青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないのレビュー・感想・評価
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咲太が見えなくなったわけ
咲太は、花楓と二人暮らしをはじめるときに、急速に「子供の面」を切り捨てる必要があった。だから、親との関係性に封印をしてしまう。そしてかれは異常に大人びた青年となる。
そんな咲太は、母親との再会で母親の目に入らない。そんなことは、さすがにないだろうと思うけれど、でも、心配の種だった花楓の方に目が行き、大人びていて心配の必要のない咲太は、功労者なのだけれど、逆に「目にあまり入らなくなる」というのはありそうな話だ。そのとき、咲太の立場だったらどう感じるか。
麻衣さんも、みんなから見えなくなったことがある。それは「多くの人から、いないかのように扱われた経験」が引き金となった。咲太の場合は「本当に大事な人から、いないかのように扱われた経験」が「目撃されなくなる現象」の引き金となったのだろう。そして咲太の場合は、その原因は自分の「親との関係性の封印」にある。彼が言っていたように、あのときは他に手が無かった。そして彼のその封印が、彼と家族を救ったのだ。それは正しい。彼は褒められるべきだ。麻衣さんが彼に対してやってあげたように。でも、母親があのとき彼を目に入れなかった原因を作ったのは、母親ではなく彼の方である、というのまた(冷酷な)事実だ。そして彼はその冷酷な事実をちゃんと引き受け、彼の責任を果たす。そこがとても感動的。
前作に引き続き、控えめの演出で淡々と物語は進む。でもそれが、胸が締め付けられるシーンを作り出していて、とても良い映画だと感じました。
前作おでかけシスターが綺麗にまとまっていただけに
今作のランドセルガールでは、おでかけシスターのその後と、謎のランドセル少女が七里ヶ浜になぜ現れたのかという話が展開され、「前進」がテーマの作品と言える。
今作の立ち位置的には大学生編前、高校生最後の話になるのだが、原作既読済みの自分にとってテーマの「前進」を描き切るには75分では足りていないと感じる。
前作おでかけシスターでは花楓が前に歩き始めて、今度は咲太の番だというのに75分では尺が足りない。
そこにたどり着くまでに何が合って、どう心境が変化したかの心理描写が足りていなくて、そこで終わるのかという所で終わってしまう。
前作おでかけシスターが綺麗にまとまっていただけに、展開が早足で置いて行かれた気分になったが、続編となる大学生編でこのモヤモヤを晴らしてくれる事を期待したいと思う。
まさかの‼️❓マルチバース‼️❓
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