「未来を見据えた物語だった。」ウーマン・トーキング 私たちの選択 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
未来を見据えた物語だった。
まず、テンポ感が素晴らしく良い。
本題に時間をかけるために、
説明を簡潔に時間をかけず、
しかし分かりやすく見せることに成功している。
さらに、話が進むにつれて見えてくる
人物それぞれのバックグラウンド。
ある人が何故そんな態度をとってしまうのか、
どうしてその台詞を聞いて笑って、
どうしてその台詞を言うときに涙がこぼれてしまうのか。
綿密に作られたその造形に圧倒された。
唯一登場した成人男性の作り込みも良かったし、
キャスティングも最高だった…。
フランシス・マクドーマンドの役柄が若干気にはなったのだが、
おそらく彼女は顔の傷を悪く言われてきたのだろう。
あの村の男たちなら、やりかねない。
だから、外に孫たちを出すのも躊躇った。
自分と同じ目に合わないように。
そう受け取った。
全編を通して思い返したことがある。
全く別の時代、別の国、別の人々。
それでも想ったのは、今まで見てきた周囲の女性たちだし、
自分の女性性のことだった。
色んな苦悩を抱えていたあの女性たちは、この映画を観て
どう思うだろう。
ラスト、本当に素晴らしいものを観せてくれて
ありがとうという気持ちになった。
女性と子供だけで村を出ていく、ああいうのを
映像にして視覚的に観せてくれるだなんて。
これは夢や幻想じゃないんだな、と思った。
信じうる何かがそこにあった。
未来への可能性を信じたくなった。
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