「逃げるのは恥ではないけれど、大人数で動くのは大変だ」ウーマン・トーキング 私たちの選択 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
逃げるのは恥ではないけれど、大人数で動くのは大変だ
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三つの選択肢で投票して、残って闘うのと出て行くが同数になっても、対面の話し合いになると、闘うという意見を主張できるのは一人だけで、赦すのか、許すのかという宗教と尊厳をめぐる話になっていく。モンキーズの懐かしい歌が流れて、2010年の国勢調査だというアナウンスに、そんな時代で、男性たちが出払っていて、女性たちが屋内に籠もっているときに、顔を出した者だけでそんな調査をして良いのかとも思ってしまった。そのうちに、男性の一部が村に戻り、闘うことを主張していたと思われる女性が、目の周りを腫らしてみんなの前に姿を現した。どうやら、闘っても勝つ見込みはなさそうである。現代の日本や欧米先進国における男性の DV でも、これくらいのことは予想され、逃げるのが賢明だろうが、村じゅうの女性たちが男の子も連れて一斉に出て行くのはなかなか困難であり、一部察知されたりしながらも、概ね荷物の取り纏めは手早くできたらしい。逃げるならば、少人数の方が効率的であろうけれども、分散して逃げるのでは、残った者たちが酷い目に遭うことは、当然予想される。大人数で行動する意義としては、男性たちの反省を促す効果も期待したいところである。残った男性教師が子どもたちの教育を託され、三つの権利を確認できたところは良かった。
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