「14歳の男ですら驚異になる。」ウーマン・トーキング 私たちの選択 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
14歳の男ですら驚異になる。
100年くらい昔の村が舞台の映画かと思ってた・・・。
国勢調査の車が「2000年の国勢調査のため・・・」と放送を流しているシーンで、現代の話なのか!?と驚いてしまった。これだけ男尊女卑えぐい村は100年以上前の話かと思ってたよ・・・現実のキリスト教コミュニティでの連続レイプ事件が元になっているらしいが、調べたら事件を隠蔽してた男達の証言といい、本当に胸くそ過ぎる事件だ。
映画でもレイプした男に罰を与えたりコミュニティから追い出すのではなく、保釈金を支払いに行くのだから男達がクソでしかない。
キリスト教の教えは素晴らしくても、キリスト教組織ってことごとく男尊女卑で組織のトップは男ばかり、現代でも少年や尼さんへのレイプを隠蔽するなどろくでもない。保釈金を支払いに行くのだから男達がクソでしかない。
何もしないは論外として、出て行くにしても何故レイプ事件を起こす男たちや事件を知ってて見て見ぬふりしてた男たちが出て行かずに、女が出て行かないと行けないのか。
食卓にある塩を取って、とも、出産時に背をさすってとすら頼んだことすらない男達に出てってと頼むことが悲しすぎて笑ってしまうほど現実的ではないにしても。
そしてそんな父親、夫、兄弟、息子、加害行為を「赦し」を誤用して「許可」してきた女達も罪深い。そんな男児ママに育てられた男児がろくな男にならないどころかまた加害する側になる世代を超えた負の連鎖も描かれている。
事実、サロメの息子なんて母や妹が父親にボコボコに殴られている野を観ているだろうに、出て行く琴を決めた母と妹について行こうとしないのはどうかしている。それを麻酔薬で眠らせて無理に連れて行ったところでまともな男に育てるにはもう手遅れじゃないのか。他の女の子に加害する危険のが大きい気がする。
男達からの(性)加害にうんざりして「女だけの街」がツイッター(X)で話題になるたび、サロメたちのように自分の息子を無条件で連れて行けると思ってる男児ママにうんざりするのはここだ。本気で教育して加害しない男に育てようという気概が足りない。母親からしたらどんなに可愛い息子でもよその女児女性からしたらただの男だ。オーガストが言うように男は14歳だって驚異になるのだ。もっと言えば5歳児でさえ園の女児に性暴力を起こす事件が起きている。ムクウェゲ医師のドキュメンタリーで語られているように、女性は赤子から90歳をすぎても性暴力の被害者になる。
出て行く一生分の荷物をまとめるのにすぐ終わってしまう悲しさ。このコミュニティで女がそれだけ持てる財産がないことの証左である。
残された村でオーガストが教育係になったところで、女に加害するのをよしとしてきた男に囲まれたコミュニティでまともな男が育つとは思えない。残ったわずかな女性が犠性になるか、新たに犠牲にするための女を呼び込むだけだろう。ミサイルでも落とした方が良いんじゃないだろうか。