「帰ろうZE☆」みなに幸あれ なつさんの映画レビュー(感想・評価)
帰ろうZE☆
ホラーな目に遭ってるのに帰らない系ヒロインまた爆誕。
まぁ、そうじゃないと話は進まないので、どんどん怖い目に遭ってもらいましょう☆
個人的に、タイトルの入り方がカッコいい作品は当たりだと思ってる。掴みはOK、オープニングクレジットも良き。
私なら祖父祖母のブヒブヒの段階でスーツケース持って帰ってるなぁ…
謎の徘徊シーンは、なんとも言えないくて人間なんだけど人間ではないような、感覚型ホラーハウスで作り物のお化けに混じってリアル人間が幽霊のコスで追いかけてくる恐怖に似ている。あの表情と話し方、動きはキモい。
バーチャル世界のネタは最近よく聞くのでこんな田舎の因習じみたストーリーで入れ込むのはなかなか面白い。
囚われていた人も、目を開けたら別の自分になるのかもと信じていたかも。でも目を開けても犠牲者のままだった。
喜びなのか、絶望なのか。
カットがなんか面白い。やたらと横を開けてるような。
1本道に犠牲者を先頭に主人公、祖父祖母と連なってるとことか好き。
あの低〜いテーブルの下に大の大人が隠れるとかきっと誰も想像してなかったと思うからあのズドーンと映したところは笑いどころでもあり、とてもシュール。
家族みんながホラー。謎の味噌。謎の組体操。
田舎とホラーとイミフとキモさとシュールと謎と不条理と訳わからない終わり方。全て好き。
伊藤潤二先生の漫画好きなら好きなのでは?
誰かの不幸の上に幸福があって生きているみたいなのがコンセプトみたいだったけど、映画好きにも言えるな〜としみじみ。
私はこの映画は劇場でどうしても観たくて、でも時間が合わなくていつの間にか終わってて、悔し〜ってなって、でもふとアマプラ開いたら無料配信じゃん!やった!ってなった。
映画好きな人はだいたい好んで劇場に足を運ぶ。
だってその方が面白いのみんな知ってるし。
でも、日々排出される新作、ロングヒット作、公開終了作のタイムスケジュールの為、木曜日、金曜日を常にチェック。
それに合わせて自身のスケジュールを組む。柔軟に映画に合わせていかないとすぐ見逃してしまう。特にミニシアター系。これはなかなか難しい。
でも、最近ではこうして少し待てば数千円の配信サービスで1本2000円の映画がすぐに観ることができる。それを喜んで視聴する。
これはすべての、映画館、レンタル店の不幸の上に成り立っているのだ。
よほどの大作でない限り満席にならない映画館。
潰れていくレンタルショップ。
昔は立ち見、二本立て、入れ替え制がないので1度入るとずっと観てられるとかすごく特別感があった映画館。
レンタルショップでなかなか借りれない新作ビデオにしびれを切らす。
コンビニエントな世の中の下には必ず犠牲がある。
そんなことを考えながら、犠牲になってるのは若者だけじゃないんだZE☆おばあちゃん!と思った。
ラストにもタイトルがドンっと入るのだが、これは観た後と観る前とでは意味が変わるタイトルなのが良かった。
良作。
ブリーフを見るとトシオ君がどうしても頭をよぎるよ。
これホラー好きの宿命。
百円の恋 コメントありがとうございます。
映画というのはもしかしたら人口に匹敵するほど作られているのかもしれないと思うほどたくさんあります。
その時々の時代 社会的出来事 または普遍的なこと それを現代のみならず、異世界、SF、またはホラーなどと掛け合わせることで無数の作品ができます。
そのなかで「いまの自分」が完全に心奪われる作品と出会うのは、運命的なことなのかもしれません。
自分ではあまり意識していないことでも、その作品の何かに完全に心奪われる出会いは、必ずと言っていいほどあると思います。
百円の恋
なつさんはこの作品との出会いが、一子が嗚咽しながら「一度でいいから勝ってみたかった」という魂からの叫びに「同調」したのでしょう。
ようやく本気になったものと出会った。年齢的リミットと最初で最後の試合。
何としても掴みたかった一子の思いは叶わなかったけど、彼女雄姿を見た関係者を一子はオセロのようにひっくり返していったのです。
このことはある種の真実で、一子と一緒に体験したなつさんもおそらく同じ体験をしたことになると思います。
心が動かされるできごと 作品 これこそが人生の原動力で間違いないと思います。