「宮崎駿の遺言状、そして生前葬」君たちはどう生きるか かけやんさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿の遺言状、そして生前葬
初日に2回観た。1回目は純粋に圧倒された。
2回目はまるで子供時代のアルバムを
見るかのように懐かしめた。
だがこれは誰かのためになんてまるで作ってない。宮崎駿が今までの自分の全人生を、全存在を、映画にして、アニメーションにして、磨き上げ、輝いてる。渾身の右ストレート。
ジブリそのものを表現したような作品。
宮崎駿の生前葬みたいだった。
大叔父=駿。インコ王=鈴木敏夫。ペリカン=アニメーター。13の積み木=ジブリ作品。インコ=ジブリを欲する大衆。
宮崎駿は誰かに引き継ぎたかった。でも誰も引き継げなかった。だからこそ、走馬灯のようにこれまでのジブリ作品を至る所に散りばめて、最後にその世界の崩壊、つまりはジブリの終わりを描いたように思えた。だからこそ、もう宮崎駿監督の映画を観た子供の頃に感じたドキドキ、ワクワクはもう今後味わえないんだなっていう喪失感と寂しさを感じた。
そういえば、、と。どこかのドキュメントで語っていたのを思い出した。「自分が好きになった映画はストーリーで好きになったんじゃない。ワンショット観た瞬間に、これは素晴らしいって。」
面白い、面白くない、じゃない。尊い。
天才の才能にぶん殴られて、頭が痺れればいい。
美術館に行く、芸術を楽しむ気持ちで映画館に足を運んで貰いたい。
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