君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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好きではない映画です
宣伝広告一切なし、観たければ劇場へ。
そういわれると気になってしょうがない好奇心の塊な私はたまらず劇場へ行きました。
率直な感想は…何となく伝えたいメッセージは分かったけど面白くない、です。
作画や美術背景はさすがジブリだなと思いました。
冒頭の火事の場面。炎の演出はとても迫力があり見入りました。あの炎を描けるのはジブリだけだと思います。
そして人物、動物の動き。階段を駆け上がる足の動きや走る動き、アオサギが向かってくる瞬間や大量のペリカンやカエル、インコに襲われる場面が卓越した表現力で描かれており、見応えがありました。
田舎の風景や異世界の景色など世界観を彩る背景も美しく、まさにそこに自分がいるかのような空気すら感じられるくらい引き込まれました。
ただストーリーに関しては…破綻寸前です。
これを完全に理解できた方はいらっしゃらないかと思われます。「意味不明」「何一つ分からなかった」とまではいいませんが、ない知恵を絞って考えながら観賞すると片頭痛に悩まされることになるくらいには難しかったです。
ざっくりいうと異世界に取り込まれた義理の母親を助けに行く少年の冒険活劇(???)という単純なストーリーです。
それなのに何故そこに存在するか分からない要素や出来事がありすぎて、これは『考えるな、感じろ』系の作品なんだと諦めざるを得なくなり、結局よく分からなかった…になるのです。
考察は非常に苦手なのですがそれらしい人物を当てはめると…
大叔父=宮崎駿監督、真人=後継者候補(息子?庵野監督?私たち?)、インコ=SNSに蔓延る口先だけの匿名人、アオサギ=…誰??鈴木敏夫P?
なのかなと思いました。
そして伝えたいメッセージというのは、物語の終盤に出てくる台詞が全てかなと。
「異世界(=ジブリスタジオ?)を保つために後継者になってほしい」「積み木を積んでも積まなくても君の思うままに生きなさい」そして表題の『君たちはどう生きるか』に繋がるのではないでしょうか。
宮崎駿監督の人生を描いているのでしょう、13作品のオマージュもどこかに描かれているのでしょう。でもそんなこと映画内では説明してくれません。
鑑賞して自分なりの答えを見つけなければいけません、たとえ解答したとしても誰も正解は教えてくれません。(後日パンフレットで明かされるかもしれませんが)
答えのない問いに夢中になれる方であれば、今作をおおいに楽しめるでしょうし、何度でも解るまで通いたくなるかと思います。
要は考察が好きな方向けです。
私が好きではないと思う理由はまさにこれです。
つまり【映画は観たものが全て】というスタンスが好きだからです。『2時間』という限られた時間の中で起承転結揃っており、着地も綺麗かつ内容もスッと理解できる作品の方が好みです。
考察しようと思えば考察できる要素もほんのりいれておくけど今回のストーリーの評価を左右するほどのものではない、というくらいが丁度いいと思っています。
一回見てある程度すら理解が出来ない、全て観客の考察任せな作品は映画としてどうなのかと疑問に思っているわたしにとってはまさに今作は賛否でいえば否です。
でもこれは映画をみた一観客の戯言です。
今作はあくまでアートムービー的な立ち位置にある作品なので、観る人の数だけ感想も千差万別であり賛否両論あって当然のものだと思います。なので一個人の意見を鵜呑みにせず、気になるのであれば自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
インコたちが評価を掻き乱してしまう前に出来るだけ早めに劇場へ足を運ぶことをお勧めします。
ありがとう宮崎駿!ジブリファン以外は観に行かない方がいい!
前半部分は何が何やらという感じでしたが、中盤後半にかけてはジブリファンならすぐに彷彿するであろう名シーンの数々、宮崎駿監督の最後のコメントともとれるセリフには一ファンとして感動しました。
個人的にはこの映画は『脚本』というより『演出』が良かった作品だと思います。なので内容重視やジブリに興味のない人が見に行っても絶対楽しめないと思います。
観に行く時間帯についても学生のいないレイトショーがオスメメです。(笑)
深く、難しく、メッセージ性溢れる “宮崎駿作品”
監督の作品史上 最後にして最も難しいと思う内容の今作は、一度で全てを理解するのは厳しい事でしょう。
ただし見る度に確実に新しい発見がありそうな奥深さのある映画で、魅力的なキャラも登場する紛れもない “宮崎駿作品” でした。
登場人物たちがこの後どうやって生きていくのか。
この作品を作った人たち全てが、この作品を見る人たち全てがこの先どう考え生きていくのか。
ラストの展開が表す本当の意味とは。
宮崎駿監督から難しくも壮大な問いかけとメッセージを頂いたような気がします。
予告も宣伝も無し、タイトルと一枚のイラスト以外全く情報を出さないという事が、見る側の先入観を持たせず純粋に作品を見て何を思うか考えさせる手法なのだと。
私としては自身の映画監督としての姿を、またスタジオジブリとしてのアニメーションの姿を世界観として変えて、まるで作品に重ねているように感じました。
何はともあれ映画館という最高の環境で、巨大スクリーンでまたこうして宮崎駿デザインのキャラクターたちを見れた喜びは何事にも変えられません。
早く皆で堂々とこの内容について語りまくれる日が来てほしいと思いますね。
良かったです。
不親切なジブリ、最高だった!
きっと面白かったのだと思う
観賞したのは公開初日翌日の土曜。小学校低学年の子供を連れていったので、子供も観られるのかが気になったのだが、当時の口コミではまだ検索してもヒットしなかった。
大人はジブリで育った世代も多いと思うが、今の子供たちはトトロくらいしか観ていないのでは?と思う。うちの子供も(分かりやすく面白く作られている)ディズニー作品は繰り返し観ているが、ジブリに対する食いつきが悪く、親と比べて宮崎駿新作に対する熱量が違いすぎる。
今回の作品は、話がごちゃごちゃして、暗喩的なメッセージがよく分からなかったが、アニメーションの静と動の表現に感動した。
冒頭の階段を下りるシーンだけで躍動感に溢れていて驚かされる。その後は、動きの少ないシーンが続き、時々漂う不穏な感じに、子供が楽しく観られているか心配だったのだけれど、その後の塔の世界に行ってからの不思議な物語を楽しんでいたようだ。
子供に観賞後どこが面白かったのか聴いたら、さぎに栓をするくだりのさぎのリアクションだったそうだ。物語がよく分からなかったとは言ってなかったので、子供は大人と違って色々考えないで、素直に面白かったようである。
ジブリパフェ
ジブリであれば何でもよいというほどのファンではありませんが、宮崎駿監督作ということで、ともかく劇場に向かいました。
今の世の中、事前情報がゼロというのは不利なんじゃないかなぁと心配でしたが、公開2週目で、150名規模のシアターは平日でもほぼ満員でした。
内容は、ファンがジブリに期待する要素を列挙してからもれなく詰め込んだような、まるでアイスの下から「あっ白玉だ!」「抹茶ゼリーも!」と楽しく発見して食べ進められるパフェのような感じです。
正直、理屈の通った物語を求める心はまったく満足しませんが、とにかく画がきれいで目が楽しい。時代背景や暗い部分があっても、面白い部分をアピールして宣伝すれば、もっと多くの人が観に行くのではと思いました。
あまり共感できる登場人物はいませんでしたが、現実的でたくましそうなお父さんのエピソードはもっと見たかったです。
シェフ・ミヤザキの問題作
ジブリは国民食だ。
例えるならラーメン。毎年金曜ロードショーで繰り返される『天空の城ラピュタ』や『風の谷のナウシカ』はなじみの中華料理屋の一杯。渦巻き模様のどんぶりで、メンマ、ナルトが乗ってるような。
設定もりもりの『千と千尋の神隠し』は背脂たっぷり二郎系ラーメン、結核妻の横での喫煙シーンで物議をかもしつつも昭和男のナルシズムを描き切った『風立ちぬ』は激辛蒙古タンメン中本といったところだろうか。
今回は一体どんなラーメンを食べさせてくれるのか......
巨匠宮崎駿......
のれんをくぐって出食わしたのは、創作フレンチのような傑物。
一つ一つの素材は美味しい味がするが、一向に食べ方がわからない。全体としてこれは何という料理だったのか、名前もわからない。シェフのネームバリューがあるので、まずいとは言い出せない。食べ方がよくわからなかったが美味しかった気がする、なんて無難な感想を持ちながら劇場を後にする。
また別の例えをするなら、事前情報なしに初めて蟹を食べようとしたときのような。細かくとれたほぐし身はおいしいが、全体としてどう食べればいいのか正解がわからない、的な。
料理の仕方か、
食べ方の説明があれば、
もっといい映画になったんじゃないかなあ、という作品。
なんとなく惜しさがあるような。
とりあえず、ごちそうさまでした。
でもごめんなさい、星は2つぐらいです。
監督からの挑戦状、評価され試されてるのは私たち
今日鑑賞してきたので感想を書きたいのだけど、正直この作品の感想を書くのはめちゃくちゃ難しいなと感じています。
何故ならこの映画は今までにないジャンルのもので、絵本の見た目をした、自伝であり、エッセイであり、遺書であり、告訴状でもあり、挑戦状でもあるという特殊な物だと思うからです。
特に挑戦状としての意味合いが強く、この強いテーマが先にある分、ストーリー性や娯楽性という物は薄味になっている気もするし、監督の精神世界に入り込む様な展開のストーリーなので、どうしても不安定で混沌とした描写が続いたりもします。
でも、彼が今何に悩み、何を思い、何の為にどうして引退するのか、誰に何を伝えて残したかったのか、それを知る事ができる作品である事は確かなので、ファンの私としては見る事ができてよかったと感じています。
特に異世界のお墓の門に書かれていた「ワレヲ學ブ者ハ死ス」という言葉にはハッとさせられました。意味を知らない人は是非検索して見てほしい。どんな後継者を望んでいたのか分かります。
こういうたくさんの謎かけと隠されたメッセージが随所にあるので、宣伝無しにしたことも含め、「今回の作品は分かろうとしない人には伝わらなくて良い、分かろうとする本物のファンだけに伝えよう」という頑固な部分があらわれていて、駿さんらしいなと思います。
ちなみに、私は駿さんと鈴木プロデューサーとの友情の成り立ちが知りたくてこの映画を見に行った所があったのだけど、その部分に関しては割と詳しく描かれていてよく理解出来ました。
大嫌いでウマも会わないし、憎んでさえいるのに、一番自分の事を理解してくれていて、一番長く一緒にいて、一番辛い時に助け合った仲間を手放せない、そんな気持は私も経験があるのでよく分かります。
劇中ではアオサギという役で出てくる彼ですが、とてもズル賢く、まるで主人公の半身のように真逆の特性を持ち、主人公の苦手な事をこなしてくれる様な存在です。
他にもスタッフやファンや息子さんやジブリの他の監督等も動物に姿を変えて出てきています。
その辺を誰なのかと予想しながら見ていくのも大変楽しい作業でした。
何故解らない事を楽しまないのか
眞人が自己と向き合い成長していく、過程を緻密に描いた神がかり的な内容と私は捉えた。
ユングの集合的無意識に象徴されるようなキャラクターに挑み、協力し、乗り越えていく。
それが芸術作品のような書き込みの背景美術にくわえて、圧巻の生命体や自然物の有機的な動きで生理的感覚に訴えてくる。石ですら生きている。
ミレーやマグリットといった絵画のオマージュや、監督の今までの作品なども次々と出てきて、目を離す隙がない。
どれだけ膨大な時間を使って仕上げているのだろうと思っていたら、エンドロールに名だたるアニメーターやアニメスタジオが作画協力などで並んでいて鳥肌がたった。
これは…と思い2度目はIMAXで観た。
アニメーションの語源anima(魂)を感じた。
本当に現代に届けて下さった事に感謝したい。
見る側に考える余地を持たせたゴリゴリなファンタジー
難解が故に、見た後も色々と考える事があって味わい深い。
ジブリきってのファンタジー作品であり、作画も含めジブリの今後に期待せざるを得ない出来であった。
後何回か見てみたいと思わされた。
今までの宮崎作品と違ったのは比較的分かりやすいキャラ立ち(表裏がない)であろう。
こいつは悪いキャラ、こいつはただ可愛いだけ、良き母、この子は正義感の塊のように単純明快だった。
だから、あの可愛いまんまるもどこかでグロテスクな面があるのでは?とドキドキしていたのだが、そんな事は無く。ただただ、可愛いだけであった。
人によってはムスカのように実は裏がありました!と言う展開の方が好きかも知れないが、今回の単純なキャラ設定は物語の難解さを緩和する良い材料になっていると思っている。
ストーリーには触れないが、そこはかとなくブレイブストリー風のジブリ作品と言うのが人に伝えやすい表現かなと思っている。
あそこまで明確なストーリーでは無いがあくまで雰囲気はまぁあんな感じかなと。
個人的には例えばアンパンマンの様に明快な作品が良いとは思っておらず、あれやこれやと考察したり、自分なりに深淵を探ったり、背景を妄想したりできる作品が好みであるので今回の作品はとても"楽しめている"。
映画にとっての"分かりやすさ"は一つの要素であれど全てでは無い。
見る側に何か想像の余地を残したり、考えさせたりする事も手法の一つである。
よって、"分かりにくい"から駄作だと言うのは流石に無理がある主張だと思っている。
極論、ピカソの絵は"分かりにくい"から駄作であると言うのと一緒で、少なからず見る側の器も試されていると思う。
ラストのほう途中で寝ました
わがままで、さいこう!
またハヤオ監督が撮ってくれて嬉しいです。
監督が自分たらしめるものをそのまま描くことにこだわり、覚悟のようなものを感じました。
君たちはどう生きるかは中学生の時は少年に、大人になってからはおじさんに、親になってからはお母さんにシンパシーを感じながら読んてきました。
往年の名著君たちはどう生きるかのタイトルにとらわれていたのは映画の始まりから数分で、それからは監督に考えるな、目の前のスクリーンを観ていろと言われているような展開とすごい、凄まじい画から目が離せなかった。
観ている間、何だこれ、もしかしてすごいものをみせられているのか、すごいすごいと心のなかで大はしゃぎしてしまいました。
とにかく作りて側が、観る側をあまりかんがえていない、とにかく監督が作りたいものを真摯に作ったのだと伝わってきた。こんなにわがままな映画をつくれる宮崎駿監督は凄いし、撮らせたスタジオジブリも懐が広い、そこに感謝。
とかくいろいろ言われがちなジブリ作品だと思うけれど、わたしは最高に面白かった!凄かった!良かった!また観る!たぶんなんども。
画面を見よ、まず絵を見よ
これはもう「画面を見よ、まず絵を見よ」な映画。物語の意味さがしに類することはいろいろ行われるだろうけど、あの老婆たちに『白雪姫』の「七人のコビト」が影を落としているのがあまりにも明らかなように、たぶん出典を見つけてゆくのはむしろ容易すぎるくらい。しかも過去の宮崎作品の記号がくりかえし利用されているのは、誰の目にも歴然。つまりそれらはこの映画では別に「暗号」でもなんでもなく、読み解くことを期待されていない。
そういうふうに絵が物語を伝達する器にすぎないものと理解することから離れて、まっすぐ画面に向き合うことができれば、これほど豊かなテクスチュアを持っているアニメーション作品も、そうはない。
水、風、木の匂い、泥と石の手触り、カエルの粘膜、血の味、火花の痛み、弓の弦の音、等々…。これはそういうものを「絵」だけで作り出して動かしていることのすごさに驚くべき映画ですね。
確かに宮崎駿の原液、そして意味深長
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