「古川琴音だから観てしまったが、怪奇現象の原因が観終わっても分からない。」みなに幸あれ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
古川琴音だから観てしまったが、怪奇現象の原因が観終わっても分からない。
ジャパニーズホラーの特徴は、
心霊系や恨み・・・といった
《目に見えないはずのものが、恐怖の根源》であったり、
《幽霊や妖怪あるいは超常現象》である。
西洋のホラーのように「荒ぶる悪魔が祟る」のとは違う。
あまり宗教も関係がない・・・ジャパニーズ・ホラーの特色がある。
さて、『みなに幸あれ』の場合はどうだろう?
KADOKAWA主催の「第一回日本ホラー映画大賞」を受賞した。
受賞者の下津優太が中編を長編に撮り直しました。
清水崇が総合プロデュースした。
「リング」でも「呪怨」でも「犬鳴き村」とも「貞子」とも違う。
これを新感覚とか言っても良いのだろうか?
田舎の祖父母の家へ行った孫娘(古川琴音)は、怪奇現象に驚かされる。
2階には誰かいて、ドンドンと音を立てたり、物音がひどい。
挙句に2階にはブリーフ一枚の中年男が寝ている。
その人間の姿をした“何者かは“
はっきりと琴音には見える。
虐待ではないかと疑い、連れ出そうとすると、突然軽トラックが
猛スピードで男をはねる。
血だらけの男は土手から蹴落とされて、田んぼで燃やされる。
それを祖父母も近所の人も幼なじみも、当たり前のこととして
驚かず平然としている。
その男が、
誰か?
生者なのか?
死者なのか?
なぜ無視されるのか?
最後まで見ても何も分からない。
因襲なのか?
恨みなのか?
刑罰なのか?
ラストで琴音は東京に帰っていて友人と遊びに行く約束をしている。
まるで何事も無かったように。
一体田舎の家で見た現象は何だったのか?
答えを出さないのは、
不誠実な気がする。
あの世だったとか、怨霊だったとか・・・
結論はやはりほしい。
「アザーズ」のように、実は自分(琴音)が死者だった、
的なオチを考えてみたがそれも違う。
《誰かの不幸の上に幸せは成り立つ!?》
確かにそうとも言えるが、その男の素性が分からず、
あまりにも説得力がない。
人間関係に実態がないのだ。
作者は結論を曖昧にせずに、責任を果たすべき!
《こんなん出てきました‼️》
って、ありましたよね。
そんな感じ。