みなに幸あれのレビュー・感想・評価
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頭が悪いって大変だな
映画監督を目指す人は見た方が良いよ
何事も起承転結で組み立てる事って凄い大事だと改めて思いました
自分が面白いと思っても、客観的に見た時に本当に面白いかどうかを判断する能力の大切さがわかるはず
「ホラーとかサスペンスとかは奇怪であることが面白く、恐怖であると勘違いしてしまったんだろうな」と、思わせられる映画でした。
低迷しているジャパニーズホラーの中でも特にひどい
超難解ホラー
「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマを下敷きに作られた作品のようだ。
これは確かにホラーだが、それ以前に「SF」というジャンルにしなければ何もわからない。
主人公が父の姉を訪ね、彼女と接見し、彼女が言った言葉がこの作品のテーマであり、この作品にSF要素があるということを示している。
しかしこのSFとしての設定がほぼテーマにしかなく、このSFがわかりにくいことで作品の意味がわからなくなることが残念な点だ。もしかしたら「異世界もの」の方が近いのかもしれない。完全に個人的主観ではあるが…。
さて、
この特殊な設定は、食に関する主人公と祖父母との会話で始まるが、それは食肉の過程を知らずに飽食する者たちへのジャブだろう。
その「犠牲」は、一家で「人間一人分」というのを、実際の人間(搾取される)に置き換えている。
基本的に普段は考えないことをリアル化した「世界」がこの作品だ。
しかし、
それにしても難解だ。そもそも「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という感じのタイトルにしたほうがよかったように思う。
それを「みなに幸あれ」としたことにはどんな意図があったのだろう?
テーマがダイレクトに来ることで作品の設定が明確になる。それに沿ったホラーであればよかったと思う。
しかし「ホラーなのだ」と言われれば何も言えないのだが…。
また、
祖母の妊娠出産は何を意味するのかさっぱりわからなかった。そこにはテーマはなく、ただホラー感だけがあった。
この世界の秘密を知らずに生きてきた主人公。猟師が狩る鹿は象徴。味噌は犠牲者によって作られるのだろうか? そこら辺りに仕組まれた映像は、ホラー特有の気持ち悪さを演出しているが、ただ気持ち悪い。
さて、
幸せとは、完全なる主観でしかない。比較も不可能だ。その幸せという主観には「犠牲」があるという考え方こそ不幸なのだろう。
最後に主人公が彼の両親に会いに行く。その様子を近所の独身女性が覗いている。主人公はにこやかに笑い「だって幸せなんだもん」と答え再びタイトルが表示される。
誰に何を思われても自分が感じる「幸せ」にケチを付けてはいけない。そこが不幸への落とし穴だ。
タイトルは真っ赤な文字 落とし穴が潜んでいる。
彼氏と待ち合わせた主人公は、横断歩道で荷物を持つ老女と再び同じシチュエーションとなる。しかし主人公の心はそれどころではなく、彼女に変わって誰かが老女を助ける。
できなかった些細な行動も、自分を責めなくていい。関わる時は関わるのだから。
自分を責めるのも不幸。
いじめを受けていた中学生が「オレ、大丈夫っすよ。なっても」というのも、同級生が主人公に首を絞めさせ、彼女の祖母宅の新たな「犠牲者」になる選択も、それこそ不幸の元凶だろう。
日本には「犠牲」が美徳とされた歴史が長い。しかし犠牲が誰かを幸せにするわけではないのだ。幸せとは、ただそれを自分自身が感じるものだ。
この作品は、幸せという言葉を遣いながら、不幸が何かを伝えているのかもしれない。
そう思えばこの作品が如何に濃いテーマを持っているのかわかる。そこに異世界要素はあっても、SF要素を削っているのも理解できる。
しかしホラーで難解な作品は初めてだった。
清水崇がらみは久しぶり
白いブリーフのおじさん
誰かの幸せは不幸の上に成り立っている論。
祖父母が暮らす田舎へ看護学生の孫(古川琴音)がやって来る、子供の頃から不快な物音を思い出します。祖父母共に不可解な言動や行動をし…と言うストーリー。
何とも言えない映画で狂った世界をぶっ込んだ作品でしたね。
ブリーフ一枚の男が、目と口を縫われて監禁されている😱
まぁ生け贄的な感じなのか?
家族全員いや村ぐるみで秘密を黙認!
いや、孫が知らんてとツッコミどころ満載でしたが。笑えてしまう。
こんな村があったら、一家に一人ならどんだけ人数いるんやと思ってしまう。
まぁ誰かの幸せは、不幸の上に成り立っていると考えている人間は、ゼロでは無いだろう。
不幸な状況の中からみる景色は、幸せそうな姿をいつも以上に羨ましく感じ、また幸せと感じる人は、誰かを不幸にして幸せを掴み取ったかも知れない。
まぁ極端な発想だが、その考えに飲み込まれたらそうなるんかとツッコミ所満載でしたね。
老人を主に使っているのが、なんとも恐怖です。指を舐めるって‼️
ホラーいやコメディいや不条理な作品か?いや呪い系の作品では?
ラストももったいない様な、んーって感じでしたね。
得体の知れない怖さ
「幸せの数は決まってて いつの時代もそれをみんなで取り合ってるの」...
もっと面白くできたような…
福岡県赤村で生贄が踊る
2024年映画館鑑賞12作品目
2月26日(月)チネラビィータ
会員デー1200円
下津優太監督作品初鑑賞
脚本は『純平、考え直せ』の角田ルミ
福岡県の片田舎にある父の実家に久々に泊まりに来た主人公
祖父母に異変を感じた主人公は2階の奥の部屋に誰かがいることに気づく
部屋には両目と口を縫われたパンツ一丁の太めの中年男が拘束されていた
ロケ地は福岡県赤村
どうやらこの地域の系統の人々は家に生贄を1人拘束していないと体調が悪化し死に至るようだ
何かの呪いか知らないが
両親と弟はおそらく北九州市にでも住んでいるんだろう
古川琴音の芝居がずば抜けている
他には松大航也くらいでそれ以外は素人芝居
盛岡の文士劇か田舎の公民館などで開催される大衆演芸レベル
主人公の幼少期を演じた子役が古川琴音になんとなく似ていた
昔はこんな配慮はなかったが『いま、会いにゆきます』あたりから変わった気もする
山奥に住む伯母を訪ねる主人公
薪割りを手伝いをするが誤って伯母の頭を割ってしまう案の定の展開
『野性の証明』の高倉健を思い出した
生贄が踊るシーン好き
主人公が自分で自分の目元を縫い始めるシーンはエグすぎる
観覧注意!
説明不足でいろいろとシュールだがホラーだしまあそこはいいだろう
何から何までいちいち説明しないとわからない人たちは放っておけば良い
理屈っぽい奴に限ってそれだ
誰かの不幸の上に人々の幸せが成り立っている
それって文藝春秋のことか?
配役
父の実家に泊まりに来た東京暮らしの看護学生に古川琴音
看護学生の幼馴染に松大航也
看護学生の祖父に有福正志
看護学生の祖母に犬山良子
看護学生の父に西田優史
看護学生の母に吉村志保
生贄に橋本和雄
山奥の小屋に住んでいる伯母に野瀬恵子
幼馴染の父に有馬和博
近所の主婦に河村純子
看護学生の弟に上原渉
看護学生の幼少期に久保留凛
地元の中学生に増永成遥
なんですかこれは
才能あれど、どっちつかずの惜しさ
もし本作が世にも奇妙な物語などのオムニバス短編だとしたら、
納得いく出来だといえただろう。
ホラーとコメディには境界線があるのだが、本作は若干コメディに寄っており、シュールで奇妙な作風なので、小品としてはぴったりなのだ。
しかし、あくまで長編映画で、2000円とられるとなると、しかもそこに、
新たなJホラーとして期待させるような謳い文句を掲げておいて、
本作を呈示されると、さすがに文句を言いたくもなる。
まずは良かった点を簡潔に述べると、90分に収まる枠ということ、
一部の目を覆いたくなるようなゴア描写やシュールな笑いを誘う演出、
主演女優さんやその祖父母などの役者陣も良かった、
また序盤の家庭内での違和感や不穏な雰囲気にはシャマランの「ヴィジット」や「イットカムズアットナイト」などを彷彿とさせるワクワクを感じた。
さあ、では何故本作が傑作にならず、消化不良で終わったのかという話になる。
これは致命的なのだが、テーマやメッセージ性といった本作のコンセプトこそが、映画の邪魔をした、ということである。
本作のテーマやメッセージはわかりやすいものであって、要するに「他人の不幸の上で私たちの幸福は成り立っている。」というものである。
また、村の因習や村社会の闇も本作のテーマでもあろう。
それらは普遍的なテーマであるのも関わらず、
本作においてその構造は脆く理論は破綻しており、
遠回りして捏ね繰り回したあげく伝わるものも伝わらなくなってしまった、
ということである。
まず、共通したテーマを持つ他作について。
そのようなテーマの作品は枚挙に暇がなく、
幸不幸の対比というテーマにおいては、
傑作フランス映画「幸福」はその代表例であろう。
「幸福」では見事にこのテーマを、
恋愛映画の皮を被ったホラーコメディとして一級品の皮肉映画へと昇華した。
三池監督「オーディション」も前半で平凡な家庭を描き、
見知らぬところで地獄を生きてきた人間との接触が後半の地獄絵図を生む。
「パラサイト」だって例のどんでん返しの場面から幸と不幸の対比と反転による見事な展開があってこそ、傑作を傑作たらしめているのだ。
ジョーカーの救いの無さも似たような質感だ。
上記が我々の胸に迫るのはその切実さや、その残酷さを正確に摘出する的確さ(インテリジェンスとでもいおうか)、があるからである。
村の因習というテーマについてもウィッカーマンしかり犬神家しかり
昨今ではガンニバルしかり沢山の傑作がある。
さらに「鬼太郎誕生」のような大傑作がついこの間まで公開されていたことを忘れてはならない。
「他者の不幸で幸福が成り立つこと」「村の因習」「ホラーミステリー」この3点において、本作と鬼太郎誕生はテーマがかなり相似しているにもかかわらず、いわずもがな、雲泥の差である。
それは記述したとおり、切実さとインテリジェンスの欠如によるものであろう。
では本作の致命的なミスについて。
本作でも止せばいいものを、わざわざ登場人物に長台詞を喋らすことによって、映画の結末を待たずにしてそのテーマは説明されている。
曰く、「屠畜場で喰われるために肥やされ一生を終える豚」の話や、
「発展途上国の南アフリカで餓死寸前の子供達はこの国に住む我々からしてみれば不幸にみえるが、彼らには彼らの尺度があり、幸福なのだ。」ということである。
こんなことを簡単にべちゃくちゃ喋らせるべきではない。
安直であり、的外れであり、その浅はかさに憤りを覚えるレベルだ。
またその深刻なテーマと本作は関係あるようで結局あまりない。
というのも本作の話はもっと荒唐無稽であり、含みを持たせすぎており、
ホラーとしてもミステリーとしても消化不良で何も解決されないまま終わる。
また唯一感情移入できるはずの主人公の行動も荒唐無稽なものばかりで
とても共感できるものではない。
結局、テーマを重視するならガンニバルほどシンプルに振り切るべきで、
コンセプト重視ならシャマランくらいの展開力が必要で、
世界観を重視するならデヴィットリンチくらい振り切って、
意味深なテーマなど排除するべきなのだ。
そのどっちつかずの曖昧さが、本作を駄目な邦画たらしめてしまった。
形から入って外した。
メタファー(隠喩)として
観ている最中、観終わってしばらくは
意味が理解できなかった。
ただ劇中で、
酷い状況に置かれている描写があって
なんでだろう?と思い、
その酷い状況が解放された時、
酷い状況を強いた側が、
呪いが発動したように、血を流し始める。
なんだこれは?
と思っていたんだけれど、
観終わった翌日、
風呂に浸かっていた時に、
ハッとした。
世の中の幸せの裏側には、
見ないこと見て見ぬ振りをすること
話さない、話すことを禁じられて
堪える人たちが
強要される人たちいるのではないか?
そういった沈黙せざるを得ない
沈黙を強いられる人たちの上に
【幸せ】が積み上がってるのではないか?
誰もが持っている後ろ暗さ、
語られたら終わってしまう秘密、
これらを暴露されたら、
それを強いていた側が、
血を流し、社会的に抹殺される。
自分の幸せを守る側は
それの何が悪いの?
主人公に対して、
「あなたも知ってるくせに知らないフリ?」
と言ってくるのか、と。
とするなら、
かなりパンチの効いた作品だなと。
ホラーというより、
風刺映画に感じた。
不気味すぎる表現が秀逸な新境地Jホラー!
ホラーではないかも、というのが率直な印象。
ただ、不気味すぎる映像表現は秀逸と感じた。
老人役の俳優の演技もセリフ棒読み&感情表現ないところ
が更に不気味さを助長していた。
演出なんだろうけど、下手なのかな?と思うくらいに
棒読みである意味驚いた(笑)
キャラクターの名前がないところも不気味。
家族なのに名前で呼ばないところも違和感。
なんと言っても、伏線というかいろいろやっていることの
回収が全くされないところも驚き。
ここまでくると笑える。
唯一の救いは古川琴音。
彼女が主役でなければきっとここまで観れる作品には
なっていない。
私も古川琴音のポスタービジュアルに惹かれて観た。
Jホラーは嫌いな私だが、
A24とか割と流行っている因習村ホラー的な
位置づけとして鑑賞すると良いと思う。
強烈なメッセージ性のある異色作。説明不足過ぎるのが残念。
強烈なメッセージがある作品でした。
見終わった後にタイトルを見た時に「うわぁ、すっごい皮肉なタイトル…」と思いましたし、キャッチコピーが「地球上の幸せには、限りがある」とのことですが、なるほど、言い得て妙だと納得しました。
世の中には当然のように溢れてるもの、食べ物だったり衣服、電化製品、娯楽もスポーツも。
そういったもので豊かに暮らす一方で、に、地球では、必ず誰かが苦しんでいるもの。
それは家畜だったり、貧困にあえぐ人々、紛争や戦争で犠牲になる人だったり。
そういった存在とは直接関係なくとも、そういった存在がいることを忘れてはいけないし、それを「誰かが犠牲になるなんて間違ってる!」なんて叫ぶのはただの偽善でしかない。
この映画からは、そんな強烈なメッセージを感じました。
これは正直ホラーではありません。
スリルサスペンスに近い感じ。
タイトルの通りですが、残念なのは、とにかく描写不足、説明不足が目立ったことです。
そりゃ制作側はわかってるでしょうが、見る側は何一つ知識がないまま見るわけですから、「怖い。不気味」よりも「どういうこと?」の方が強くなっちゃいます。
もちろん全部を説明しろってわけじゃないけど、あまりにも視聴者側を置き去りにし過ぎかなぁって。
雰囲気に全振りしまくって、ただのカオスな場面も多々ありました。
でもこれまでの霊的ホラーとはまた違う面白さもありました。
新進気鋭の監督の長編ホラー初作品とのことですが、今後とも、この監督には注目したいと思います。
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