「異様な理不尽さや緊迫感が増してゆく構成」ウーマン・トーキング 私たちの選択 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
異様な理不尽さや緊迫感が増してゆく構成
村の女性たちが虐げられている立場の女性の象徴のような、寓話的なストーリーでした。
冒頭に話し合いに至る過程が語りで説明され、早い段階で女性たちの話し合いが始まります。
感情的にお互いの意見をぶつけ合う序盤は、こんな話し合いがずっと続くのかとやや心配になりましたが、時代背景や過去の出来事が徐々に明かされ、それにつれて異様な理不尽さや緊迫感が増してゆき危険度の高さを見せつけられる構成で、最後まで飽きることなく見ることができました。
寓話的とはいえ、出演者それぞれ痛切さの伝わる演技で、現実的な問題として訴えかけてきます。
段々とお互いの理解を深めてゆく流れや、決断をするにあたっての想いも胸を打ちます。
単純に女性対男性というわけでもなく、書記として参加している男性はきちんと思いやりを持って理解をしているという、そういう立場の男性の存在も好感が持てます。
子どもが環境により歪められるのを、きちんとした教育や愛情により防ぐことができるという信念にもぐっときます。
実話を基にしているとのことでどこまでが実際のことなのかは分かりませんが、このような問題の負の連鎖を断ち切って、子どもたちの将来が明るいものになるようにと、そういう思いが伝わる作品だと思いました。
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