「閉鎖された空間の違和感」ウーマン・トーキング 私たちの選択 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
閉鎖された空間の違和感
閉鎖された空間が作り出す違和感って物語の題材になりやすい。「メイズ・ランナー」のようなSFに多い印象があるが、「ヴィレッジ」みたいな映画も印象的だ。
本作は、村の男性たちから受けた性的虐待・暴力をこのまま受け入れるのか、残って男性たちと戦うのか、それともその村を去るのかを女性たちで議論するという話。てっきり喧々諤々の議論が繰り広げられるのかと思っていた。
いや、もちろん議論のシーンが多いし、その中から徐々に真実が明らかになっていく流れではある。でも、もっと議論の対立点がハッキリしていて、後から明らかになる事実でみんなの方向性が変わる、「12人の〜」的な話をイメージしてしまっていた。だから、村の女性たちが結論を出す流れがふわっとしていたので少し意外に感じてしまった。
そうなんだよな。議論を楽しむ話ではなく、村の女性たちが男たちからの暴力に立ち向かう話なんだよな。そして、(明確には説明されていなかったが)この村の特異性と設定の年代を感じて、そしてあの別れを悲しむ話なのだとわかった。「デイ・ドリーム・ビリーバー」が流れてきたときはBGMと勘違いして驚いた。なるほど、そういうことか!と。
やはり人を縛り付けるためには知識、情報の統制が効果的ってことだ。実際にあった話を題材にしてるってところも含めてとてもおぞましい。
コメントする