劇場公開日 2023年7月14日

「宮崎駿のもっと見たい。」君たちはどう生きるか mochimochiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5宮崎駿のもっと見たい。

2023年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

黒澤明の「夢」や、北野武の「菊次郎の夏」や、松本人志の「VISUALBUM」や、エヴァの25、26話、立川談志のいう所のイリュージョン?の様な感じがしました。
昨今のネットのレビューや、星の数や、興行収入を無視して、宮崎駿の好きな物、嫌いな物、気持ち悪い物、ワクワクする物、引っかかる物で固めたバットで観客の頭をぶん殴りに来たような感じがしました。
千尋やハウルやポニョでやりきれなかったことをやり切っている感じがしました。
子供でも見れる様な気もするが、中年以上の精神的タフさがないと見ることがキツイ気もする。
アニメブームの現在、アニメーションを使っての表現では、ピクサーやディズニーをしばらく追いつけない位引き離したのではないか、歴史に残る作品を打ち込んだのではないかと感じました。
アメリカやヨーロッパで評価されなくても、何かしらの賞がもらえなくても全然悔しくない、むしろ評価されない方がカッコ良いし、ありがたい。
歌舞伎、落語のように日本独自の芸術表現の1つとして海外に真似できない、追いつけない技術、表現としての宮崎アニメ。
宮崎駿の持てるアニメーションの技術を総動員でフルスイングして、作った本人はスッキリして満足して、引退も悔いはないとか感じているのではないかと感じたのですが、専門家の話を聞いたところ、宮崎駿の技術はこの程度のものではなく、むしろ本気が出ていないとのこと。たぶん次回作にも既に手を付け始めているのではないかとの話。
この映画をさらに上回る能力があり、しかも次回作の可能性もあると、それは是非是非是非期待大です。
もっと見たいと言う願いを込めて4.5にさせていただきました。
今年の夏休みの間は、この映画を何度か観ながら、この世界に潜って泳いで漂うのも良い過ごし方かも。

mochimochi