ちなみに眞人はこの国を日本と定めた天武天皇が制定した八色の姓の最高位。
魂が揺さぶられた
衝撃、圧倒、感動。
宮崎駿監督、よくこれだけのものを創って下さったなと拍手喝采な映画でした。
鑑賞後、私は良い意味でこの映画を3日引きずってしまった。
「私は今とてもいいものを観た」
「とても価値あるものを観た」
「この映画に出会えて本当に嬉しい」
という想いが止まりませんでした。
容易なストーリーでは無いので、人に寄っては絶対賛否両論分かれますよね…!
あの内容ですもん!それは大納得!
そこがまたいい!
もうあれは好きと感じた人が心の中でずっと大切に思ってくれていればそれでいいと思いました!
世界で騒がれたり大絶賛されていなくても、私はあの映画のDVDを手に入れ繰り返し鑑賞し、何度でもあの気持ちを味わいたい。
前情報全く無しの状態で鑑賞しましたが、とても好きな世界観とストーリーだと感じた。
絵は言わずもがな大変に美しく、観る人を惹きつける。さすがジブリとしか言いようが無いクオリティー。
開始3分でドキドキが止まらず、映画の中に吸い込まれていくような感覚だった。
よそ見することは許されず、瞬きするのも惜しい。
内容を理解できるとか理解できないとか、意味がわかるわからないとか、そんなことは全く気にせず食い入るように観た。もはや傍観してたような感じ。
何がどうなっていくのか、知りたくて堪らない気持ち。
細部に散りばめられた伏線のようなものも、自分は疎いのでハッキリ分からないけれど、摩訶不思議な世界が私には何故か心地よかった。
夢の中にいるような感覚に近いのかもしれない。
主人公、行動力のあって勇敢な男の子だったので安心して見ていられたし、サクサク場面が展開していくのも良かった。
ラストのアオサギとの関係性がとても好き。
ぐっと来てしまった。
それぞれの心の移ろいや、心と心の繋がり方が大変素敵だった。
あの世界のことがもっと知りたいという気持ちと、断片だけしか知らなくてもいいという気持ちが両方ある。
世界は入り組んでいて、
一筋縄ではいかなくて、
良いことも悪いこともふいに起こる。
他人の心はもちらん、自分の心さえももうまくコントロール出来ないけど、
自分は今生きていて、明日も生きていく。
そのことを確認できた映画だった。
魂で良いと感じた素晴らしい映画でした。
宮崎監督にしか創れなかった映画だと思いました。
やりたい放題やってくださった監督に乾杯。
宮崎駿監督、ありがとうございました!
さすが背景が美しい
ジブリ作品は好きでも嫌いでもないが、人にすすめられて鑑賞。ジブリ作品はできるだけ大きなスクリーンで観たいと思って、映画館に足を運んで正解だった。
映像がとても美しかった。
田舎に着いた時の自然の緑、目に心地よいというか、気持ちよかった。和風なインテリアも、洋館のインテリアも、どちらもとても素敵。大きなスクリーンじゃなきゃ、細かいところまで見えないよね!異世界の風景も良かった。
ストーリーは、青春期の少年の心の葛藤を描いているのか、解釈は人それぞれにゆだねられている。エヴァンゲリオン観た時も、同じような感想になったな。
おばあちゃんたちが7人で、まるで白雪姫の小人たちみたいでホッコリ。小さな木の人形が出てきた時には笑った。
いろんな生き物が、うようよと出てくるところは少しだけ気持ち悪かったけど、おもしろかった。鯉と蛙のところ、ひぃーってなった。そもそも鳥が苦手なので、青鷺、ペリカン、インコと、なんで鳥ばかり…と思ったり。インコはカワイイキャラクターになってたからまだ良かったけど。しかし、可愛い外見と怖い行動のギャップ!
あと、主人公もほかのキャラクターも、お辞儀をするところが何度も出てきて、そこが好きだった。お辞儀って、日本文化の良いところだと思う。日本文化の様式美が好き。
前情報ゼロで観たので、声優さんたちのこと知らなかったから、後で調べて、えー!わからなかった!ってなった。ジブリの映画では皆さんジブリの話し方になってる、良い意味で。
菅田将暉さん、青鷺だったとは!
音楽のピアノも心地良し。ジブリ音楽好き。
そして、最後の米津玄師さんの曲がとても良い!
何か深いテーマがあるのだろうけど、そこまではよく理解できず…。しかし、好きな感じだった。パンフ買い忘れて残念。もう少し情報欲しかったのに。
迫力重視にしてしまった点
冒頭で、主人公の眞人がお母さんを亡くし、代わりに妊娠している妹の夏子に引き取られるということから、その生まれた子と眞人が本当の兄弟ではないなかでどうやって生きていくのか、という流れだと予想していました。
例えば生まれた子が眞人の妹で、喧嘩した眞人がケガをしながらも妹のお世話をしていると、母親を亡くしたトラウマから心を開いて学校に行くようになり、本当の家族のようになったとします。
しかし眞人が学校を卒業して東京へ行き、しばらく働いていると高校生になった妹が彼氏と結婚の約束をしてしまいます。眞人は母親を亡くしたというトラウマを強く持っているので、それを認めません。すぐにやめさせようと妹と彼氏の恋愛を邪魔をしてしまいます。そこで喧嘩になり、本当の兄弟じゃないという本音をぶつけ合い、あまりの怒りに二度と帰って来ないと出ていく眞人。そこから本編に登場してきた通りの流れにすると、さらにストーリー的に面白くなったのでは。
夏子さんがそこで眞人を探しに行き、おじいさんの元へたどり着くという流れにすると。帰ったあとには妹と仲直りして、結婚させようと決断。
本編の終盤でも出てきましたが、積み木というキーワードは決断するという意味だと私のなかで感じたので、母親を亡くしたトラウマを克服し、妹の結婚を認めるという決断をする。そうするとより印象深くなっていたと見ていて思いました。
今までのジブリ作品のなかでも特に迫力があり、他の作品には真似できないような作画をされていたのですが、ストーリー性の乏しさにもったいないなと感じてしまいました。主人公の抱えているトラウマをもう少し感じさせてほしかったです。
以上、長くなってしまいました。私の感想です。
解釈に迷う
冒頭の火事のシーンは熱気や舐めるような炎の描写が凄かった。空襲なのかと勘違いした。
ファンタジーの入り口は扉だというイメージがあったが、本作では現実世界へ戻るための扉だった。
ハウルでは1つの扉に複数の世界だったけど、今回は無限回廊だった。そこで様々な時代や場所と繋いでいた。ジブリらしい世界だった。
ワクワクするところも、モヤッとして考えさせられるところもたくさんあった。
これまでのジブリ作品に登場した、様々なものがオマージュされていた。
ただ、一回観ただけではなんともわからない。自分の中で、この映画はこれを伝えたいのだろうという納得感を得るためにはもう1回観ないとダメかもしれない。タイトルの意味もちゃんとあるはずだ。
君たちはどう生きるか
この映画を初見で理解できる人は、ほとんどいないと思います。
全体がどの様になっているのか把握することは、無理です。
ここからは、僕の解釈です。
初見は、わけのわからないファンタジー映画でした。
でも、宮崎監督が何でこれを最後にしたのか?
一体全体何を作りたかったのか?見終わった後しばらく考えました。
何で見覚えのあるシーンが多かったのか?
よくよく考えてみると、この手法は、
一話完結でない一話完結!の作り方を採用しています。
あれ?もしかして、わざとシーンを過去の作品にシンクロさせてた?
って考え、積み木が何で真っ二つになって、混沌の渦に飲まれるの?
真っ二つにする意味あるの?って考えた時、全てが繋がりました。
この映画を公開すると、ジブリの評価が真っ二つに割れるのを見越して
あのシーンを入れたんだ、今起きているこの状況を暗示していたんだ!
って、この映画を理解し、2回目を観に行ったら、
完全なるパロディー映画でした。シンクロシンクロシンクロ!
笑いこらえるのが大変でした。カリオストロの城が一番シンクロ映像が
多かったかな。笑いが止まらない、爆笑映画になっていました。
この映画に意味は、無いと思います。
あるのは、宮崎監督の挑戦を強く感じました。
これから創作活動に関わる若い人達へ向けた宮﨑駿のささやかな、しかし熱烈な思いを感じ、涙涙
宮﨑駿監督(本作より宮崎が宮﨑に変わった様)による2023年製作(124分、G)の日本映画。配給:東宝。
前評判は今ひとつと聞いていたが、大きく感動し、年はとったものの宮﨑駿のイマジネーションって凄いと改めて思った。そして、今までの宮崎アニメにあまりなかった渾身のメッセージに涙が溢れてきた。凄い映画だ。
出だしの母親が火災で亡くなる臨場感は、お見事である。階段を駆け上がる主人公牧眞人のスピード感と走って向かっていった先の燃え盛る炎拡大の凄まじさ、そしてアッサリとすぐ次のエピソードに進むテンポの良さに感心。
そして、眞人疎開先の日本家屋の造形や内装の美しさ、取り囲む自然の緑や光そして水の豊かさに圧倒された。細かい細部まで、今まで以上に美しく描き込まれており、美術監督武重洋ニら宮崎アニメの美を支えて来た方々に大いなる敬意を覚えた。
学校でいじめられ、自分で頭を石で叩き出血する主人公。その理由は自分には良く分からなかったが、悪意の象徴と本人は言っていた。父の行動を予測しいじめた奴らへの復讐を意図したものなのだろうか、母亡き後すぐに結婚し学校に息子をダットサンで送りつける父の行動への怒りが自分に向かったものなのか、それとも、家でも学校でも孤独で楽しくないイライラからの暴発的自虐行為なのか?
謎の怪しい存在である青サギを射ろうと弓矢を作る眞人。最初、全く上手く飛ばなかったが、青サギの羽を付けることによって、目の覚めるような速さと重量感で矢は放たれる。この予想の遥か上を行くスピード感の凄さが、宮崎映画の大きな特長で、それが相変わらず健在と感嘆させられた。
母の手書き文章が書き込まれた「君たちはどう生きるか」を読みながら、涙を流す眞人。その涙の水々しい表現がどのアニメと比べても、宮崎駿アニメは1番上手と思う。そして、少年の成長のための冒険の始まりの導入としても、とても上手い本の利用とも思った。
大叔父の建てた洋館(恐ろしい数の書籍があふれる内部造形も凄い)に入った眞人と青サギ転じたサギ男(声は菅田将暉)は、老婆キリコと共に泥土の中へ沈んで行き、下の世界へ行く。この時、落ちていく真下が波が打ち寄せる海岸であるという映像に、息を呑んだ。何という素晴らしいイマジネーション。何より絵になるじゃないかと。宮﨑駿創作のイメージ凄いと思ったが、構図的にはエヴァンゲリオンの絵に関わってきた作画監督本田雄によるものかもしれない。降りたった場所が浅瀬で、そこでの足もとでの海水の揺らぎが何とも美しかった。
ここで出合う若かれし時代のキリコ(声は柴咲コウ)。その意思の強い頼りになる強い女性像が、宮崎アニメの常連キャラクター(ナウシカのクシャナ、ラピタのドーラ、もののけ姫のエボシ御前、千と千尋のリン、等)を思い出し、何とも懐かしく感じた。そして今回も、大魚解体の鮮やかな包丁捌きなど、とても魅力的であった。
魚解体時に集まった多くのワラワラ。その造形が何ともユニークで可愛いが、お腹が膨れて丸くなり、1匹、2匹と空に飛んでいく。それが数えられない程の数になり大空を覆う様になる。その美しい映像に、そのイマジネーションの見事さに、もの凄く感動してしまった。
しかし、そこにペリカンが現れて、かなり多くが食べられてしまう。ワラワラが空を飛べるのは本当に久しぶりとか言われており、どうしても自分は、多くの若いアニメーターの方々をイメージしてしまった。日頃の収入は乏しく、大きな仕事が入っても今度はハードすぎる仕事で心身を痛めてしまう存在を。ワラワラを食うしかなかったと言って死ぬ老ペリカンは、多くの若いアニメーターをすり潰してしまったという宮﨑監督自身の懺悔の様に聞こえた。
更にこの下世界で新たに出会う火を自在に扱う少女がヒミ(声はあいみょん)で、実は火災により亡くなった母久子の少女時代の姿らしい。この時空を超えた設定がなかなか魅力的で、彼女の力も借りて、母の妹でもある義母夏子と再会する。鬼の様な形相で「あなたなんか、大っ嫌い」とまで言われてしまうが、この世界で揉まれてきたことでか、ずっと懐かず夏子さんと読んでいたのに、ここで夏子母さんと呼べ、夏子の実姉息子の義母としての苦しみを救うことが出来た。
そう、この物語は少年の成長の物語。そして、この少年は多分創作を目指す多くの若者であり、宮﨑駿自身の経験の反映が色濃く出ている。青サギは、その道の先導役であり先輩で弓矢作りの様に創作を刺激する存在。そして、一緒に活動してくれる大切な友でもある。まあ鼻の特徴から宮崎にとっては高畑勲のイメージで(2018年に亡くなった彼への宮崎なりの感謝の表明と感じた)、未来の創作者にとっては互いに刺激し合える大切な仲間なのであろう(高畑葬儀で、宮崎は5年上の彼との出会いは、雨上がりのバス停と言っていた。サツキのトトロとの出会いは実は高畑との出会いだった)。
主人公が下世界で出会うのが大伯父(声は火野正平)。彼は、13個の積み石を積み上げることで、世界のバランスを何とか保っていると言っている(On your mark含め本作で宮崎監督映画は13)ので、勿論宮崎駿の自画像なのだろう。空に浮かぶ巨石(宮崎が愛した多くの欧州の物語達の象徴か?)に導かれ、汚れた上の現実の世界と接点を持たずに創り挙げて来たこの世界(やはりジブリのことを言ってると思える)を、血の繋がった人間に継承したいと言う。新生宮﨑駿によるかつての自分(宮崎駿)の創作姿勢や組織運営に対する痛烈な自己批判と自分は感じ、感動を覚えた。
未来の創作者である主人公牧眞人は、大伯父の継承依頼を断る。汚れて破壊に向かってるかもしれないが上の現実社会で、この世界で得られた青サギやヒミの様な友人と共に、歩んで行きたいと。積み石は、不安定な状況を嫌った権力者インコ大王により破壊され、それにより下世界は大崩壊に至る。インコ大王は創作者の想いや志しを十分に汲み取れないプロデューサーやスポンサーを象徴している様に思える(下世界をジブリと見れば、鈴木敏夫や協賛企業お偉方の姿なのだろうか?)。
自分はこの大崩壊の凄まじい映像表現に、崩れる世界のある種の美しさに圧倒されてしまった。幸いに、眞人・夏子及び青サギ、そして戻る世界は別だがヒミ、そして多勢のインコ達(ジブリで働いていた多くの人間がイメージされる)は、この世界を何とか脱出する。
眞人のポケットの中には、キリコの木製人形と下世界で得た悪意を有する石を携えて。石携帯は大叔父の創造する意思(いし)の継承の表れか。過去の自分のあり方は否定したが、新たな現実社会に立脚した誰かの物真似では無い、人間の善意と悪意の両面を描いた集団創造への宮﨑駿の期待の大きさを感じた。
元の世界で戻った主人公は、新たに生まれた弟も伴い東京に向かう。書籍「君たちはどう生きるか」の携帯は勿論だが、ポケットの中には青サギには忘れてしまうと言われてもいたが、持ち帰った“石”が入っている様に思えた。自分の創作活動のかけらが僅かでもどこかで役立てば嬉しいという、ジブリを飛び出したアニメーター達に、ひいてはこれから創作活動に関わる若い人達への宮﨑駿のささやかなしかし熱烈な思いを、聴き取った気がした。
監督宮﨑駿、原作宮﨑駿、脚本宮﨑駿、プロデューサー鈴木敏夫、作画監督本田雄、美術監督武重洋二、色彩設計沼畑富美子、 高柳加奈子、撮影監督奥井敦、撮影藪田順二、編集瀬山武司 、松原理恵 、白石あかね、音楽久石譲、主題歌米津玄師、音響演出笠松広司、整音笠松広司、アフレコ演出木村絵理子、助監督片山一良、制作スタジオジブリ星野康二 、宮崎吾朗 、中島清文。
出演
山時聡真眞人、菅田将暉青サギ/サギ男、柴咲コウキリコ、あいみょんヒミ、木村佳乃夏子、木村拓哉勝一、竹下景子いずみ、風吹ジュンうたこ、阿川佐和子えりこ、滝沢カレンワラワラ、大竹しのぶあいこ、國村隼インコ大王、小林薫老ペリカン、火野正平大伯父、上原奈美、西村喜代子、綿貫竜之介、柳生拓哉、画大、飯塚三の介、川崎勇人、鈴木一希、土居正明、重田未来人、井下宜久、岡森建太。
陳腐
題名を誤解して見てしまった人、私もそうだが多かったのでは。
まず、父親がひどいね。病気の妻の妹に妊娠させていたなんて。
少年も、悪童と取っ組み合いができるのだから、自傷するのはあまりにも唐突。
異次元の世界で、若いころの親に出会うのは、映画クレしんで使い古されている。
年寄りをやたら中心に置くのも辟易。
男系男子絶対の超保守思想もうかがえる。
いつもの飛翔感もなく、大画面の迫力は冒頭の火事のみ。
しかしジブリは商売がうまいね。
下手に試写会などすると不評にさらされ、こんな大入りにならなかったかも。
割引デーでもない平日昼に、シネコン内最大スクリーンで6割の入りだった。
でも信用を失ったね。
この作品はあまり外(国)に出さないほうがいい。
日本アニメ映画の斜陽と言われることがないよう祈る。
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