「綾野剛史上、最高の綾野剛。執念深さはガーシーを超えた。」最後まで行く ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
綾野剛史上、最高の綾野剛。執念深さはガーシーを超えた。
のちに、韓国元祖版を観ることになるのだが、比較してみると、だいぶ日本に合わせた作りになっているのがわかる。
なぜ主人公は巻き込まれたのか、
どうして敵役の綾野剛はあんなに必死なのか、
悪側は何が目的なのか、
主人公の岡田准一と家族の絆の強さや温度感などなど、
細かく丁寧に説明しようとしている。
それをクドイと感じるか、違和感なく見られると感じるかは、個人の好みの問題で、
韓国元祖版をリスペクトしつつ、それを超えようと、リメイク作品としての努力や工夫をしているな、と感じる部分は随所にある。
ストーリーのスッキリさや分かりやすさは韓国版に劣るし、ジェットコースターのようなハラハラドキドキ感も、仕掛け部分では弱いのだが、
一方で、元祖版には無かったキャラクターを登場させたり、
敵役の綾野剛を「中間管理職」に設定し直すアイデアは秀逸で、
これにより、敵役の執念深さの根源に説得力も増した。
何より、追いかける綾野剛自体の執念深さというか、不気味さは、怪演と呼ぶに相応しく、
「綾野剛史上、最高の綾野剛」だと個人的には思った。
こんな綾野剛なら、ガーシー砲なんて返り討ちにしてやるぜ!って感じの執念深さだった。
後味が悪かった分、二日酔いのような「残る」感じの鑑賞後感で、韓国版よりは重さがあった。
良かった演者
綾野剛
岡田准一
駿河太郎
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