「監督からの愛に溢れたバトンと解釈しました」君たちはどう生きるか オレンジさんの映画レビュー(感想・評価)
監督からの愛に溢れたバトンと解釈しました
退屈なシーンなど、どこにもなかったです。
シンプルに感動しました。
宮崎 駿監督の人生最後に伝えたい思いみたいなものがじわじわと伝わってきて、
途中から涙してしまいました。
私は過去に何度も流産を経験し、その後大変な思いで出産もしました。
ここ数年で両親を病気で失い、死を身近に感じたこともあり、
監督が訴えている 命の尊さ が痛いほど胸に突き刺さりました。
監督のような素晴らしい人でも大叔父のように年老いて、
いつかはこの世を去らねばならない悲しい現実。
それが生きるということ。
また人間はその尊い他の命をいただかなければ生きてはいけない事も
魚を捌いたり、また時には鳥にさばかれそうになったり、というシーンの対比で表現されています。
大切なのは感謝の気持ちと、いただいた「命」の連鎖として、与えられた「命」を大切にすること。
そしてタイトル通り、その尊い命で君たちはどう生きるのか、というのが一番のテーマではないでしょうか。
主人公は最後に「与えられた無垢の石で新しい世界を築く」という用意された道を拒否し
「元の世界に戻って友達と協力して生きていく」ことを自分で決めます。
嘘や隠蔽などでいっぱいのこの世の中で「自分で考えて生きること」が大切だと訴えているように思いました。
継承したい事は沢山あるが、「自分で考えて生きること」が大事という
監督からのエールのような、願いのようなバトンを、
是非若い世代の人たちに受け取って欲しいです。
今はつまらなかったと書いている人たちに、何年か後にもう一度見て欲しいと思いました。
また悪意に満ちた世界でも、救いは友の存在であるとも教えてくれています。
小学生の息子も一緒に楽しんで見られました。
本当に素晴らしい映画でした。