劇場公開日 2023年6月2日

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ウーマン・トーキング 私たちの選択のレビュー・感想・評価

全103件中、81~100件目を表示

4.0来世より現世

2023年6月4日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

いったい何時の頃の話だよと、疑念が心にわだかまりながら観続ける。

女性は皆々地味な服装で装飾品も寡少。
男性も大人も子供もオーバーオール デニムがまるで制服のよう。

移動は自動車ではなく馬車。
子供の遊具も無い。
夜になればランプに火を灯し、
街灯なども視野には入って来ず。

おそらく電化製品も無いのではないか。

しかし幾つかのヒントが小出しにされ
次第に時代が明らかに。

その提示の仕方が頗る巧い。

第二次大戦の話題にふれ、
傷の手当てに「バンドエイド」が使われ、
最後にはそのものずばりの年代が提示され、
その事実に驚愕。

もっとも、
〔刑事ジョン・ブック 目撃者(1985年)〕で描かれた
「アーミッシュ」のように、宗教上の理由から近代文明を拒否する集団はあり。

それにしても、女性の識字率がほぼゼロで
教育すら受けていないとは行き過ぎだろう
(あ、でも「ISIL」は、これを目指してるんだっけ?!)。

ただどうやら舞台はアメリカではないことも提示され、
その広大で肥沃な大地は南米のどこかだろうか。

その豊かな、しかし閉鎖的なコミュニティで起こった忌まわしい事件。

一部の男たちが女たちに牛用の鎮静剤を噴霧、
意識を失っている間に性的虐待をするとの行いが
数十年に渡り繰り返され。

女たちは父親が誰とも判らぬ子を産み、
性的にも肉体労働的にも搾取される。

結果、近親婚に近い状態が生じ、
次第に人としての生命力は減じて行くはずだが、
獣と化した男たちはそんなことには頓着せず
快楽を貪る悪魔に変ずる。

しかし、あることをきっかけに事態は露見し、
主要な犯行者は逮捕。

もっとも、保釈金を払っての仮釈放は容易に想定、
彼等が帰って来るまでの二日間に
女たちは今後の身の振り方への決断を迫られる。

何事も無かったように今まで通り過ごす
男たちを相手に戦う、
村を捨て逃避する、
の三案のうち第一案は早々に却下され
残り二案を選択のため、
女たちは納屋の屋根裏部屋にこもり激論を戦わす。

が、その話し合いでは
因習や管理・支配する側に都合よく捻じ曲げられた宗教解釈が持ち出され、
容易には決まらない。

とりわけ、コントロールする側が便利に使う
「来世で約束される幸福」が彼女たちを悩ませる。

果たして女たちはどのような決断を下すのか。

法廷劇さながらに、カメラはほぼほぼ屋根裏部屋から出ることはない。
それが独特の緊張感を生む。

男性として唯一その場に参加をしている
『オーガスト』の存在は一服の清涼剤のよう。
知識を持つことが、選択肢を広げるとの見本として示される。

最後に女たちは、過去に囚われることなく
自分の子供たちが正しい道に進めるための選択をするのだが、
それは今の時代でも懲りずに搾取を目論む男たちに聞かせてやりたいもの。

この手の作品にお馴染みの『ブラッド・ピット』が
製作総指揮としてクレジットされているのに加え、
〔スリー・ビルボード(2017年)〕や〔ノマドランド(2020年)〕の『フランシス・マクドーマンド』も
製作に名を連ねており。

海外の俳優さん達は、ホントに社会問題に対し
意識が高いなぁ。

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ジュン一

5.0決着をつけたのは、信仰に基づく叡智(wisdom)

2023年6月4日
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鑑賞方法:映画館

 全く予備知識なく鑑賞したので、時代やロケーションを推理する羽目に。

 2010年の国勢調査?

 アーミッシュが文字を教えないなんて聞いたことないけど?

 南十字星が見えるって一体どこだよ?

 トンチンカンな状態で鑑賞となったが、信仰と女性の尊厳に揺れる彼女らの真剣な議論に圧倒される。

 男たちを「赦す」ことできないと、天国への門が閉ざされるという教えは、僕には博愛の極北のようにしか思えない。しかし、信仰に生きる彼女らにとっては、男らを「罰する」ことと「赦す」ことを同列に扱わざるを得ない。
 そして、第3の選択肢である「leave」。これを逃げると考えるのか、新天地に向かって立ち去ると捉えるのかで、またもや激しい話し合いが始まる。

 彼女たちは、教育を受けていないために文字が読めないし、基本的人権の概念も薄い。感情的なぶつかり合いになってもおかしくないが、長い時間をかけてロジカルに議論が収斂していく。
 コロニーから一度抜けて大学教育を受けて戻っときた青年オーガストが、公平な書記として議論をサポートしたことも大きいが、祖母世代の女性たちが、信仰に基づいた知恵を持っていて、辛抱強く、諭すように結論への道筋を示したことが、彼女たちの団結をもたらしたと思う。

 ジェシー・バックリー、ルーニー・マーラ、クレア・フォイの演技派ぞろいなので、議論に退屈するどころか、一瞬たりとも目が離せない。

 音楽は、『TAR』に続いてヒドゥル・グドナドッティル。彼女の紡ぐ旋律は、心を揺さぶり続ける。

 決着をつけたのは、信仰に基づく叡智(wisdom)。僕はそう感じた。

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bion

5.0集団家出、いや集団離婚なのか?

2023年6月4日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

こんなことがいくら南米でも、
2000年代にあったとは信じられない?

いや、現在も日常的にあることに気づいていないことを気付かされる。

それにしても見事なファシリテーションとダイアログで問題が整理されて行く、

その様は当に教育であり、リーダーシップだ。
そしてこれがこの作品のキモかも知れない。

それにしてもこんなことは大阪府下の河内だけでなく全国的にも夜這いと言うことであったことではあるのが、

今回は、古典的宗教が絡んでの因習となりカルト化しているようで気持ち悪い。

そして、その後も同じ信仰が精神的な支柱となっていることに杞憂を残さずにはいられない。

信仰は良いが、集団的な宗教になるときな臭くなるのが道理であることを知っておくべきことかな。

解決策付きの良い作品であった。

^^

原作は、2005年から2009年にかけて南米ボリビアで実際にあった事件をもとに執筆され、
2018年に出版されてベストセラーとなったミリアム・トウズの小説。
監督サラ・ポーリーが、
架空の村を舞台に性被害にあった女性たちが、
自らの未来のために話し合いを重ねていく姿を描いたドラマ。

2010年、自給自足で生活するキリスト教一派のとある村で、
女たちがたびたびレイプされる。

男たちには、それは「悪魔の仕業」「作り話」だと言われ、レイプを否定されてきた。

やがてそれが悪魔の仕業や作り話などではなく、実際に犯罪だったということを知る。

男たちが街へと出かけて不在にしている2日間、

女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う。

主演は「キャロル」のルーニー・マーラ。

第95回アカデミー賞では作品賞と脚色賞にノミネートされ、脚色賞を受賞した。

^_^

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カール@山口三

3.0まさかの2010年

2023年6月3日
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鑑賞方法:映画館

予告を何度も観て



これは100年くらい前の話なんだと思い鑑賞

途中で

入れ歯が出てきて

割りと古くからあるんだなと

思ってましたら

いきなり

大音量でモンキーズのデイドリームビリーバーを流しながら向かってくる車

そして2010年の国勢調査ですのアナウンス

びっくり

この映画の舞台が10年前くらいだったことに

しばらく衝撃を覚えました

だって馬車だし、電気もないし、当然スマホなんかもあるわけねえの

おら東京さいくだ

顔負けでした

それくらい、閉鎖的な村だったんだなと

考えさせられました

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れいん 【観る前にレビューは見ない派】

3.0もしかして、ドラゴンタトゥーの3作目⁉️

2023年6月3日
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これは事件です❗️
なんと、リスベットの初代と二代目が揃い踏み‼️
正直に言います。
浅はかな私はそれだけの理由で観に行きました。

インディ!ではなく、ハリソン・フォードの代表作のひとつ『刑事ジョン・ブック』に出てきたアーミッシュのような村が舞台で、強い宗教色を背景に、静かに深く濃密な時間が過ぎていきます。
私の脳も静かで心地よい眠気に包まれかけました。

後半は、小難しい会話(三つの権利とかなんとか)の多い字幕を追ってるとどんどん眠気が増すので、ルーニーの何年経っても変わらぬ素美人(スビジン…こんな言葉ないかもしれませんが)振りを拝むことに専念しました。

ところで、南十字星は北半球のアメリカでは見えないのでは?と思ってたのですが、この映画のモデルとなった事件は南米のボリビアで起きていたからなのですね。勉強になりました。

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グレシャムの法則

3.0初めてのお願い

2023年6月3日
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納屋で女性たちがひたすら話し合う「だけ」の作品。
彼女たちが普通に話すエピソードがどれも普通じゃなくて驚きます。「出ていくこと」が初めての夫へのお願いであり、それまで「お塩を取って」すら言ったことがないという衝撃…。

このコミュニティの考え方や常識がいかに異常であるか、それでも脈々と受け継がれてきた当たり前が恐ろしく、革新的な決断をした女性たちは逞しくもあり、無理やり奮い立たせる様が危うくもあり。
それでも「違う未来」を語るナレーションに、希望を感じることができました。
奥深い作品でした。

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まだまだぼのぼの

5.0観たい度◎鑑賞後の満足度◎ 映画と云う表現媒体によるA級のシチュエーションドラマでありディスカッションドラマ。女性達だけで考え、悩み、論じたうえでの結論を一人の男性として諸手を挙げて支持しよう。

2023年6月3日
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鑑賞方法:映画館

①素晴らしい。ラストは久しぶりの感動に胸が震えた。泣いた。
大袈裟かも知れないけれども、彼女達の列が行く道の先を捉えるラストの映像が、これまで男中心だった人間社会(殆んど破綻しかけてますが)の未来の希望へと続いているような気がする。
②舞台はもちろん現実にある村でも村社会でもない。
女性達だけで議論し結論を出すと云うシチュエーションを作り出すために設けられた架空の世界である。
登場する女性達はみんな神への敬虔な信仰を持ってるキャラクターにしてあるが、これも重要なファクターではない。
何故なら人間は何かを信じていないと生きていけない生き物だから。人生の中で起こる出来事(特に悲しみや苦しみ)を自分の中で落とし前をつけるために、それを神の意思としたり、運命だとしたり、人生はこんなものだという諦観であったり、また、人生の価値を、信仰に、金儲けに、他人や社会に尽くすことに、家族を持つことに、世界の真理を探求する事に等々、人生を歩んでいく依り代がないと前に進めない生き物だから(勿論、前に進めない人もいますが)。
信じられるのは自分だけ(自分が自分を一番分かっていないのにね)、と云うと人もいますけど。
だから、彼女達の信仰をあまり特殊なものと捉えない方がよい。
また、敢えて女性達を教育を受けたことのない環境にいる人々とする為に、特殊な信仰的教義に縛られた村社会にするのが舞台設定として自然で便利だっただけで、信仰のみを取り出してこの映画を語るのはあまり適切ではないと思う。
③ディスカッションする女性達を文盲(つまり教育を受けたことがない)にした設定も巧い。
それで、余計な学識や近代的な知性等に邪魔されない(でも生活の知恵はあります)より本質的な女性性・母性がぶつかり合い、主張し合い、語り合い、考え合うドラマになったと思う。
登場するほぼ唯一の男性も中性的なベン・ウィショーにしたのも巧い配役。
物語の純粋性を保つにはマッチョな男性像はここでは必要ないのだ。
④ただ、男性を排除して女性だけの世界が理想だなどと主張しているわけではなく、○○することでしか性欲の捌け口を知らない無学・無教養な男性達の救済にも言及している。
⑤“Daydream Believer”をこんなに感動的な気持ちで聴けるとは思わなかった。
⑥アガタに頼まれて作る“善きもの”のリストの最後に、オーガストが「Women」と書き込むのにはサラ・ポーリー監督の女性讃歌を感じる。
⑦演技陣の中では、クレア・フォイとジェシー・バックリー(最近、彼女の出ている映画ばかり観ている印象が強い)とが印象的。

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もーさん

3.02010年にボリビアで起こった実話です

2023年6月3日
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悲しい

知的

難しい

基本、既読小説(もしくはコミック)でない限り、予備知識なしで観る事としています。がしかし、今回はそれが全くの裏目に出てしまいました。
「未開拓時代のアメリカでのお話かな」と勝手に思い込んでた為、途中2010年の設定と分かった途端「そんな事ある???」と疑問符でいっぱいになり、ストーリーへの集中度を欠いてしまいました。2010年のボリビアでの実話と認識していれば、「さもありなん」と軽く流せていたと思います。
もう一点、人物相関図も事前に把握しておいた方が良かったです。私の問題かもしれませんが、登場人物の判別が途中まで中々つかず、誰がどの立場で語っているのか理解するのに手こずりました。人物相関図を予習しておけば、会話の内容理解度も上がり、より楽しめたと思います。
これから鑑賞なさる皆さんは十分な予備知識を持って臨まれる事をお勧めします。

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はらこ

3.0イライラした

2023年6月3日
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白熱した議論が見られるかと思えば、
話がすぐ脱線したり、
感情で支離滅裂になり、
一向に話がまとまらないからだ。
残りたい人は残って、
去りたい人は少しでも遠くへさっさと行けば良いと思ったのは、
時代も背景も境遇も分かっていない他人事だからか。

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ムーラン

3.0女性たちの話し合い

2023年6月3日
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立ち向かった。

犯人たちは、登場しないんですね!

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かん

5.0自分のため子供達のための未来への話し合い

2023年6月3日
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性的被害を受けた女性たちが自分のため、子供たちのため未来への話し合いをする。

抑圧されたコミュニティから出ようとする者、戦おうとする者、植え付けられた固定観念に縛られる者、受け入れる者。
それぞれの価値観がぶつかり対立するが、少しづつ会話によってある一つの結論に至っていく過程がとても丁寧で、最後の感動と清々しさが凄い。
信仰よりも子供の未来を選ぶサロメに好感が持てたし、囚われ外に出ることを受け入れられないマリチェに共感もする。例え話で愛馬のエピソードを話すグレタも良い。
特に印象的なのは村に残った唯一の男性オーガスト。
オーナへの愛情と子供たちを正しく導いていかなくてはならないという責任感。男の非道さに吐き気がする中、男全員がそうではない、とっても好感があり、最後はちょっと切なくなる。

予告映像の中身が抜け落ちていたから、中盤、外部の人間の登場と明らかになる事実にビックリした。
これは昔の話ではなく、どこかでまだ起きている事件なのではないかと恐ろしくなった。

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いたかわ

3.0信仰は解釈によって重大な間違いを引き起こす

2023年6月3日
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生命の安全と人間の尊厳を蔑ろにするような「教え」なんか直ぐに捨てちまえば良いのに、と部外者である自分なんかは思うのだが、当事者からすると信仰が生活の全てなわけで、そんなに簡単な問題ではない。

本作は、人を赦さない事や生まれ育った土地を離れてしまう事で天国に行けなくなるなど、古い時代に都合良く解釈された「教え」を現在の自分たちの置かれた立場に落とし込み、適正な「教え」に修正するという第一歩を踏み出せた女性達の話だと思う。

周囲との接触を避け、情報を一切遮断し、教育も受けられず文盲であるため、女性達が村の外で生活する事は実質できず、ある意味見えない『檻の中』におり、男達の都合の良い状況を作っているが、税金ちゃんと払っているのだろうし、犯罪から守られる権利をもっと主張すれば良いものを教養も情報もないため、結局は信仰に対して良いか悪いかのみで動いてしまう。

納屋での話し合いはさながらシドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」の如く、真逆の意見がぶつかり合い、心情を吐露し、痛みを共有し、静かにそして白熱しながらも最後は皆が個々の事情や思い込みを悔い、「赦す」「戦う」「去る」の中から彼女達にとって最も革新的な結論に弾着する。

評論家好みで時代に合ったテーマと全てを説明しない堅実な脚本は、派手さはないが見ごたえのある作品に仕上げられている。

作中とエンディングで2度流れた「デイドリーム・ビリーバー」は皮肉っぽく聞こえた。

劇場内は空席が目立っていたが自分以外ほとんど女性で、終演後明るくなった時に何となく申し訳ない感じがして、目立たない様に暫くじっとしていた。

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カツベン二郎

4.0Q

2023年6月3日
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ベン・ウィショーって演せる俳優だったんですね。
サラ・ポーリーは脚本賞かー。バロンから思えば遠くへ来たもんだ
(サリー・ソルトという子役で出演。かわいかったんです)

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michi

3.0メチャクチャ最近の話なのか!

2023年6月2日
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ちょっと油断してました。賞レースの結果を含め評判は高く、スタッフ・キャストは眩いばかりで観なくても「良いに決まってる」と高を括っていました。
ところが始まってみれば理解できないことだらけで、イライラが募ります。そして最後まで観てもやはり印象は変わらず、台風で荒れる夜道を歩きながらレビューに何を書くか考えつつ、ふと興味本位で映画.comの採点を見ると「4.4(6/2の22時時点)」。これはまずいぞと、正直、自分の評価を少しでも上げるために考えまくりました。
そもそも私、本編観るまで予告編で大きく勘違いしていたのです。おそらくこれって17、8世紀くらいの北米のどこかの話だと思ってて、、それで「先人たちの闘いがあって、今がある」的な話なのだろうと思ってたら、途中、その集落に「車」が現れ、そこからスピーカーで「Daydream Believer」を流しつつ、アナウンスで「2010年の国勢調査にご協力を・・・」。。。あれ??メチャクチャ最近の話なのか!
で観終わって、改めて映画.comのあらすじを確認すると「2010年、自給自足で生活するキリスト教一派のとある村で・・・」とあります。まぁ、原作はあと数年だけ前の事のようですが、それにしてもたった15年くらい前の「実話ベース」の話だったとは。
結局、自分の知ったつもりでいる世界や価値観は極々小さな一部でしかないのだな、と思いつつも、だったら外を見てきたはずのオーガストに対し、「それなら、お前もっと出来ることあるんじゃないか?」とあのおっとり野郎にイラつくし(あくまで、ベン・ウィショーは好きな俳優さんですよ)。
語られていることの重要性や、女性たちの(この状況下での)勇気ある行動に称賛するつもりはあるものの、どうしてもあれだけ白人だらけ(スペイン系?)だと、いくら「架空の村」設定とは言え、やっぱり演出過多なのではと穿った目で観てしまう私。ごめんなさいですが、私にはどうしても違和感が先立ってしまって、、、
兎も角、まずは信仰に対する知識や理解が低すぎる私には、そこがかなりのボトルネックだと思い知りつつ。最初こそ「赦す(何もしない)・闘う(復讐)・去る(逃げる)」の三択という極論や、「赦さないと自分も赦されず、最後には天国にも行けない」の繰り返しに、結局自分かよと思いつつも、最終的には「子供たちのために」という動機で(作品の中の)女性たちが出した結論にホッとしつつ、恐らくは私もそれが最善だったと共感することで納得しようと思います。いやはや。。

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TWDera

3.0アーミッシュかと思った

2023年6月2日
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映像から19世紀のアメリカの田舎の話かと思っていたら、2010年の国勢調査への協力依頼の車が走ってきてつい最近の話であることがわかる。設定はアーミッシュの人々なのか。女性はまともな教育すら受けさせてもらえず文字を読めない。男性に依存して生きることが神への信仰心の現れだと信じきっている。これを見て、自分はエホバの証人や統一教会などのカルト宗教の二世たちを思い出してしまった。赦しといっても、forgive とpermitte は違うと女性達が気づくシーンは感動を覚えたが、宗教は、時として権力者もしくは男たち等の既得権者を守るための方便として女性を縛る事にも使われる。ラストで精神の自立のために旅立つシーンは、旧約聖書の出エジプトを思い起こさせた。

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M.Ooi

5.0言葉にできない。女性たちの苦しくも希望を捨てない強さに涙。

2023年6月2日
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泣ける

悲しい

知的

初めて映画のレビューをする。
この映画はレビューを書かないではいられなかったのだ。
今まで観た映画の中で、心の1番奥深くに刺さった映画だった。
女性たちが話し合っているシーンがこの映画の大半を占めるわけだが、一瞬たりとも集中が途切れずずっとスクリーンを凝視して観てしまった。
すごく強い映画だ。
このテーマは、時代や地域、宗教のいかんに関わらず、男と女がいる限りなくならない問題だと思う。
男性という人間の在り方が問われていると感じた。
本作は是非男性に観てほしい。

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うゆか

4.5重厚で奥深い作品。デイ・ドリーム・ビリーバーが流れるシーンでゾワゾ...

2023年6月2日
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鑑賞方法:映画館

重厚で奥深い作品。デイ・ドリーム・ビリーバーが流れるシーンでゾワゾワと立つ鳥肌。これは特殊なコミュニティーの中のお話しととらえて良いのだろうか? 鑑賞中、感動とはまた違った類の涙が・・傑作。

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こち

4.0今日的な問題を扱いながら、同時に時代を超越する「みんなの物語」

2023年6月2日
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鑑賞方法:試写会

激しい暴力シーンや泣き叫ぶシーンは一切出てこない。しかし彩度を抑えた静謐な画面からは、女性たちのひそかな怯えや抑圧された怒りがひたひたと伝わってくる。

このコミュニティは一体どこなのか。時代は遠い過去か、あるいは近未来か。全てを曖昧にしたまま(映画の中盤で時代は明かされるが)、映画は濃密な「討論劇」へと足早に私たちを引き連れてゆく。

どうやらこの村の男たちによって、女性たちは長らく世俗から隔離され、読み書きを学ぶ機会を奪われてきたようだ。信心深く、聖書のことばや賛美歌は諳んじることができても、地図上で自らの所在を確認することすらままならない。そんな彼女らが干し草が山積みされた納屋にこもって、男たちの不在中に投票と激論を繰り広げる……。

本作は、あえて時代や場所を曖昧にして普遍化を図る。「事件設定がきわめて特異である」「今の日本社会の現実からかけ離れている」とか、「男である自分には関係ない」「信仰心が薄い/性被害経験がないので想像がつかない」といった理由をつけて、本作を意識の片隅に押しやってしまっては勿体ない。この作品は、世の中が決して「自分の知っているようなもの」ではない、とそっと突きつけてくるのだ。自分の価値観とのズレを意識し再考するきっかけが間違いなくここに在る。

閉じられた空間で進行するスリリングな討論劇というと、真っ先に映画『十二人の怒れる男』が思い浮かぶ。だが、あの陪審員たちはヘンリー・フォンダも含めて全員が「自分たちの正義を信じてやまない」「男たち」だった。本作の討論者はみんな「被害者」で「女性」だ。むしろ「女性を取り巻く、古びない問題を扱う」という点ではジョセフ・ロージーの遺作『スチームバス/女たちの夢』の方がやや近いかもしれない。また全編にわたる静謐な空気感はどこかケリー・ライカート作品を思わせる。さらに賛美歌を歌うシーンでは幾つかのジョン・フォード作品も思い出した。

多くのシーンは納屋の薄暗い室内で進行するが、時折、広大に拡がる畑地と青空、“外の世界”へと繋がるあぜ道が、大きく開け放たれた引き戸から覗く。いま暮らすコミュニティが世界の全てではないこと、“外の世界”への憧れと開放感、また“そこ”も決して安全ではないこと―――それらすべてが一目で見て取れる、きわめて印象的なシーンだ。

登場人物は、討論メンバーはもとより脇役に至るまできっちり描き込まれ、一人ひとりが忘れ難い。なかでも、「男たちを赦す」選択を採るフランシス・マクドーマンドは、出番こそ少ないが圧倒的な存在感を放っている。深い傷痕と皺が刻まれた彼女の無言の表情からは、彼女独りの人生にとどまらない「過去すべての女たちの歴史」が推し量られ、胸張り裂けそうだった。もうひとり、討論の書記を務めるベン・ウィショーは、「純真さと教養をもった良き理解者」「愛する人を見守る者」といった“顔”だけでなく、実はもっと複雑な思いを秘めた人物像を体現していて、最後まで一挙手一投足に目が離せなかった。

もうひとこと。本作の挿入曲として、モンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」(‼)と讃美歌320番「主よ 御許に近づかん」の2曲が実に効果的に使われる。特に前者については、劇中で不意に聴こえてくるインパクトとともに、ラストで再度流れる際にその歌詞内容(「青い鳥の羽に隠れる/目覚ましが鳴らない/白馬の騎士/夢見心地の男/学園祭の女王」…)から、現実への深い失望、それでも諦めない未来への希望のような両義性が汲み取れて、強烈に印象に残った。

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ドミトリー・グーロフ

4.5エンドロール最後まで観て、しみじみ素晴らしかったと噛みしめる作品。

2023年6月1日
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鑑賞直後、悲しみや感動とは単純に言えない涙が溢れてしまったのを、よく覚えています。

違う意見を持った者同士が、争わず否定し合わず、
互いの幸せ、安全のためにどうすべきかひたすら話し合う。

"赦しとは?"

あってはならない暴力を前に、冷静さを失わないよう懸命に対話する姿は、ものすごく凛々しくて。
人々の違う考えがぶつかり合い、時に傷つけ合うこの今の世の中に当てはめて観ることもできる一作となっています。
人として取るべき行動は?

エンドロール最後まで観て、しみじみ素晴らしかったと噛みしめる作品でした。

ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー…違う主張を持った女性それぞれの逞しさ、美しさを演じ上げています。
そして、出番は少ないながらフランシス・マクドーマンドの存在感はさすが…この役どころか…と思わず唸りました。(心の中で)
今回は、ブラッドピッド率いるプランBと共に、プロデュースも務めています👏

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山田あゆみ

4.0「泣ける映画」にしてはいけない

2023年5月27日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

試写会にて。
目を背けたくなる様なシーンなどはなく、あくまで彼女達の2日間の話し合いをメインにした会話劇
その言葉に含まれる彼女達の気持ちを想像して、女として不意に感情が溢れて涙すること数回
これが2010年に起きている事件であることが恐ろしい

赦すか、闘うか、去るか…

未来への対話とその結論は「感動」という言葉ではまとめてはいけない

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なごん