劇場公開日 2023年5月26日

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「謎の緑命会」波紋 ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5謎の緑命会

2023年6月1日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

緑命会とはどういう宗教なのか?家の中には水のペットボトルが並べられ、祈りの時にはその水をスプレーで吹きかけている。水を大切にしているようだが、庭は水を一切使わない枯山水になっている。枯山水というのは禅宗から来ているらしいが、信仰とは関係ないのか?いずれにせよ、依子にとって緑命会は、祈ることによって心を鎮め、勉強会で信者と交流することによって救われるものになっているので、文句のはさみようはない。緑命水は大量に購入させられるかもしれないけど、悪質な系譜の中にある宗教ではないのだろう。
依子の目が印象的だ。特に旦那を見る目はこれでもかとばかりに軽蔑した眼差しになっていて面白い。心は離れているのに夫婦でいることのつらさを感じる。あんな目でいつも見られていたらたまらない。筒井真理子という女優は見たことある程度で詳しく知らなかったが、演技の幅が広く、気品のある女性の役から悪女役まで演じ切る技量の高さが評価されているらしい。
障害者差別は露骨であった。依子が清掃員に息子のことを相談する際「五体満足に生んだのによりによって障害者を結婚相手に選ぶなんて」とか、聾唖者の結婚相手に直接「息子と別れてください」とか。
震災、介護、新興宗教、障害者など社会問題をいろいろ盛り込んでいたが、どれも中途半端な印象だった。個人的には新興宗教をもっと深堀してほしかった。

ミカエル