劇場公開日 2023年6月2日

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「南十字星に向かって拳を突き上げろ!」ウーマン・トーキング 私たちの選択 shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0南十字星に向かって拳を突き上げろ!

2023年5月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

原作は2005〜2009年にかけて起きた事件を元にしているそうです。「めっちゃ最近じゃん!怖っ!」と思いましたが、
実際に映画を見て「違う!これはどこかで起きた事件ではなくて、今現在の私の事だ!」と感じました。

恐ろしいことに、自分自身の固定概念/常識/普通の中にも間違いが潜んでいる。
何をもって間違いだと判断して、どう向き合うのか?
その答えの導き方がこの会話劇に詰まっていました。

キリスト教の宗教感で語られる部分が多いですが、ろくな教育を受けられず読み書きも出来ない女性たちの話し合いのなかに、
インドのマハトマ・ガンジーの精神を見る衝撃!
置かれている立場や国や宗教が違っても、南十字星のように不動の判断基準があることを確信しました。
ゴールが遠過ぎて見えなくても、迷った時は南十字星を確認すれば良い。
恐れずに一歩を踏み出す勇気が胸を打ちます。

同じ体験をしても、個人個人で受け止め方も違えば、反応も違う。
関わる年代や立場でも違う。
女性を取り巻く様々な問題が語られ、考えさせられることが沢山ありました。
なかでも私が強く感じたのは子供への教育の大切さ!
教育とは知識の取得だけではなく、未来そのものなのだと感じました。
このテーマを描く切ない愛が、また泣けます。
子供は親の所有物ではないから強制は出来ないけど、どこから子供の判断を優先させるべき?親の庇護下における線引きは?など、この先の不安材料も残しつつ…
でもまた何か問題が起きたとしても、きっと彼女たちなら話し合うことで解決を導き出せるはず。

全ては対話することから始まる。
南十字星に向かって拳を突き上げろ!
日本からは見えないけど。笑

shiron
Mさんのコメント
2023年6月24日

「映画と向き合う時間は、実は自分自身と向き合う時間」なるほどなあ、と思いました。
「ウーマントーキング」と「アフターサン」は見終わった後に、ぜひ、みんなと語り合いたい映画でした。

M
shironさんのコメント
2023年6月15日

Mさん、コメントありがとうございます
忘年会のノリで映画部を発足してから毎月活動しています。
それぞれに響くポイントが違って、10人いれば10通りの感想があるのがとても面白いです。
映画と向き合う時間は、実は自分自身と向き合う時間なんだなぁと感じています。
映画セラピー。笑

shiron
Mさんのコメント
2023年6月13日

仲間と「TARを語る会」。うらやましい限りです。そんな仲間がいるって、幸せですね。

M
shironさんのコメント
2023年6月9日

環境問題にしても多様性の問題にしても、今の教育を受けた子供たちの方がよっぽど意識が高いですよね。

今日、会社の映画仲間と『TAR』を語る会をするのですが
『ウーマン・トーキング』も観た後にいろいろ話したくなる映画ですね。

shiron
shironさんのコメント
2023年6月9日

Mさん、そう言っていただけて私も嬉しいです。
年長の女性がこれまで受け入れてきたことを語るシーンがありますが、
私も古い人間なので、自分の中で常識として受け入れていた事を疑っていかないといけないな…と感じました。せめて次の世代には強要しないように。
でも、身についた常識で麻痺しちゃってるから、間違いだと気づくのはとても難しい。

shiron
Mさんのコメント
2023年6月7日

「違う!これはどこかで起きた事件ではなくて、今現在の私の事だ!」shironさんの叫びみたいな言葉が心に響いています。
shironさんのこんな思いこそが、この映画を作った監督が伝えたかったことではないでしょうか。

私がこの作品がとても心に残ったので、この映画を評価してくれる人がいると、とてもうれしくなります。

M
shironさんのコメント
2023年6月7日

Mさん、コメントありがとうございます。
なんと!日本からでも見える場所があったのですね。行ってみたくなりました。
心に響くセリフが多くて、1人1人が抱えている問題が徐々に明らかになっていく展開にグイグイ引き込まれました。さすがはアカデミー脚色賞。
砂埃と讃美歌も印象的でしたね。

shiron
Mさんのコメント
2023年6月6日

とても心に残るレビューでした。
「南十字星に向かって拳を突き上げろ!」
いいですね!
(実は八重山諸島辺りでは南十字星が低い位置に見えるそうです)

M