きみの色のレビュー・感想・評価
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賛辞を送りたい
可愛くて、楽しくて、青春っん!って感じで、よい作品でした。
いろいろ修飾した賛辞を送りたくなりました。
「可憐な」「珠玉の」「感動の」などなど。
恋愛も、心の傷も、コンクールも、バンド対決も、不治の病も、世界の危機も要素にないので、何かを成し遂げるような、大きなドラマのない、捉えどころのない作品に思われるのかもしれない可能性はある。
けれども、友情とか、懸命に生きてるとかいう学生時代の輝きがしっかりと描かれていて、彼女たちの「生」に寄り添って、葛藤や喜びなどの感情を「共に体験する」フィルムに仕上がっていたように思います。
実写なら『1999年の夏休み』『エコール』『ピクニック at ハンギング・ロック』のようなスリラーなんだけど、どちらかというと思春期の心の揺れ動きに軸がある映画。
アニメーションなら『ゆるキャン△(TV一期や映画)』『ぼっち・ざ・ろっく』、山田監督自身の撮った『けいおん!』『たまこマーケット』のように、少女(少年)たちがわちゃわちゃ騒ぎながら笑いながら日常を過ごす楽しさを描いた作品などが、近いのではないだろうか。
歌や演奏のシーンから、作画・演出とも逃げてないのがよかった。
指の動きなどを省略したり、イメージの止め絵を使ったりなどという作画枚数を削るテクニックは用いず、しっかり歌い、楽器を弾き、踊り、表情からつま先まで感情をほとばしらせる演技をさせていました。
髙石あかりとガッキーは、声優としてもいいっ!
声質が合っていた。
それから猫がたまらない。
白とトムキャットの2匹。
ちゃんと猫の動き、形状で、猫にも演技をさせていた。
唯一文句を言いたかったのは、主題歌のミスチルが(いい歌だけど)作品から浮いていたってことくらい。
劇中歌「水金地火木土天アーメン」がみんな印象をもっていっちゃうのだ。
エンドロール後にもシーンがあるから、明るくなるまで席を立たないことを推奨。
それと、歌詞を聞き取りやすいよう&ちょっとした波の音などで世界に浸れるように、音のいい劇場をお勧めします(だからIMAXもいい選択肢)。
神様はなにも禁止なんかしてない
僕なんかは、高校までのルールと、その後制服を着ることをやめてからのルールが真逆であることに少々戸惑った人間だ。
女性ならばさらにそうなのではないか。
高校までは、化粧やマニキュアは禁止され、廊下を走るのを禁じられる。
生徒は「穢れる」ことを禁じられている。
社会に出ると、それがすべて逆転する。
この映画では、修道院女子校を舞台にすることで、穢れから極端に切り離された無菌環境と、社会の対比を優しく描くことに成功している。無菌環境も、俗社会も、互いに必要とし合っている。
かつて、「天使にラブソングを」で黒人音楽を白人修道女が楽しそうに歌ったような逆説感が、この映画では通奏低音として流れていると言ってもいい。
言語化超むずい。
一言で言うと、すごい面白いかつ、あとからじわじわ効いてくる良い映画。
視覚要素はとても良い 脚本要素は△
良かった点
作画、背景のデザイン、演出、色彩は良かった
背景のデザインと色彩美は右に出る者がいないと思えるくらい良かった
制服や校舎はとても可愛かった
宗教観が上手く融合されているのも良かった
題材に反して内面の描写を抑えていて野心的だった
良くなかった点
登場人物に感情移入できない
脚本がイマイチ
何を伝えたいのかわからない
バンドの話が蛇足になっている
心情の変化が急でついて行けない
エモくて美麗なシーンを、薄っぺらい脚本、雑な設定で繋ぐ
周囲の人が綺麗な単色に見えてしまう「能力?」をもつトツ子さんが、ひょんなことからバンドを組んで青春を謳歌してしまうお話。
まず特筆したいのが、柔らかなタッチの線画で描写されたキャラクター達です。大変繊細で美しく自然な仕草で動きます。素晴らしい!
特に主人公のトツ子は、まるでちょっと前の少女漫画に出てくる世間知らず夢みがちな王女様の様で、ロマンチックを絵に描いた様です。
なお親御さんの髪色からして遺伝的に彼女が金髪なのはとても変ですがシスター(学校の先生)含め完全スルーされてるあたり、おそらくファンタジー要素が強い作品なのでしょう。ぼっちざロックのぼっちゃんがピンク髪なのにむしろ目立たない・・・のと同様です(笑)。
人がひとつの色彩で見えてしまうこと、つまり人と違う自分に悩み、ミッション系の高校で神に祈ってるトツ子ですが、綺麗な青い色に見える同性の同級生、きみちゃんに憧れます。
で、その同級生が何故か?学校やめちゃって、彼女が本屋でバイトしていることを小耳に挟んだトツ子は彼女を探しあて、そこに繊細そうでオタクっぽいこれまた少女漫画に出てきそうな美少年と、なんだか良く分からない理由で出会い、自身は大して楽器も弾かないのにバンドするって唐突に発案し、本日会ったばかりの少年も何の抵抗もなく加わるという脚本的大胆さには、ちょっと仰天しました(笑)。
彼らが出会うシチュエーションが、食パン咥えた遅刻寸前のヒロインが角を曲がったら男子にぶつかり、学校の朝礼で転校生の男子に鉢合わせする・・・ってくらい強引なのは少女漫画?の王道なので百歩譲って笑って許します。
しかし、投げっぱなしで脚本に絡んでこない「伏線もどき」やそもそも理屈が通らない「雑な設定」が沢山あり過ぎ、結果として脚本の底が浅くなり非常に残念に思いました。
それらをネタバレしないレベルで箇条書きにします。ちょっと怪しいので、ネタバレ設定にはしときますけど。
・人が色に見えるトツ子さんは、仲間2人が心の奥底で悩んでいたのが分からないくらいの表面的な能力なのか?そもそも綺麗な色が見えるだけだったら彼女のメイン設定にする意味ありますか?
・影平君が古本屋のきみさんに最初固執したのはなぜ?一目惚れかと思ったら結果的に個別の恋愛じゃなさそうだ。そして女性に対してもむしろ社交的で頭が良いのに、ほかに友達がいない理由がよくわからない。
・きみさんが保護者と思われる祖母に断りなく勝手に高校辞められないでしょう。仮に彼女が保護者の署名偽造して退学届け出しても学校からまず祖母に確認の電話連絡くらいありますよ。ここはファンタジーじゃダメ。
・降雪時に基本暖房の無い広い空間はいくら室内といっても氷点下近くになり、暖気するのは難しくありませんか?なぜ石油ストーブのひとつも置いてあげられないのか?実はセントラルヒーティング、もしくは蝋燭がとても暖かいのかね(笑)。
・おそらくAMラジオ局の気象情報受信しようとしてるのにFM受信用のアンテナ動かし調整してしまうメカ音痴ぶり。影平君はそんなボケじゃない。
・関係ないけど画面に虫の歩く影うつってませんでしたか(うちの映画館だけ?)
ひとつひとつのシーンは非常にエモく美しく胸を打ちました。コンサートのシーンとかは特にです。
しかし、「そういう場面を描きたいがために、強引に脚本を書き設定は後付けしました!」って思われても仕方ないくらいの雑さが完成度を著しく下げているのではないか、と正直思います。
期待しててハードル上げすぎちゃったかな、と少し反省してます。
では。
変えられないと思ったものも…
優しい世界で自分の色探し
まさかのBorn Slippy!牛尾憲輔だしオールナイトイベントあるし(?)、ほぼ今年のソニマニ!! なんて冗談半分はさておき、大好きな山田尚子監督の作家性が『聲の形』の頃からなんら変わっていないことを感じられてよかった。がんばれーー!!!
音楽『けいおん』✕ 青春『聲の形』= 山田尚子監督 ✕ 吉田玲子脚本による精神的姉妹分は、目に見える葛藤の掘り下げなど、幾分か薄味だけどかわいらしい。生きてく中で自分じゃどうしようもないこともたくさんあるけど、最初から全部諦める必要なんてなくって、自分で変えられるものは変えてこようよ、って。本当に「好きなものを好きと言える勇気」を彼女たちが持てたのなら嬉しいな。大人になるつれて今の時代・社会に染まっては、空気を読むことに慣れて自分を、自由を失くさないように。
パレットいっぱいに好きな色広げて、混ぜれば新しい色見つかるかも…!優しくてあつまたかくて、そんなステキな魔法に癒されるし心洗われる思いだ。つまづいたって苦しくたって、それぞれの想いを抱えた仲間と好きな音を奏でれば、きっとそれが寄り添ってくれてまた歩み出せるから、十代の将来への不安と孤独も手に抱きしめて見てる方までハッピーオーラ全開!! アニメーションは目を奪われるほどすごくきれいだし、ボイスキャストも魅力的で、最後の最後までフィールグッド。
水金地火木土天アーメン♪相対性理論とかが歌っていそう!いくら聖歌とかに慣れ親しんできて素養バックボーンあったとしても音楽始めたてでこれは上手すぎ・キャッチーすぎだし、中高軽音コンテストwe are SNEAKER AGES スニーカーエイジで優勝できるかは分からないけど、絶対にいい線いけるだろというレベルの高クオリティでノレた。そりゃそうだ、細かいことは抜きにしてロックもポップもそこに真摯な思いがあるのならそれは聖歌。
ミスチル、久しぶりにこういう軽やかなタイプの楽曲でのタイアップ嬉しい!昨今やたらと大作がましい作品に、仰々しいタイプの楽曲でのタイアップが続いていた気がするから、これは映画館で聴くの楽しみにしていた。そして、実際聴きながらコレ書いている。編曲には牛尾憲輔が名前を連ねていて、最後まで作品の世界観を崩さない。
ニーバーの祈り
神よ。変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。
P.S. ただ川村元気("原案・プロデュース"etc.)作品あるあるな薄味感も?
GOD almighty
しろねこ堂
勝手に関連作品『シングストリート』『ホールドオーバーズ』『恋は光』
悪くはない、けどストーリーに
私が惹かれるのはあなたの色。その言葉にヤラれた。
「きみ」というキャラの苦しみについて、どう感じるのか。
そこで、この映画の見え方は大きく変わるのだろうと思う。
私は「きみ」というキャラクターに痺れてしまった。
彼女は、祖母の期待にこたえたいという強い意識を持ちながら
それでも自分の中から溢れてくるものを留めることが出来ない。
だから、祖母の期待に沿うだけの自分に耐えられずに学校をやめる決意をする。
それは、とても辛い決断だ。
自分で自分を肯定することも難しい。
なんでそんなことをしたのか、言葉で説明することは難しいだろう。
でもそういうことはある。私はそう思う。
そしてそれは、身を切られるよりずっと辛いものだと思う。
それを救うのはトツ子の感覚だ。
「私が惹かれるのはあなたの色。」
そんな素敵な言葉があったのか。
「きみ」の境遇とトツ子のこの言葉で、私はやられてしまった。
「きみ」は救いのない地獄をさまよっている。
祖母でも彼女を救えない。
祖母がもし、私の期待に沿う必要はないよ、と伝えても
「きみ」は救われないだろう。
それは自分が自分にかけた呪いなのだ。
そして今の時代は、みんな自分に呪いをかけて生きているのだろう。
それが多様性の時代。
自分自身でいいんだよ、と許されるということはつまり、
すべてが自分の責任として重くのしかかる、ということだ。
だからこそトツ子の言葉は胸に刺さる。
その言葉から巻き起こる些細なエピソードの一つ一つに惹かれてしまう。
そこで小さな罪を犯しても、
批判されるようなことをしてしまっても、
心からあの言葉を口にできるトツ子は、
無条件で素晴らしい。
そしてそれに救われて、まっすぐな目で前を向く「きみ」は
なんてカッコいいのだろう。
こんな説得力のあるカッコよさは、久しぶりに出会った気がする。
ほんわかしたバンドアニメ
女子3人の方が良かったかも
初日に拝見しました。もう少し重た目の雰囲気を予想していたのですが、思ったより軽妙で、敢えてメチャクチャ大雑把にいうなら、けいおん!とリズの中間くらいの感じです。
主人公の「トツ子」、ギタリストの「きみ」は悪くないのですが、眼鏡男子の「ルイ」は少し中途半端。女性の観客を意識して無理に男性キャラを入れた感じを受けてしまいました。あれなら、ルイも女性にしたほうが、もっと3人の交流を爽快で楽しいものにできたのでは。
個人的には、山田尚子監督はオリジナルより原作のある作品の方が向いていると思います。オリジナルだと、ストーリーの焦点がぼやけた、ビジュアルに頼りすぎた作品になってしまうようなので。
>uzさん
確かに、あんなに簡単に男子と仲良くなって行動を共にするのは不自然ですよね。初めは女子3人を想定していたとしか思えない脚本と感じました。
意味不明すぎる
吉田❌山田⭕️
まず、わたしは吉田尚子のやりたかったことを全く理解できていない可能性があることに注意してください。そして、この映画を批判しますが、吉田尚子の作品がとても好きで、それを期待して公開日に見に行きました。
ガールズバンドクライのような、聲の形のような最高のヒューマンドラマを期待したのが間違いだったのかもしれない。
[映像と演出について]
冒頭1秒からのまったく引き込まれない演出に、ハズレを引いたか?と思った。映画は映像で伝えてなんぼなのに、いきなりどうでもいい説明文から始まるその構成は個人的に大嫌いである。スターウォーズのような様式美ではあるまいし、何か伏線めいたものでもない。やる意味がない。
このように、全編を通して演出に魅力がない。演出がダメということは、没入感がないということだ。ゆるきゃんの映画のような感じである。(つまり、映画でやるべき演出をしていないということ)
もしかすると、高校生の日常を描きたいがために監督は意図して平凡な演出をしていたという可能性があるが、少なくともそれには失敗している。
映像はとてもきれいで、どこを切り取っても絵になっている。ただ、それだけである。何か芸術的な、あるいは示唆に富むような絵ではない。
[ストーリーと構成]
これがこの映画の2番目の問題点。
全体を通して、あらゆる展開に説得力がなく、それらの展開もあっさりと終わるため、ぶつ切りにされた唐突な展開がひたすら数珠繋ぎになっている。
説得力がないとは、伏線がないともいえるし、共感に乏しいともいえる。要するに、できの悪いなろう作品のようであるということである。(流石にそれほどではないけど)
ネタバレになるのでぼかしての説明になるが、一例として、主人公がその場しのぎでした説明が現実のものとなり、流れるままに、、、というのはよくある展開だと思うが今作品にもそれがある。しかし、そのあとが問題で、何事もなかったかのように、じつは昔からそれがやりたかったことかのように物語が進む。
意味不明である。尺の問題か、気にせずに見てくれということなのかもしれないが、置いてけぼりになる。
だいたいそういう尺の都合上カットせざるを得ないものは、一流の映画では背景の描写で補完したり、音楽で表現したり、キャラクターの表情や行動で表現するものであるが、この作品には悉くそれがない。一切なかったかもしれない。
[キャラクター]
この作品の一番の問題点。
まず、いくつかの人はPVを見て感じただろうが、主人公だけミスマッチである。これはビジュアルの面からしても、性格の面からしても、バックグラウンドからしてもである。
明るい主人公が暗く沈んだ仲間を引っ張るのかな?と思ったが、そんなことはないし、何の意味を持ってこのような主人公にしたのか理解不能である。この主人公の特性として人が色で見えるとかそういうのがあるが、驚くほど活躍しない。いつそれが出てくるのかなとドキドキしていたが、何もない。聲の形では人の顔をバツにするといった演出があったが、それは効果的に働いてたと思う。こう言ったものを期待していたのに蓋を開けてみれば、とってつけたような何の意味もない謎すぎる特技だった。
山田尚子はなにがしたいの?
そして例によって何かしらの問題点を彼らは抱えているわけであるが、悩んで長い間ウジウジしている割にはしょうもないことで極めてあっさりに(1分くらいで)解決する。
また、彼らはバンド仲間であるから、当然仲がいいのだけど、いつの間に仲良くなったのか疑問に思うレベルで仲良くなる過程が描写されない。しばらく男1人と女2人が連絡が取れない期間が続くのだが、ようやく出会えたと彼らは抱きついて喜んでる。しかし、視聴者からすれば、いつの間にそんなに仲良くなったのかと困惑するのである。
まとめると、信じがたいほどの稚拙な脚本に度肝を抜かれた。ということである。もちろん、キャラクターにもなんの魅力もない。私は10代なので、彼らの行動はまぁ理解できるし共感するところもあるが、私は脚本と演出のせいで冷めた目で見てしまう事態になった。ひょっとすると、この映画が好きというひとは、こういう類の共感が、あるいは自身の実体験と重ね合わせることで強力に物語を補完しているからなのかもしれない。
いろいろ不満点を書いてきたが、まだまだ書き足りないほどの問題点がこの映画にはある。やってはいけない脚本のオンパレードでむしろ脚本家にとっての教材になると思う。
吉田尚子は原作がないとダメなのかもしれない。オリジナルアニメに手を出して大失敗しているようにしか見えなかった。
なお、これは映画として評価したものでアニメとしては評価してない。テレビアニメだと、色づく世界の明日からとか、ああいう雰囲気のアニメとしてそれなりに評価されると思う。覇権作品にはなれないが
見る価値はゼロ。金を無駄にしたくなかったら見に行くべきではない
結局何がうったえたかったのか?
作品を見始めて、トツ子のキャラが誰かとかぶるなー、
と思ったら、科捜研の女の榊マリコだった。
自分が思った道をなりふり構わず、まわりのことなどお構いなしに突き進む。
いわゆる、我々のまわりにいる”ちょっと変わった子”
それも色だから、多様性を受け入れましょうのようなメッセージがこめられた
作品かと思ったけど、そうでもないようだった。
結局、この作品の中での”色”ってなんだったんだろう、
そりゃ人には色んな個性があるよね、
しかし、それ以上この作品からつかめることは自分にはなかった。
それから、学園祭でのライブのシーンで、
それぞれの個性(色)でつくられたはずの曲の歌詞こそが
この作品の評価を分けるだろうと思ってみていたのだけれど、
音響のせいか、歌詞がよく聞き取れなかったのが残念。
無粋ではあるけど、歌詞を字幕にして差し込んでもよかったのでは?
そしてエンディングは青春アニメやドラマにありがちな、
都会(?)に出ていく若者が乗った船を見送るという
こすられすぎた演出で突然終わったので、
エンドロールのあとの1シーンでなにかあるのでは?
と期待していたが、結局なんだかよくわからない
追加シーンで終わってしまった。
この作品の主役は、自分の中では間違いなく、シスター日吉子。
ああいう先生というか理解者がいると、救われる若者って
たくさんいるだろうな。
そして、トツ子に向けた言葉である
”変えられないものなら、それを受け入れる”(詳細はちょっとあやふや)を
トツ子自身が理解し、それをシスターに同じ言葉で返すシーンは
教育とか先達の役割ってこうあるべきだよな、、、と
この作品でいちばん感銘を受けたとこだった。
作画の色遣いは、タイトルにあるためかなり工夫をしているところは
見られたのだが、ストーリーはかなり単純。
そして結局何がうったえたかったのかが伝わらないのでこの評価。
ライブのシーンでトツ子が1本指でキーボードを楽しそうに弾いていたのは、
かわいかったので加点ポイントw
こういうのでいいんだよ、こういうので。
やさしい世界を舞台にしたゆるく綺麗な青春アニメ。
悪者は登場せず、登場人物が抱える問題も詳しく描かれることはない。
大きなドラマもカタルシスもない等身大の10代。
それのどこが悪いんです?
素敵な先生がいて素敵な家族がいる、音楽もビジュアルも最高の映画でした。
円盤を買いたくなる素晴らしいカットが多いです。
同じく長崎の離島を描いたばらかもんが好きな人にはこの映画は絶対合うはずです。
絵が綺麗だった
•色々と気になる一作だった。絵が綺麗だったのと、トン子ちゃんが作った曲が良かった。他は、、、他の方が的確すぎる感想があったので、割愛します、、、、。
•色々わからない事が多すぎて、わからないまま終わった印象。何でトン子ちゃんは長崎?の学校にいたのか?何で学校やめたのか?しろねこ堂って誰のもの?とか。誰かの人生の課題のどれかに絞って、早く展開したら、もっと理解できた気がする。シスターがバンドをやってたなんて設定、ラスト前に明かすとか、もったいないと思った。先生が元バンドっていうのは、けいおんと被って見えなくもないから、あっさりにしたのかな。何なら、シスターを主人公にして、何でシスターになったのか、とかが面白そうに思えた。
•色が見えるというトン子の特殊能力が、少しわかりにくく感じた。常にぼんやり見えてるのか、何かあると色だけになるのか、とか。
•悩んでるけど、何となく生きてたら解決した気がするっていう映画だった印象。似たような価値観の優しい人達だけが出てきてて、何とも、、、。とても楽しみにしていたので、期待値が大きかったのもしれない。
1クールアニメで見たかった
同日発売の漫画の1巻か、サイトでコミカライズは読んでから鑑賞した方がいいです、映画ではるい、きみ共にバックグラウンドはあまり描かれていないので、読んでからの方が物語に入り込み易いと思います。
正直、映画の尺では描き切れていない箇所が多く感じてしまう作品でした。決して星3程度の映画では無いですが、映画のみを観たら消化不良を感じても仕方ないかと思います。
予告も、青春と音楽っていう感じだったので、それで観に来るとガッカリしそうだなとは感じました。
肝心の音楽シーンも、ぼちろを劇場で観た後だと、どうしても手の動きや口の動きのズレ、楽曲の物足りなさは感じてしまいました。トツ子の歌はキャッチーで良かったんですが。
1クールアニメなら、かなり良作になったような気もしますが、ちょっと映画にするには尺が足りない作品という印象でした。
ただ、キャラの魅力、関係性はとても素敵でした。もっとこの3人を見たい、3人が関わる人達を見たいと思わせるキャラ作りと人間関係は、さすがですと言わざるを得ないと思います。
正直ネタバレで楽しめないというタイプの映画では無いので、コミカライズやノベライズで事前知識を入れ、キャラに愛着を持って鑑賞に行って頂きたい作品でした。
あと、EDのミスチルはいいのですが、ドラムが作中のバンドにいないので、どうしてもドラムが目立っていたEDと作中の曲とで違和感は感じてしまいました。
それならまだYOASOBIの三原色とかのボーカルが目立つ曲の方が良かったような気もしました、素人の意見ですが。
盛り上がりに欠ける作品ではあるので、いっそOPを三原色で盛り上げて、青春感を押し出した感じにすれば、少しは評価も変わったのではと思います。
期待していたよりは...
変わらないものを受け入れるとは、ありのままの自分を受け入れるということ
2024.8.30 イオンシネマ久御山
2024年の日本映画(101分、G)
ミッション系高校に通う女の子が憧れの同級生と音楽好きの青年とバンド活動を始める様子を描いた青春映画
監督は山田尚子
脚本は吉田玲子
英題は『The Colors Within』で「内なる色彩」という意味
物語の舞台は、日本のとある海辺の街のミッション系高校・虹光女子高等学校
そこに通う3年生の日暮トツ子(鈴木紗由)は、幼い頃にバレエをしていたが、今はその道を諦めて、日々をつつがなく生きていた
毎日、神様にお祈りしては、シスター日吉子(新垣結衣)に悩みを打ち明けるものの、彼女の日常には変化がなかった
彼女には特殊な能力があり、それは他人の色が見えるというもので、その中でも彼女の心を釘付けにしていたのは、同級生の作永きみ(髙石あかり)の放つ「青」だった
ある日、体育の授業にて、きみの投げたドッジボールを顔面に受けたトツ子は、気を失って倒れてしまった
きみに気を奪われてボールを受け損なったのだが、それを誰かに告げるわけにもいかない
その場を取り繕い、きみと二言ほど会話したのち、彼女は気を失ってしまった
それから数日後、登校したトツ子はきみがいないことに気づく
彼女が親しくしていた友人に話を聞くと、どうやら突然学校を辞めてしまい、今はどこかの本屋さんで働いている、ということだった
そこでトツ子は街中の本屋を探し歩くものの、一向にきみの行方はわからなかった
そんな折、トツ子は白猫を見つけ、猫は彼女をどこかで連れて行こうとしているようだった
猫の後を追って路地裏に入ったトツ子は、そこで「しろねこ堂」という古書店を見つける
そして、その店にて、行方しれずだったきみを見つけることができたのである
その場には、離島からやってきた青年・影平ルイ(水戸大聖)がいて、二人の会話に突如入ってきた
二人が音楽の話をしていたことで気になったのだが、そこでトツ子は「私たちバンドに入りませんか?」とできてもいないバンドに誘ってしまう
取り繕うトツ子だったが、二人はその提案に前向きで、それから3人の秘密の活動が始まることになったのである
映画は、特殊能力のような「人の色が見える」主人公を描いていて、彼女自身は自分の色が見えない存在だった
それが明かされるのは後半の話で、それまでは彼女自身の「色」に関しては言及されないまま話は進んでいく
トツ子は自分の気に入った色を持つ人と交流を持つのだが、かと言って彼女が嫌いな色を持つ人物というものも現れない
彼女から見える世界は、どちらかと言えば誰もが綺麗な色を持っていて、その中でも特別惹かれるのが「きみの色」だったというのである
物語は、自分のことがわからないトツ子が自分自身が何者であるかを知るというものだが、結局どのような人間だと理解したのかはよくわからない
色はその人のアイデンティティを表現しているものの、親和性のある色同士が惹かれあったり、属性の違う色に憧れたりと、かなりわかりやすい構造になっていた
きみとルイが会話している際には「きみの色の中にルイの色が混じる」という、かなり直接的な表現になっているが、二人がその後付き合うという流れにはならなかった
それでも、きみの中には確かにルイがいて、それがラストの叫びになったのだと思う
トツ子の色が赤色で、これは青色のきみに憧れを抱いているというところからも想像がつく範囲だと思う
その赤が一瞬だったのは、まだ彼女自身が自分自身のかけらを理解しただけというもので、それが全身に波及する頃には自分が理解できるのかもしれない
とは言え、自分のことを一番知らないのが自分という側面があって、知っている部分を嫌悪しているところもある
そう言った自己嫌悪的な部分を受け入れようというのが本作のメッセージであり、その自分の中にある色は、誰かにとっての憧れであり、ないものねだりに近いものだということなのかな、と感じた
いずれにせよ、かなりスローテンポな内容で、色の話なのに本人の色に言及するのがラストというのはよくわからない感じになっていた
バンドを組む流れもかなり無茶で、あれで結成に至るのは意味がわからない
きみとルイの色の混じり方を知れば、トツ子自身の心に変化が生まれるのかな、と思ったが、どうやらそっち系の属性はなかったようだ
このあたりの女子が女子に憧れるという感覚が理解できて、かつ即物的なものが存在しない世界を許容できれば、この世界観も受容できるのかな、と感じた
全246件中、221~240件目を表示