劇場公開日 2023年7月14日

「未整理感と、不快表現の多さ」君たちはどう生きるか 映画読みさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5未整理感と、不快表現の多さ

2023年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
映画読み
映画読みさんのコメント
2024年1月29日

>かせさんさん
宮崎監督作品はほぼ全作品を観ているので、「グロい描写がある」は理解しています。
ただ、レビューにも書いたようにそれらは「意志の輝き」を体現しているものが主流だったと私は解釈しています。
(労働による汗や汚れ、酸いも甘いも清濁も飲み込んできた顔の皺、など。千と千尋がわかりやすいと思う)
本作のような「動物(生物)の本能行動による腐臭表現」というのは広義では生の輝きなのでしょうが、観客に可否を委ねるいっそうマニアックに走ったと私は感じました。私は今までの作品の表現とは異なり、シンプルに「嫌な表現を見せられている」と感じた次第です。

映画読み
かせさんさんのコメント
2023年8月9日

グロは昔からやってたと思いますよ、宮崎駿。

かせさん
映画読みさんのコメント
2023年8月7日

>momokichiさん
コメントありがとうございます。
言葉は基本的に褒めるために使いたいのですが、本作については少し厳しかったです。
若き頃の宮崎監督は明確に職人(誇りのある『アニメーター作品作家』)になりたい方だったように思うのですが、いつからか教祖的になってしまい、甘んじてしまっている感がありますね。
多くのクリエイターを見た時にそれは「とても普通で、凡なこと」で、天才のやることではないと思っているので、最期の作品となりそうな本作=結論がそのような方向性で落胆し、厳しい感想になってしまいました。私は生涯、オールタイムベストに『魔女の宅急便』を挙げ続けると思います。

>サルタイサオさん
コメントありがとうございます。
正直、本作の脚本を無名の人、たとえば専門学校1年生などが書いて提出していたら、「まだ人に見せていい段階ではない」「気持ちを入れ替えて、基礎から勉強し直さないとあなたがモノになる未来はない」等、出てくると思います。それにここまでの予算が乗ってしまい大勢の超絶クリエイターたちが唯々諾々と付き合わされるのは、ちょっと闇というか、暗い気持ちになってしまいました。
少し話が飛びますが、小説家松本清張の最高傑作は、齢70で書かれた『黒革の手帖』だと思っています。現在82歳の宮崎監督が、「次の作品」で「よくある凡な開き直り」に陥らず、その天才ぶりを証明しきってくれることを祈ります。

>Castさん
お褒めいただきありがとうございます。
序盤の火事周りのアニメーションは「(シンエヴァで突き放された元弟子・庵野秀明に)負けじと来た! これは勝負する気だ!」とすごくワクワクしましたね。私も好きです。
が、そこからは開き直りとも言える内容でしたね。残念。
ジブリファンでもない人が「とりあえず褒めておく」のは、率直に言って心配になります。不明瞭なだけのものを見せられて絶賛(自分にわからないものだから凄いに違いない、それに気付いている自分は偉い)という行動心理は、多くの時代の人にとって黒歴史にしかならなかった結論が出ていると思いますし、最悪、悪い商売をする人たちを近寄らせてしまうのではないかと思います。
本作をもってなお、アンデルセンの童話『裸の王様』の普遍性に驚嘆します。子供だけが率直に感想を述べるリアリティも。

映画読み
Castさんのコメント
2023年8月6日

私には貴方ほどの語彙や表現力が無いため言葉にするのが難しく、上手く批評出来ていない作品でしたが大変腑に落ちる感想でした。

今までROM専だったのに、わざわざ映画.cmmに登録して返信したくなる程には。

正直ジブリヲタや駿信者レベルの人が絶賛しているのは仕方無いとも思えます。
正直私も好きな監督や役者の引退作品って言われたらレビューに色付けてしまうと思います。

しかしレビュー見てるとそうでも無い人が「美しかった」「心に響いた」とか高評価付けてるのを見て日本人みんな頭オカシクなったのかと不安でしたわ昨今。
少なくともエンタメ映像作品として褒められる所は一つもありませんでしたよね君生き。
精々アニメーションの出来くらいですかね評価しているの。

Cast
サルタイサオさんのコメント
2023年8月1日

まったくおっしゃる通りの感想です。
エンタメレベルが及第点に達しておらず、かといって文学的なものも自伝的なものも汲み取れない…
扉の仕掛けの伏線も回収もチープなもので、親子、親戚関係の意味合いもそこまでして説明する世界観としては神秘性も弱くて驚きもなくてこれまでの宮崎作品に匹敵しないし、弱々しい。

個人的には黄泉の国のイザナミを母に見立てたのかと思いますが、それにしても分かりずらくて深くもない。

あとおそらく自伝なんだと思いましたが、それにしたって朝ドラの水木しげる先生やまんが道などのお手本があるのでせめてそれに狭れなくても競える程度の何かは手応えがあってしかるべしですね。

もうこれで遺作なら納得できませんので世間の評価を聞かない宮崎さんでも今回は思い直して再度次回リベンジをお願いしていところです。

サルタイサオ
momokichiさんのコメント
2023年7月30日

至極のレビューです。腹落ちしまくり。言語能力うらやまです。

> はっきりくっきりした作品であることを目指さなかった――という言は、達人の境地や至言ではない。後付けの、言い訳に近いものである。

> 満席である他全員は頑なにその拍手に乗らなかった。「よかった体験」にしようというムードに抗う迫力があった。「やっと終わった」「誰が拍手するものか」という無言の一体感は久しぶりだった。

> 深くはない。ただ乱雑で、とっちらかって、見えにくくなっているだけだ。

momokichi